日本企業の「グローバル人材育成」の一考察④

前回の ”日本企業の「グローバル人材育成」の現状と課題” に引き続き、人事部門や事業部門として
トップの要請・経営の要請である「グローバル人材の確保・育成」にこたえられているのか?どうこたえるべきなのかを 5回のシリーズで考えていきます。

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4.海外派遣者に対する現地従業員からの厳しい評価

G-Map:海外経営専門職人材育成産学連携プロジェクト(現 早稲田大学トランスナショナルHRM研究所)が2008年―09年に実施した調査の結果を見ると

日本人派遣者に対する部下からの評価の中で評価が高かった項目
「責任感が強い」、「顧客を大事にしている」、「規則を尊重して適切に行動する」など。

逆に評価が低かった項目
「現地の商習慣をよく理解していない」、「現地の文化や風俗習慣を理解していない」、
「上の人が間違っていてもはっきりと指摘しない」
などである。

これは、トップ・マネジメントとミドル・マネジメントに対する評価が上記の通り上位・下位 3項目で一致している。

 

また、アジア人部下から日本人トップ・マネジメントが低く評価される項目としては、

1.対外交渉力が弱い
2.社内・社外ともに人脈が広く無い となっている。

アジア人部下から日本人ミドル・マネジメントが高く評価される項目は無く、統計的に有意ではないが比較的に高く評価される項目として

・ 自分が犯したミスは素直に認める
・ 規則を尊重し、適切に行動をする
・ 顧客を大事にしている
・ 他部門の悪口を言わない
・ 数字分析に強い など

 

人間性の評価は比較的に高くなっているが、本来のマネジメントに対する評価については大変厳しい結果となっている。

 

次回 5.最終回の”まとめ”にへと続く

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※本稿は、株式会社 東レ経営研究所発行の雑誌「東レセンサー」2015年1-2月号に掲載した
文書を一部修正したものです。

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グローバル人材・人事全般のエキスパート!入社以来一貫して人事部門を歩み、海外拠点の人事や人材開発も経験

海外赴任に関するお悩みごと、日本人の国際化と異文化理解、海外安全・リスク対応等グローバル人材関連の支援活動はおまかせください。
長年にわたる日本国内外での人事・教育部門責任者の経験を活かして、企業向けグローバル人関連の支援活動をいたします。

中村 好伸(ナカムラ ヨシノブ) リロ・パナソニック エクセルインターナショナル(株)顧問

中村 好伸
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