ワークエンゲージメントの高め方│人の心を動かせる組織作り
「全社員対象」で同じことを学ぶ大切さ
それには、長い期間を要しました。
その間、山あり谷ありでしたが、十数年間、増収増益を継続している、とある組織があります。
その組織の成長を促す要因のひとつ、人財育成は「全社員対象」で同じことを学ぶということがあります。
もちろん、原価管理というテーマでも、管理職レベル、リーダーレベル、現場オペレーターレベルに分けて育成プログラムを分けて行いますが、コアとなる知識が各階層で活かせるため、高いパフォーマンスをたたき出し続けています。
その組織で展開していることは、制度の形骸化を無くすことでした。
今回は、仕組みの形骸化についておはなしします。
ワークエンゲージメントの高まりが、経営効率を高め、ハイパフォーマンスを維持します。
全社員を対象とした教育プログラムをきめ細かく編成する。
その前に、教育訓練プログラムの弱点に気付く事が大切です。
型にはまった仕組みを構築していませんか?
組織は様々な形態を持ち、中には人と人の繋がりを削ぎ落とす組織が存在します。
そのような組織は、自らが失ってはならないものを削ぎ取り、活力が失われると、さらに削ぎ取りが進む特徴を持っています。
一方で、人を大切にするための制度を構築し、その制度があれば「活気ある人が働く」と考える組織もあります。
しかし、人の心は多様であり、モチベーションの出し方も異なります。
人には、約150個もの動機要因があり、効果的な制度を構築することが重要なのに構築する制度は「型にはまった」仕組みを構築してしまう。
これが「物質タスク型」経営に偏った組織が陥る見えない罠です。
「人間重視型経営」とのバランスこそが、解決策です。
また、効率的な制度は導入から効果を得るまでに数年を要することが多く、組織の成功を左右する要素は経営者のレジリエンスにあると言えます。
経営者の持つレジリエンスは、成果が目に見えてくるまで、待ち続けることです。
経営者には、衝動抑制力や感情調整力が養われていないと、組織の中では、最も簡単な「期日と目標値」だけを決め、無理矢理に成果を組み上げるパフォーマンスに走り出します。まさに不正に走る組織の典型です。
組織が持つべきものは、効率性だけでなく、人々の心を動かし、ワークエンゲージメントを高め、与えられた業務に責任を持ってPDCAを回せるようにする支援です。
一方で、制度の効果をモニタリングやメジャーリングする際に、流行りの面接や面談手法を使い、都合の良い情報だけを集めるのも壊滅的です。
効果的な制度の構築と、心理的安全性の確保が不可欠
心理的安全性が無い状態では、正しい情報を得ることができないため、組織は本質的な課題に取り組むことができません。
したがって、組織は効果的な制度を構築するだけでなく、運用においても心理的安全性を確保することが不可欠です。
組織が持つべきものは、効率性だけでなく、人々の心を動かし、活気を生み出す力です。
そのためには、組織がメンバーひとり一人を理解し、彼らのニーズや動機を考慮した制度や環境を整備することが不可欠です。
効果的な制度を構築するためには、まず組織の文化を見直し、人々が自己表現しやすい環境を整えることが大切です。
また、組織全体でコミュニケーションを促進し、情報の共有を円滑にする仕組みでなく、雰囲気を作ることも大切です。
さらに、メンバーが成長しやすい環境を整えるために、継続的な教育・研修プログラムを提供することも重要でしょう。
メンバーが安心して意見を述べられる環境を整えることで、正確な情報を得ることができ、組織全体の課題に対処するための具体的な施策を打つことができます。
これには、問題を察知する能力を育むように進めると良いでしょう。
心理的安全性を確保するためには、上下関係や部門間の壁を取り払い、オープンなコミュニケーションを促進することが必要です。
さらに、メンバーが失敗を恐れず、新しいアイデアや提案を積極的に行えるような環境を整えることも重要です。
これにより、組織全体が持つ創造性や革新力を高めることができます。
組織が持つべき力は、人々の心を動かし、活気を生み出す力が不可欠です。
そのためには、効果的な制度や環境を整備するだけでなく、経営者のレジリエンスや心理的安全性の確保が重要です。
ワークエンゲージメントの高まりが、経営効率を高め、ハイパフォーマンスを維持します。
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坂田 和則(サカタ カズノリ) マネジメントコンサルティング2部 部長 改善ファシリテーター・マスタートレーナー
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