信頼を得る営業(コーチングセールス)その4
さて今回はBlind Needs(隠れたニーズ)についてです。私達が買い物をするときに、普通であれば「欲しいもの」を具体的に認識しています。パンが欲しい、ビールが欲しいというように。機械の部品が必要であれば、寸法や強度といった明確なスペックがあるでしょう。
でも、わたしたちのニーズは明確なものばかりではありません。「小腹がすいたなあ・・・」とか、「もっと使いやすくならないかなあ・・」とか形にならないニーズも多いのではないでしょうか。
ビールが飲みたいというのも、心からそのビールが飲みたいばかりでなく、喉が渇いているから、酔っ払いたいから、枝豆が家にあるからなど、そのものを欲しているのとは異なる理由があるケースがあります。そうした商品やサービスとして明確に認識される前のニースをBlind Needsと呼ぶことにします。
Blind Needsは、本当にお客様がその場で求めているニーズです。心の声と言ってもよいでしょう。そうした心の声に耳を傾けることなく、こちらの声だけを届けようとしている(商品を宣伝している)営業パーソンのなんと多いことでしょう。
お客様のBlind Needsは、当のお客様自身が気づいていないことが多いものです。ひとつの理由は、営業するこちらが既にある商品やサービスを切り口に話を進めることにあります。そのために、話題が逸れていかないのです。営業パーソンは自分の推奨するものから話が逸れないように気をつけているわけですから、それも当然かもしれません。で
すから、ここが最も難しいポイントになります。
この段階では「いかに自分の話に興味を持ってもらうか」に注力しているわけです。それを転換して「いかにお客様の話に(自分が)興味を持つか」に注力するようにするのです。そのことによって、初めてお客様のBlind Needsに気づくことができるようになります。そうなれば、次になすべきことはお客様の要求に応えることです。お客様に協力Cooperationするのです。従来の営業は、ともすれば自分の営業成績のためにお客様に協力してもらう、ちょっとした逆転現象が起きていたわけです。「お客様のため」と言いながらも、その実「自分のため」に他ならなかったのです。
Cooperationとは、お客様のBlind Needsを満足させるための行動です。少し前の話ですが、あるデパートで探し物をしていたとき、案内所のスタッフに尋ねたところ「当店には置いてないのですが、隣の○○デパートにございます」と紹介してくれました。この時の私のNeedsはBlindではありませんでしたけれど、Cooperationの意味するところは伝わるのではないでしょうか。
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中西 真人(ナカニシ マサト) 株式会社M&RConsulting
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