メンバーの思考の質を高める問いとは?
皆さんこんにちは!
日テレHRの渡部です。
今回のコラムは「思考の質を高める問いとは」、というテーマでお届けいたします。
前回のコラムの中で、「思考」について定義を行いました。
認知心理学の解釈を基に、
思考とは:
【問い(問題)に対して答え(解決策)を出すプロセス】である。
上記の定義を共通認識としました。
つまり、思考とは「問い」から始まり、
思考の質とは、「問いの質」と言い換えることもでき、
良い思考を生むためには、よい問いが欠かせない、と言えます。
◆良い思考/質の高い思考とは何か?
では、「良い思考」・「質の高い思考」とは何なのでしょうか。
抽象的な問いには抽象的な解しか生まれません。
「思考」をより具体に、細分化してみましょう。
例えば、思考の「深さ」は重要な軸になります。
“浅い”思考に対して“深い”思考があります。
また、思考の「広さ」も一つの軸として考えられます。
“狭い”思考に対して“広い”思考があります。
他にはどのような軸を持って思考を細分化することが出来るでしょうか?
例として、以下に4つほど軸を記載します。
【思考を細分化するときに有効となる軸】
1.狭い⇔広い
2.浅い⇔深い
3.否定的⇔肯定的
4.過去⇔未来
一般的に、
これらは左に行けば行くほど「質が低い」とされている思考であり、
逆に右に行けば行くほど「質が高い」とされている思考です。
つまり、
「広く」「深く」「肯定的」で「未来に向かう」思考のほうが、
より良いとされている思考であり、質が高いと言い変えることが出来ます。
もちろんこの軸をより複数持つことも可能ですし、
状況や立場によって、軸の反対のほうが求められることもあるでしょう。
その時々に合わせて、より質が高い思考とは何か、という定義が変動することもあるかと思いますが、
今回は、
「広く」「深く」「肯定的」で「未来に向かう」思考を、
良い思考と定義をすることにします。
◆良い思考/質の高い思考を引き出す問いかけのポイントとは?
ここからは、1つ1つの軸に対して、「問いかけ」のポイントをまとめていきます。
【1】広い思考を引き出すポイント
クローズクエスチョンではなく、オープンクエスチョンを活用しましょう。
クローズクエスチョンにもメリットはありますが、
選択肢の中で考える癖がつき、思考は狭くなりがちです。
「どちらが良いと思う?」という問いかけを
「どうしたら良いと思う?」という問いかけに変えるだけでも、
相手が広く思考をするチャンスを与えることに繋がります。
【2】深い思考を引き出すポイント
いくつかの方法はありますが、ここでは1つの手法を共有します。
それは、「より深く考えているであろう人の視点に立ってみる」ことです。
例えば自分よりも職位の高い人や、経験の長い人だったらどう考えるだろうか?という問いがそれに当たります。
「(あなたは)どう思う?」という問いかけを、
「○○さんだったら、どう考えると思う?」という問いかけに変えることで、
自分の枠から外れた思考を持つチャンスに繋がります。
【3】肯定的な思考を引き出すポイント
問いかけを否定文から肯定文に変えてみましょう。
これは具体例を挙げたほうがわかりやすくなりますので、以下で説明します。
例えば、何か失敗をしてしまったメンバーに対して、
「どうしてうまくできないと思う?」と聞くと、
返ってくるのは対外の場合、謝罪か言い訳です。
そこで少し問いかけを変え、
「どうしたらうまくいくと思う?」と聞くだけで、
返ってくる答えはポジティブなものに変わります。
【4】未来に向かう思考を引き出すポイント
上記の「肯定」を使うだけでも思考は未来に向かいますが、
追加して、「過去系」から「未来系」に質問を変えることもまた有効です。
例えば、「なんでできなかったと思う?」という質問を
「どうすれば今後できるようになると思う?」「次回に向けて何を改善出来たらいいかな?」と聞くだけで、
思考が未来に向かいます。
◆まとめ
今回は、「思考の質を高める問いとは」というテーマでお伝えしてきました。
メンバーとの1on1の際に上司が問いかけを行うシーン、
定期的な業績面談で自己評価を促すシーン、様々なタイミングで活用できるポイントですので、
ぜひご活用ください。
また、この問いかけをいかに「仕組み」として落とし込み、
質の高い思考を、各自が「自分に対して」出来るようになるか、というのも組織の思考の質を上げていくうえでは欠かせない観点です。
・日報の「省察」の問いかけに取り入れる
・会議の報告のフォーマットに取り入れる
・改善報告書の規定文言を修正する ・・・・など、
組織内で質の高い思考を行う癖付け(習慣化)を行う仕組みを作ることを推奨します。
より詳しいポイントを知りたい方や、
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「可視化/言語化」を通して、組織・個人の【モヤモヤ】を解決することが得意技です
キャリアの中で、自社の人事・経理・商品開発に携わり、その経験を活かして組織開発・人材育成を提供してきました。「論理的思考」と「可視化」「言語化」を通して、思考をスッキリ整えることが得意です♪プライべートでは小1の壁にぶつかるワーママです。
渡部静香(ワタナベシズカ) 日本テレビ放送網株式会社 社長室 新規事業部 日テレHR コンサルタント
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