清掃で変えるメンタルモデル│気づく人材育成
清掃時間を通じたリフレーミング
毎日同じ環境や状況の中で仕事をしていると、小さな変化の見逃しをします。
今回は、それに気付いたメンバー達のおはなしです。
清掃でメンタルモデルを変えると、職場清掃が意識改革と生産性向上をもたらします。
清掃時間を通じたリフレーミングと、メンタルモデル変革を目指す。
最後まで、お付き合いください。
ある加工職場で、清掃時間の場面に出会いました。
メンバー全員がウエスを持ったり、ホウキを持ったりしながら、設備を拭いたり床を掃いていました。
メンバー全員で意見を出し合い、1日15分の清掃時間を決めたそうです。
これは、毎日15分という短い時間ですが、1週間で合計75分になります。
そして、昼勤と夜勤を合わせると、2倍の時間を清掃に割くことになります。
この間、生産を止めて清掃時間を充てるなんて、素晴らしい!と感じました。
そして、私も手伝いたいと思い、腕まくりをしながら加工機の清掃を手伝いました。
人は意識しないと情報を処理できない
すると、たった1分もしないうちに、エアーの漏れる音に気付きました。
エアーの配管から、高圧空気が漏れていたのです。
一緒に加工機を清掃していたメンバーに話をすると「言われるまで気にしていなかったです。」とのこと。
その後、一緒にエアー漏れの箇所を探すと、なんと3箇所も見つけることができました。
これでは、相当なコストの流出です。
人は意識していることには気づけますが、すべての情報を処理することはできません。
情報の選択をしているため、意識していない情報は処理されないのです。
言い換えると「意識出来ない」のです。
今回の清掃では、エアー漏れという現象が、脳内で処理されていなかったようです。
私が伝えたことで、メンバーたちのメンタルモデルが変わり、たくさんのエアー漏れを発見できました。
メンタルモデルとは、人が物事を理解するために持つ心の中の枠組みやパターンのことです。
私は、「物の見方/捉え方」とよくおはなしをします。
私達の脳は、問題だと思って見ると問題として捉え、問題にならないと思って見ると、問題事象なのに問題だと認識できないのです。
しかし、メンタルモデルを変えることで、新しい視点や理解が生まれ、問題解決の能力が高まります。
これを促す行為をリフレーミングと言います。
リフレーミングは、問題を新しい視点から捉え直すことで、新たな解決策や気づきを生む手法です。
清掃は単なる作業ではなく、リフレーミングを促すことが重要です。
問題や課題の発見、そして解決につながる能力を育みながら人財育成を進めてこそ、真の目的を果たせます。
何に気づかせるべきか?
ただ拭いたり掃除をするだけでなく、リフレーミングを与える清掃を行うことで、多くの発見や気づきが得られます。
今回紹介した、加工機清掃の話しには、清掃時間は単なる掃除だけでなく、メンタルモデルの変革や問題解決のきっかけにもなり得ることを示しています。
工場での清掃は、単なる環境整備だけでなく、チーム全体の発展や問題解決能力の向上にも繋がる可能性があるのです。
もちろん、この時、メンバー全員で気付いたことを話し共有しました。
多くのメンバー達が、あらたな気付きとエネルギーロスの認識を深めたとのことでした。
清掃時間の目的はなにか?
何に気づかせるべきか?
気付きをどのように共有するか?
清掃時間を通じたリフレーミングとメンタルモデル変革を目指す
清掃の意味を再度考えてみませんか?
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その先の未来には、改善レジリエンスの高い人材が活躍します。
坂田 和則(サカタ カズノリ) マネジメントコンサルティング2部 部長 改善ファシリテーター・マスタートレーナー
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