社員がイキイキと働く組織づくりに向けたマネジャー育成
■いまの若者たちは本当にやる気が足りないのか
若い人たちの仕事に対する姿勢について思うことはありますか?
「向上心がない」「いつも受け身」「主体的に動かない」いろんな声が聞こえてきそうです。
彼らは本当に「やる気の足りない人たち」なのでしょうか。私自身そう感じたこともありましたが、とある出来事がきっかけで認識が変わりました。
ある日のこと、駅の待合室にいると高校生の会話が耳に入ってきました。
制服から県内でも有数の進学校の生徒だとわかりました。一人の男子が志望校を変更したことに友人たちが驚いているようです。
「将来、介護の仕事をすることにした。福祉大学を受験する」
友人:理工学部を受けてエンジニアになるって言ってなかった?
「やりたいこともなかったし何となくそう言ってきたけど、母さんが介護の仕事をしててね、その日あったことを話してくれる。大変なこともあるし、腰は痛いし、人は足りないし、仕事に見合った給料もらえていない気はするけど、楽しくて、やりがいあって、必要とされて、ありがとうと言ってもらえる素晴らしい仕事なんだって。毎日のように聞いているうちに興味がわいた。母さんみたいにしんどくても頑張っている人たちがいっぱいいる。そこを変えていける人になれたらいいなって。だから大学でしっかり介護の勉強しようと思ったんだ」
友人たち:かっけぇーーー
私も「かっこいいー」と叫びました。(心の中で!)
そこにあるやりがいに価値を見いだし問題意識をもってチャレンジしようとする姿に頭が下がります。
現実を知りすぎている大人たちは、それは理想だよ、現実はそんなに甘くないよと諭したくなるかもしれません。
しかしどんなに立派なことを言ったところで行動が伴っていなければ逆効果。彼らの心の火を小さくすることになりかねないと自覚できている人はどれだけいるでしょう。彼らは彼らなりに世の中が良くなることを願ってくれているのだと思います。私たち大人の役割はうんちくを並べ立てることではなく、彼らが安心して理想を描き、チャレンジできるよう支援し、環境を整え、行動で示すことなのだと認識を改めました。
■働く大人の姿は若者たちの目にどう映っているのだろう
そうしてみると果たして私は、彼のお母様のように「働くって楽しい」という姿を子どもたちに見せることはできているだろうか。職場でイキイキ働く姿を若い人たちに見せることはできているだろうか。言っていることとやっていることに一貫性はあるだろうか。いずれも自信ありません。
彼らが心の火を絶やすことなく仕事に取組み、真に働く喜びを実感できるようになれるか否か。問われているのは大人たちのほうかもしれません。
■仕事ができる人は仕事を楽しむ
マネジメントの父と言われ、日立、イトー・ヨーカドー、ユニクロなど国内経営者の多くがマネジメントの教科書としたP・F・ドラッカー(以降、本コラムでは、ドラッカー教授)は、「仕事ができる人は仕事を楽しんでいる」と言っています。
「仕事ができる人は、仕事を楽しむ。すべてが面白いわけではない。決まりきったこともしなければならない。決まりきったことは山ほどある。ピアノの巨匠は毎日三時間以上弾く。面白くはなくとも弾かなくてはならない。面白くはなくとも、四〇年経ってもさらに進歩していることを実感する。あるピアニストは「指に命が宿るまで」といった。決まりきったことでも楽しむことはできる。
仕事を楽しむ人についても同じことがいえる。彼らにも同じように決まりきったことがある。しなければならないことがある。しかし、仕事は楽しい。
組織にも違いがある。凡庸と一流の違いというよりは、学んでいる組織と学んでいない組織の違いである。前者は組織そのものが成長している。後者は仕事はできるかもしれないが、五時をすぎれば忘れられる組織である」」
『ドラッカー365の金言』P194より
私たちがどのような姿勢で仕事に臨んでいるのかについて、今一度考えてみる必要がありそうです。若い人たちが心のなかにそっと持っているであろう心の火が消えてしまわないうちに。
■組織を輝かせたければ一隅を照らすことから
ここで弊社で企画しているセミナーを担当する講師についてご紹介させてください。
11月29日に開催するプログラム体験セミナー「輝きが連鎖する組織づくり OJTリーダー・新任マネジャーへのアプローチ」で講師を務める廣瀬公尚氏は、大学院時代、先輩である京セラ創業者 稲森和夫氏の経営哲学を学ぶ稲盛アカデミーで、稲盛氏からリーダーシップや生き方、自らの使命(命の使い方)を問うことの重要性を学びました。
コンサルタントとして多くの企業と携わってきた廣瀬氏は、目の前のことに追われ、人間関係に疲れ、自らの心の火を小さくして生きている人や組織をたくさん見てきました。一方で、心の火が煌々と灯っているように感じられる企業や人の姿も目の当たりにしてきました。
「人を輝かせること」について研究と実践を重ねているプロフェッショナルです。
若い人はやる気が足りないと嘆く前に、輝きが連鎖する組織づくりを目指して「明日の人材をいま育てる」ことに力を注いでみませんか?
- モチベーション・組織活性化
- キャリア開発
- マネジメント
- チームビルディング
- コミュニケーション
一社一社、お一人おひとりにしかない未来の物語を人材育成を通じてカタチにできるようご一緒に取り組ませていただきます
現代の組織運営のコンセプトの8割を体系化し「マネジメントの父」と言われるピーター・F・ドラッカー教授。Well-Being経営に関心が集まりあらゆるものが多様化する今こそマネジメントの原理原則が活きると確信しサポートに役立ててまいります。
瀬川 智美子(セガワ トミコ) 研修コーディネーター(実践するマネジメント読書会(R)認定ファシリテーター)
対応エリア | 全国 |
---|---|
所在地 | 横浜市中区 |
このプロフェッショナルのコラム(テーマ)
このプロフェッショナルの関連情報
- 無料
- WEBセミナー(オンライン)
- モチベーション・組織活性化
- リーダーシップ
- マネジメント
- コーチング・ファシリテーション
- コミュニケーション
輝きが連鎖する組織づくり OJTリーダー・新任マネジャーへのアプローチ(プログラム体験セミナー)
開催日:2023/11/29(水) 14:00 ~ 16:00