物流2024年問題 タクシー・ハイヤー運転者編
タクシー・ハイヤー運転者の時間外労働の上限規制・改善基準告示改正
R6.4.1~
■時間外労働の上限規制(改正前は上限無しの青天井)
1.原則
月 45 時間、年間 360 時間
2.特別条項(臨時的な特別の事情の場合)
年間 960 時間
※単月・複数月平均の上限、回数制限の適用はなし
■改正基準告示
1.拘束時間 =労働時間+休憩時間(仮眠時間含む)。
日勤:1 カ月 288 時間(前 299) 、 1 日 13 時間(変更なし)
隔勤:1 カ月 262 時間、2 暦日 22 時間(前 21)かつ 2 回平均 21 時間
2.休息期間 =業務終了時刻から次の始業時刻までの使用者に拘束を受けない時間。
日勤:1 日 継続 11 時間を基本、下限 9 時間(前継続 8)
隔勤:2 暦日 継続 24 時間を基本、下限 22 時間(前継続 20)
3. 車庫待ち等の特例
常態として車庫待ち、駅待ち等の形態によって就労し、以下の要件を満たす者
・事業場が人口 30 万人以上の都市に所在していない。
・勤務時間のほとんどについて「流し営業」を行っている実態でない。
・夜間に4時間以上の仮眠時間が確保される実態である。
・原則として、事業場内における休憩が確保される実態である。
日勤:1 カ月 288 時間、
1 日 以下要件により、24 時間まで延長可(変更なし)
・勤務終了後、継続 20 時間以上の休息期間を与える
・1 日 16 時間超が 1 カ月 7 回以内
・夜間 4 時間以上の仮眠時間を与える(18 時間超)
隔勤 :1 カ月 262 時間、例外 270 時間(変更なし)
2 暦日 以下要件により、24 時間まで延長可
・2 暦日 22 時間超、2 回の隔日平均 21 時間超が 1 カ月 7 回以内(前 2 暦日 21 時間、1 カ月 7 回)
・夜間 4 時間以上の仮眠時間を与える(変更なし)
4. 予期し得ない事情(新規規定)
・予期し得ない事象への対応時間を、1 日と 2 暦日の拘束時間から除くことができる。
※1 カ月の拘束時間等他の規定からは除くことができない。
・勤務終了後、休息期間が必要。(1 日勤務は継続 11 時間以上、2 暦日勤務は継続 24 時間以上)
▲予期し得ない事象とは、次の事象をいう。
運転日報上の記録に加え、客観的な記録(公的機関の HP 情報等)が必要。
・運転中に乗務している車両が予期せず故障した
・運転中に予期せず乗船予定のフェリーが欠航した
・運転中に災害や事故の発生に伴い、道路が封鎖されたこと又は道路が渋滞した
・異常気象に遭遇し、運転中に正常な運行が困難となった
※平常時の交通状況等から事前に発生を予測することが可能な道路渋滞等は、これに該当しない。
5. ハイヤー運転手
ハイヤー運転者には、タクシー運転者に適用される拘束時間、休息期間等の規定は適用されない。
・時間外労働時間は、1 カ月 45 時間、1年 360 時間まで
・臨時的な特別の事情で限度時間を超えて労働させる場合にも、1年 960 時間まで
6. 休日の取り扱い
休日=休息時間+24 時間。
日勤 継続 33 時間以上(9+24)
隔勤 継続 46 時間以上(22+24)
7. 塁審歩合制度の廃止
自動車運転者の長時間労働、スピード違反、交通事故の発生も懸念されることから、廃止。
8.休日労働の回数
・休日労働の回数は2週について1回が限度。
・時間外及び休日労働によって、拘束時間の上限を超えてはならない。
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小高 東(オダカ アズマ) 東 社会保険労務士事務所 代表(特定社会保険労務士)
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