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新しい視点の扉を開く │ メンタルモデルの見直し方

職場でこんな経験はありませんか?

「それは現場を知らない人の意見だよ」
「そんなことはうちでは無理」
「ムリムリ。社長がウンって言わないです。」

新しい視点や提案に、どこか冷たい反応が返ってきたこと・・・・

反対に、「面白い視点だね、試してみよう」と受け入れられた場面もあるかもしれません。

実はこれ、組織の中にある「メンタルモデル」の違いが影響しているのです。

 

今回は、長い歴史と成功・失敗の体験から形成されるメンタルモデルのお話です。

メンタルモデルを見直す勇気が、成長の扉を開きます。
新しい視点を受け入れ、組織と自分を進化させましょう。

あなたの耳と心の扉は、今どちらに向いていますか?

 

メンタルモデルとは?

メンタルモデルとは、「私たちはこうあるべきだ」「このやり方が正しい」という暗黙の前提や思い込みのことです。
私たちは、過去の成功体験や文化の影響で、知らず知らずのうちにこうしたモデルを築いています。

私がメンタルモデルのお話をするときには、「問題の捉え方と対処方法」という説明の仕方もします。

例えば、ある会社では「とにかく現場主義」が美徳とされ、外部の意見を「非現場的」として退けがちです。
逆に、別の会社では「新しい意見こそチャンス」と捉え、積極的に取り入れる文化が根付いている――これがメンタルモデルの違いです。

閉じた扉と開かれた扉

私が出会った二つの組織の話をしましょう。

A社では、「現状維持」が暗黙のルール。
提案をすると、「その意見はリスクがある」「これまでの方法で十分」と返されることが多い組織でした。

会議の空気も固く、新しい発想を出す人は少数派。
外部からの提案は「余計なこと」とみなされ、ほとんど進展しませんでした。

一方、B社は違いました。
「それってどういうこと?もっと詳しく聞かせて」と、興味深そうに耳を傾けてくれるのです。

リーダー自身が「うちはまだまだ伸びる余地がある」と公言しており、メンバーも気兼ねなく発言できる雰囲気を持っています。

外部の意見も積極的に取り入れ、何度も成功体験を積み重ねていました。この違いを生んでいるのは、組織が持つ「メンタルモデル」と、それを支える「心理的安全性」の有無です。

自分のメンタルモデルを疑う勇気

では、私たち個人は、このメンタルモデルにどう向き合えばいいのでしょうか?
まず大切なのは、自分のメンタルモデルを客観的に見つめることです。

以下の質問を自分に投げかけてみてください。

「自分が当たり前だと思っているルールは、どこから来たのか?」

「新しい意見に対して、自分は本当に耳を傾けているか?」

「過去の成功体験に縛られすぎていないか?」

特に、30代~40代を過ぎた頃からは、多くの成功や失敗を重ね、キャリアにも自信を持ち始める頃です。
組織も全く同じで、長い歴史の中に含まれる成功と失敗から、組織運営に対する自信が形成されます。

しかし、これまでのやり方に自信を持つことは大切ですが、その自信が「扉を閉じる原因」になっていることもあるのです。

 

耳を開くことが成長の第一歩

「耳を開く」とは、新しい視点を無条件で受け入れることではありません。

それは、相手の言葉の中に価値があるかもしれないと考え、一度自分の前提を横に置いて聞いてみることです。

その姿勢が、組織だけでなく、あなた自身の成長につながります。

業種によっては、「専門家の話だけに耳を傾ける」という傾向が強く出てしまうものがあります。
しかし、どのような業種でも、人が安全に安心して働き、活き活きとした行動が必要になります。
それにも関わらず、そんな基本的なことさえも「あなたは、業界の専門家でない」といって聞く耳を持たない人がいます。

一方で、「えっ!トヨタ生産方式って、自動車工場だけで適用できるのかと思っていましたけど、私たちの業界でも適用出来るんですね。」というケースや「今まで、気付けなかった課題が見えてきました。」など、新しい視野・視座を手にするケースもあります。

製造業では「在庫ロス」の徹底的排除を進め、リードタイムの短縮をコストダウンに繋げるのです。

この時「製品のみ」とは、捉えず「情報」という無形の資源に目を向けたとしましょう。

すると、サービス業でも、多くの「情報停滞」が起きており、円滑に提供するためのプロセスが脆弱になっていることが多くあり、コストアップに陥っていることが分かります。

「高い広い視野と高い視座」こそが、多くの気付きを得ることに必要なメンタルモデルなのです。

モデルを柔軟にするために、原理原則を活用する

私たちが持つ「こうあるべき」という暗黙の前提(メンタルモデル)は、成功体験や文化の影響で築かれます。

そして、これらは、新しい視点やアイデアを阻む壁になることもあります。

例えば、ある企業では「現状維持」が美徳とされ、外部の提案を退けていました。
一方、別の企業では「新しい意見はチャンス」と捉え、外部の意見を柔軟に取り入れることで、成功を積み重ねました。

この違いを生んだのは、原理原則への理解と応用です。

重要なのは、事例からその背景にある「原則原則」を汲み取り、それを自分の状況に応用することです。

例えば、「心理の安全性が発言に反映される」という原則を理解すれば、どのような環境でも自分の組織に応用できます。

次に、自分に問いかけてみましょう。

今の行動や判断の根拠は何か?
その背景にある原則は何か?
それをどう応用できるか?

今後の課題が、あなたのメンタルモデルを柔軟にし、組織や自分を進化させる鍵となります。

 

最後に、こんな言葉をお伝えします。

「人間は見たいものしか見ず、聞きたいものしか聞かない」と言われます。
けれども、私たちは意識的にその枠を超えることができます。

自分のメンタルモデルを広げ、耳を開くこと

それが、成長の扉を開く鍵です。

 

相手の話に耳を傾ける。

まずは、やってみる。

結果をもって、自分で判断する。

あなたの耳と心の扉は、今どちらに向いていますか?

メンタルモデルを見直す勇気が、成長の扉を開きます。
新しい視点を受け入れ、組織と自分を進化させましょう。

リスクばかりを考え、行動を起こさない組織。

必要なのは、リスク回避と行動のバランス化。

 

偏りのない、メンタルモデル形成を目指しませんか?

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坂田 和則(サカタ カズノリ) マネジメントコンサルティング2部 部長 改善ファシリテーター・マスタートレーナー

坂田 和則
対応エリア 全国
所在地 港区

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