年齢・性別・キャリアに関係なく、同じ土俵に立つ研修
ナビゲーター役「スタート地点から最初の目標地点までは、地図上だと4㌢です」
リーダー役「そうすると実際の距離は1000㍍。先ほど教えてもらった計算式にあてまめると20分かかりますね」
ロガー(記録係)役「等高線を数えると、目標地点の方が150㍍高くなっています」
ナビゲーター役「先ほどの計算式だと、プラス30分かかりますね」
リーダー役「結構急な登りかもしれないですが、チームの皆さんは体力的に大丈夫そうですか」
野外研修では、普段の生活では触れる機会が少ない国土地理院発行の2万5千分の1の「地形図」を使い、数人の受講者でつくるグループが道を探し、ゴールまでの所要時間を考えてもらう。2万5千分の1なので、地図上の1センチは250㍍。さらに山なのでアップダウンがあり、平地と同じペースでは進めない。
学校で習った「真北」と「磁北」も思い出してもらい、コンパスを使いこなす。地形図の北と、コンパスが示す北は一致しない。わずかなズレだが、山の中で間違った方向に進むと大事になりかねない。
研修中に獲得した知識を使いこなすことを求めるのは、受講者の年齢や性別、キャリアなどに関わらず、同じ土俵で研修に臨んでもらうためだ。野外研修中、スマホのGPS機能は禁止。地図機能、コンパス機能は使えない。
チームの中で最も若い人がリーダー役を務めることもある。若い受講者のリーダーシップの研鑽にもなるし、キャリアを重ねた受講者にとっても、自らのキャリアが直接生かせない局面で、一人のメンバーとしてチームにどう貢献すべきか考える機会になる。
これまでの同行してきた野外研修で数多くの場面に接してきたが、「実社会の縮図」だと感じる。ビジネスと同じだ。新たに身に着けた知識を活用し、根拠のあるデータをメンバーに提示できるかどうか。
例えば「この先は等高線の様子から、〇〇㍍下がった後、〇〇㍍の登りがある。これまでのチームのペースを踏まえると、計算式より時間がかかると思う」など。
職場に当てはめると、メンバーのスキルや限られた人的リソースなどを踏まえ、プロジェクトの進捗管理ができることにつながる。
野外研修のジャンルの中でも、公園などで行う手法に比べ、実際に登山やハイキングに取り組む研修は数少ない。トレッキングシューズやレインウエアなどの準備が必要で、導入ハードルは高い。その分、森の中を歩いたという非日常の体験とともに記憶に残る研修だと思っている。
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経済記者の企業取材の視点でニーズを聞き、オーダーメイドで研修を設計します。
経済キャップとして企業取材。日本電産の永守重信会長をはじめミネベアミツミ、セイコーエプソンなど長野県に拠点がある企業トップのインタビュー多数。テレビ信州(日本テレビ系)記者から転職。長野県政キャップ、社会キャップ、総合面デスクなどを経て現職
村澤圭一(ムラサワケイイチ) 信濃毎日新聞社ビジネス開発室次長 「信州アウトドア研修」プロジェクトリーダー
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所在地 | 長野市 |
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