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DE&Iを「施策」で終わらせない組織は、何をしているのか

こんにちは。ダイバーシティのすすめで顧問を務めるダイバーシティコンサルタントの清水美ゆきです。

近年、管理職に求められる役割は大きく変化しています。
「正しく指示を出す人」「答えを持っている人」から、多様な価値観をつなぎ、関係性を育て、組織の力を引き出す人へ。

その中心にあるキーワードが、「対話」です。

では、なぜ今、管理職にこれほどまでに対話が求められているのでしょうか。
それは、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)と深く結びついています。

■ 管理職に今「対話」が求められる理由 ― DE&Iの観点から

DE&Iが進む組織では、年齢、性別、国籍、働き方、価値観、キャリア観など、前提の異なる人たちが同じ目標に向かって協働することが当たり前になります。
これは、多様性が「理想」から「日常」へと移行している状態だと言えるでしょう。

その一方で、こうした環境では、

  • 正解を一つに決めて全員に当てはめる
  • 声の大きい人や立場の強い人の意見を採用する
  • 「言わなくても分かるだろう」という暗黙の了解に頼る

といった従来型のマネジメントは、次第に機能しなくなります。
 

なぜなら、人によって「当たり前」や「前提」が異なるため、同じ言葉、同じ指示でも、受け取り方や解釈が大きくずれてしまうからです。

このズレが放置されると、表面的には大きな問題がないように見えても、現場では「言っても無駄」「どうせ変わらない」といった諦めが広がり、意見やアイデアが出てこない状態が生まれます。

だからこそ今、管理職に求められているのは、違いをなくすことでも、無理にまとめることでもありません。

必要なのは、違いを前提として受け止め、その違いを組織の力へと変えていく「扱う力」です。そのための方法が「対話」です。

対話は、多様な価値観を調整するための“時間のかかる話し合い”ではなく、
DE&I時代の組織を前に進めるための、実践的なマネジメント手法なのです。

 

■ 対話とは何か ― 会議や雑談との違い

対話とは、単なる話し合いでも、意見交換でもありません。会議のように結論を出すことや、雑談のように場を和ませることが、対話の主な目的ではありません。

対話とは、

「互いの前提・価値観・背景に耳を傾け、意味を共につくっていくプロセス」です。

人はそれぞれ、経験してきた環境や成功体験、失敗体験によって、物事の見え方や判断の基準が異なります。

対話では、その違いを「正す」ことよりも、まず理解しようとする姿勢が大切にされます。

そのため、対話の場では、

  • すぐに結論を出そうとしない
  • 意見の正しさや優劣で裁かない
  • 分からなさや違和感を、そのまま扱う

といった姿勢が求められます。

一見すると、非効率に感じられるかもしれません。

しかし、このプロセスを通じて初めて、人は「評価されない安全な場」で本音を語ることができ、これまで表に出ていなかった課題や、言語化されてこなかった違和感が浮かび上がってきます。

対話は、意見を揃えるための手法ではなく、組織の理解の解像度を高めるための営みです。

そしてその先に、これまでになかった視点や、新しい可能性が生まれていくのです。

 

■ 管理職が対話を実践できるようになるために必要なこと

多くの管理職が「対話が大切なのは分かるが、どうやればいいのか分からない」
と感じています。
実践のために必要なのは、特別な話術ではありません。

  1. 聴く力
    評価や判断をいったん脇に置き、相手の世界を理解しようとする姿勢

  2. 問いを立てる力
    答えを与えるのではなく、考える余白をつくる問い

  3. 自分の前提に気づく力
    「自分にとっての当たり前」が、他者には当たり前ではないと知ること

これらは、訓練によって誰でも身につけることができます。

 

■ なぜ今、組織づくりに「対話型組織開発」が求められるのか

ここまでお伝えしてきた「対話」は、単に管理職一人ひとりが身につけるコミュニケーションスキルではありません。
対話が日常的に行われるようになると、組織の関係性そのものが変わり始めます。

だからこそ今、組織づくりの文脈で「対話型組織開発」が強く求められています。

制度やスローガンだけでは、DE&Iは根づきません。どれほど立派な方針を掲げても、
日常の会話が変わらなければ、人の行動は変わらないからです。

本当に組織が変わるのは、日常の関係性と、日々交わされる会話の質が変わったときです。

対話型組織開発は、

  • 現場の声を「問題」として扱うのではなく、変化の起点として捉え
  • 組織の中にすでに存在している知恵や経験を引き出し
  • 上下や立場を超えた、人と人との関係性そのものを変えていく

そうしたアプローチです。

外から答えを持ち込むのではなく、組織の内側で「意味を共につくる」プロセスを育てていく。

その点において、対話型組織開発は、DE&I時代に最も適した組織変革の方法だと言えるでしょう。

管理職が対話を実践できるようになることは、単なる個人のスキルアップではありません。
それは、組織文化そのものへの介入であり、未来への投資なのです。

このコラムを書いたプロフェッショナル

室田美鈴

室田美鈴
株式会社ColoridaStyle 代表

個人の原体験とコンサル経験を武器に、DEIを理念に留めず人事戦略として実装できることが強み。人事データ分析と現場ヒアリングを組み合わせ、課題特定からKPI設計、施策立案・実行支援まで一貫して伴走。経営と現場をつなぐ実効性あるDEI推進を支援

個人の原体験とコンサル経験を武器に、DEIを理念に留めず人事戦略として実装できることが強み。人事データ分析と現場ヒアリングを組み合わせ、課題特定からKPI設計、施策立案・実行支援まで一貫して伴走。経営と現場をつなぐ実効性あるDEI推進を支援

得意分野 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、人事考課・目標管理、コーチング・ファシリテーション、ロジカルシンキング・課題解決
対応エリア 全国
所在地 新宿区
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