「個人にフィット」した目標設定を行うポイントは?
こんにちは。日テレHRの渡部です。
さて、今回も引き続き「オンボーディング」をテーマに
コラムを書かせていただきます。
新入社員が入社し、研修期間を終え、現場配属。
さっそく最初の難関が待ち受けます。
そうです。
「目標設定」です。
オンボーディング期間中に、
いかに納得感のある目標を設定できるかが、
その後の成長に大きく影響することは、皆様のご想像の通りです。
ここで少し具体的なケースを考えてみましょう。
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同時期に入社したAさんとBさんは、同じ営業部に配属になりました。
Aさんは、「達成」「競争」が価値観として強く、
できるだけ早く成長したい、達成したい。
同期の中で誰よりも成果を残したい。
そして新人賞を取り、最速でキャリアラダーを登りたいと語っています。
対してBさんは、「安定」「平穏」が価値観として強く、
周りとの競争意欲は全くなく、不安なく自分にできると思える範囲で、
着実に技能を身に着け成長していきたいと考えています。
あなたの組織では、営業部目標設定の「基本数値」はあるものの、
それよりも高い目標設定を個別に行うことは可とされています。
あなたはAさん、Bさんと個別に目標設定の面談を行いました。
Aさんに対しては、通常の目標よりも高い目標を立てることに合意しました。
高いとはいえ、今までの新入社員の4割ほどの社員が到達をしてきた数値です。
高い目標を追うリスクとメリットについては本人とも合意済です。
Bさんに対しては「基本数値」をそのまま目標として持つことで合意しました。
かつ数値を追うというよりも、そのプロセスの成長に目を向け、
着実に成長に向けたトレーニングが行えるように、
プロセスの数値を細分化し、高めに設定しました。
目標に合意し、スタートした後、3か月ほど過ぎたある日、
あなたはAさんにこのように言われました。
「Bさんの目標の数字を聞いたところ、私よりもはるかに低い目標です。
私は自分のためだけでなく、会社のために高い目標を追うということに合意しています。
Bさんにも私と同じ目標を持たせないと、不平等ではありませんか?」
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さて、
皆様は、上記の状況でどのような返答をするでしょうか?
少し考えてみましょう。
__φ(..){Q.あなたなら上記の状況に対して、どのように返答しますか?〕
特に、同じチームや部署に所属するメンバー間で
目標が異なることに疑問を抱くケースは組織内でも、よくあります。
例えば、あるメンバーが高い目標を持っている一方で、
別のメンバーには低い目標が設定されることで、不公平感や不満が生じてしまいかねません。
こうした状況に対処するためには
どのような要素を満たし、どのような順で関わることが必要でしょうか。
ここで重要なポイントは、
あくまでも目標は、
評価のためのみならず、個の成長のために存在するという前提の共有です。
そしてここでいう「評価」という言葉も、学生と社会人で大きく捉え方が変わりやすい言葉です。
学生にとって評価とは、
「理解」によって成り立ち、基本的には正解があるものに対して、
どれだけ的確に回答できるかで評価が決まってきました。
何か新しい発想をすることや、「理解」以上の「行動」については測られず、
あくまでも紙面において測れる回答をもって評価をされてきました。
しかしながら社会人になると、
「評価」をされるのは、あくまでも「成果」ないしは「プロセス(行動)」となります。
途中どれだけインプットし、「理解」しているかについてはほぼ触れることがありません。
【自己の成長】よりも【他者からの点数】が気になるという習慣を
学生生活の中で少しずつ身に着けた私たちは、
社会人として急に「キャリアはどうしたいの」「あなたはどんな成長をしたいの」と言われると、
キャリアにすら、「相手の軸」で、正解探しをしてしまいかねません。
まずは、この「目標」と「キャリア」について
正しい理解をすることがファーストステップです。
そして、そのうえで、自身の「キャリア」形成を行い、
キャリアプランに連動した成長を得られる目標設定をし、
そしてその目標を通して確実に成長し、キャリアが実現できるように
適宜適切なフィードバックを行う、ということが求められます。
さて、ここでさきほどのAさん、Bさんの話に戻りましょう。
一つの例示ではありますが、回答例を考えてみました。
「Aさん、今回は胸の内を打ち明けてくれてありがとうございます。
Aさんの話を聞いて、私がAさんに対する説明不足があったと痛感しました。
まずは、会社で、なぜ「目標設定」を行うのかについて、話をしたいと思います。
Aさんはどう考えていますか?
(質問しながら話を進行する)
私たちは、目標設定は個々人の成長を通したキャリア実現のためにあると考えています。
Aさんのキャリア願望については、先日お伺いしたと思いますが、
改めて教えてもらえますか?
そうですね。
できるだけ早く成長したい、達成したい。
同期の中で誰よりも成果を残したい。
そして新人賞を取り、最速でキャリアラダーを登りたい、と聞き、
私も一緒にそこをAさんが目指す支援をしたいと思っています。
対して、Bさんのキャリア願望は、Aさんとは異なっています。
詳細は私から勝手には伝えられませんが、
一人ひとりキャリアイメージは異なり、それに伴い、求められる成長ペースも異なります。
Aさんの目標を、営業部全体の基本数値を超えた高い基準とすることに合意したのは、
Aさんが自身の成長と会社への貢献を最大化するための戦略の一環です。
一方で、Bさんには安定性と着実な成長をサポートするために、
異なるプロセスと数値を設定しています。
このアプローチもまた、Bさんの成長を最大化するためのものであり、
同じ基準で評価するのではなく、個々のポテンシャルとペースに合わせています。
個人の成長と会社のニーズをバランスよく考慮し、目標設定をしているということを
理解していただけると嬉しいのですが、
何か追加で聞きたいと思うことはありますか?」
いかがでしょうか?
オンボーディング期間中の目標設定は、個々のメンバーが自己実現し、
チーム全体が協力して成果を上げるための鍵となります。
組織のために自分の持つ力を最大限発揮し、チャレンジしてくれるAさんに
最大限の感謝と尊敬心を持ちながら、
前に進む障害を取り除く支援を行う事こそ、マネジャーに求められる役割の一つです。
オンボーディングにあたっての個別の目標設定に、
この情報がお役に立てますと幸いです!
しかし近年難しいという声が聞こえてくるのは、
「願望のない若手社員が多い!!!」という人事、管理職からのお声です。
そこで、次回のコラムでは、「願望がないんです…と語る新入社員とキャリアプランを立てるには?」をテーマにお送りします!
では、また次回のコラムにてお会いしましょう!
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「可視化/言語化」を通して、組織・個人の【モヤモヤ】を解決することが得意技です
キャリアの中で、自社の人事・経理・商品開発に携わり、その経験を活かして組織開発・人材育成を提供してきました。「論理的思考」と「可視化」「言語化」を通して、思考をスッキリ整えることが得意です♪プライべートでは小1の壁にぶつかるワーママです。
渡部静香(ワタナベシズカ) 日本テレビ放送網株式会社 社長室 新規事業部 日テレHR コンサルタント
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