メンバーの主体性が生まれる会議に必要なこと(後編)
皆さんこんにちは!
日テレHRの渡部です。
今回は、前回に引き続き、
「メンバーの主体性が生まれる会議に必要なこと」、というテーマでお届けいたします。
ここでいう「主体性」という言葉についてですが、
貴社内ではどのような意味合いで使われる言葉でしょうか?
◆「主体性」の定義とは?
こう質問すると、
「何言ってるの、主体性は主体性でしょ!(笑)」と一蹴されてしまいそうですが、
以外にも【主体性】という言葉のとらえ方は広く、
認識がずれているケースがあります。
例えば、私自身、新卒採用のコンサルテーションを行う中で、
自社の求める人物像を設定する際に「主体性」という言葉をよく聞きます。
とある経営者の方に、「その主体性の定義を作るとしたら、どのような内容になりますか?」と聞くと、
「言われた指示に対して前向きに実直にすぐに取り組むことだね。」とお答えになりました。
これは、辞書の中に出てくる「主体性」とはかなり意味合いが違っています。
指示を受ける、ということとなると主体性とはむしろ真逆なものではないでしょうか。
ひとつの言葉でも、捉え方は千差万別であるからこそ、
まずは定義を一致させることは非常に大切ですね。
では、今回のコラムにおける「主体性」の定義は以下にしたいと思います。
【目的目標を把握し、その達成のために自ら進んで思考し、行動しようとする性質】
では、主体性を発揮いただくためには、どのような関わりをすることが出来るでしょうか?
◆主体性の定義を分解することで見える3つの関わり
ここで注目したいのは、主体性の定義です。
上記の定義を3つに分解して考えてみましょう。
1.目的目標を把握し、
2.その達成のために自ら進んで思考し
3.行動しようとする性質
1.目的目標を把握する
まずは、目的目標を把握することが重要です。
しかし、難しいのは、メンバーが把握している目的目標の深さと、
リーダーやマネジャーが把握している目的目標の“深さ”には差があるということです。
そこで重要な1つ目のポイントです。
【POINT】目的の階層化を促す
「今の仕事は何に繋がっているのか?」という問いを常に意識することが重要です。
会議では、現在のタスクやプロジェクトの目的を、
4-5段階上の階層まで引き上げて考えることで、メンバーの視野を広げることができます。
今の仕事の先にある目的を、上司や先輩社員が語ることから始めるとよいでしょう。
自分たちの決断が何に影響し価値として転じるのか、
逆にリスクがどこに派生するのかについて捉えることにより、
業務への重要度を認識し、広い視野で業務に取り組むことが出来るようになります。
2.(目的目標の)達成のために自ら進んで思考する
次に重要なのは、本人に「思考」をしてもらうことです。
「このように行動しなさい」と指示を受けて動くのではなく、
自ら「何ができるか?」について思考をすることが必要です。
ではここで、「思考」とは何でしょうか?
言い換えると「考える」とはどういう状態をさしますか?
「ちゃんと考えろ!」「しっかり考えてから動け!」という叱咤を
耳にしたことがある人も少なくないのでは、と思いますが、
しっかり考えるとはどういう状態なのかを理解して叱っている人は、
残念ながら少ないように思います。
私たちは成長するに連れて語彙を増やしていくものの、
いかに曖昧な意味合いの言葉が多いかに気付かされます。
改めて、「考える」とは、どのような状態を指すでしょうか?
私自身今回のコラムを書く上で、「考えるとは一体何だろう?」と考えました(笑)
脳科学、行動心理学、認知心理学、物理学、数学等様々な側面から
「考える」について調べてみましたが、
今回のテーマの中でいう主体性に向けて、自らができることを考えるという点においては、
認知心理学の解釈をお借りすることにしました。
思考とは:
【問い(問題)に対して答え(解決策)を出すプロセス】である。
皆さんが「考える」というときに必要になる必須項目が2つあり、
「問い」と「答え」である、という定義です。
「問い」がないままに「答え」を出すということはできないと思いますが、
「問い」だけがあり、「答え」がない場面を人は、「悩んでいる」と呼ぶように思います。
つまり、よい思考をするためには、「良い問い」がスタート地点になります。
思考についてはより深い話をしたいところでありますが、
コラム1本分ほどの量になってしまいそうなので、
次回「思考の質を高める問いとは」にお預けしたいと思います…!
2つ目のポイントはこちらです。
【POINT】思考の質を高める「問いかけ」を行う
会議の進行や問題の立て方に工夫を加えることで、
メンバーの思考の質を高めることができます。
単なる指示待ちではなく、深い洞察を促す問いを投げかけることがポイントです
3.行動しようとする性質
最後の定義は非常にシンプルです。
主体性の最終的な状態とは「行動」に移すことである、ということです。
考えて答えを出して意見をしていても、
行動していなければ、それは主体性とは呼びません。
そこで最後のポイントです。
【POINT】思考した内容をプラン化し、「実行」で完結する
つまり、周囲からの関わりとしては、
「いつ(いつまでに)」「何を行うか」を具体化するサポートを行うことです。
◆まとめ
今回のコラム、少し長くなってしまいましたので、
ここまでの内容をまとめてみましょう。
(1)主体性とは?
目的目標を把握し、その達成のために自ら進んで思考し、行動しようとする性質
(2)主体性を発揮してもらうために必要な3つの関わりは?
1.目的の階層化を促すために、今の仕事の先にある目的を、上司や先輩社員が語ることから始める
2.思考の質を高める「問いかけ」を行う
3.「実行」で完結するために「いつ(いつまでに)」「何を行うか」を具体化するサポートを行う
さて、今回は、メンバーの主体性が生まれる会議に必要なことと題して後編をお伝えいたしました。
次回は、中盤にも予告させていただきましたが、
「思考の質を高める問いとは」についてお伝えいたします!
ぜひ「★検討フォルダに追加」してお待ちください!
また、今後のコラムで「こんなことを扱ってほしい!」というテーマがありましたら、
「このプロフェッショナルにお問合せ」からお聞かせくださいね♪
では、また次回のコラムにてお会いしましょう!
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「可視化/言語化」を通して、組織・個人の【モヤモヤ】を解決することが得意技です
キャリアの中で、自社の人事・経理・商品開発に携わり、その経験を活かして組織開発・人材育成を提供してきました。「論理的思考」と「可視化」「言語化」を通して、思考をスッキリ整えることが得意です♪プライべートでは小1の壁にぶつかるワーママです。
渡部静香(ワタナベシズカ) 日本テレビ放送網株式会社 社長室 新規事業部 日テレHR コンサルタント
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