第7回:マストに登る事が及ぼす効果
クリスマスが近くなってきましたね。サンタクロースは帆船のマストに登れるのでしょうか?
■ マストに登るプログラムは安全第一に行います。
揺れる船の上にそびえるマストを実際に見上げると、写真で見るよりずっと高く感じます。
甲板からマストの先端まで約30Mあり、通常の体験プログラムでは途中の「トップ台」と呼ばれるプラットフォームまで登ります。
ヘルメットとハーネスを着用し、取扱説明と準備運動を終えた後、マスト登りに挑戦するかしないかを各自で選択(チャレンジ・バイ・チョイス)します(「登らない」と選択する事も本人にとってはチャレンジであり、周囲がそのチャレンジを認めて受け入れる環境を築いた後に行います)。
また、登る途中で断念する事も可能であり、全員がその判断を受け入れます。
つまり身体の安全だけでなく、心の安全も確保した状態でチャレンジします。
ハーネスに安全ロープを接続する事で「もしもの事態」に対しても安全を担保出来ます。
■ 個人の一歩がチームの一歩に。
マストに登るのはマスト上部にしばってある大きな帆をほどいたり畳んだりする為で、「肝試し」をしているわけではありません。
高い場所が平気な人もいれば、縄梯子の一歩に大きな恐怖を感じる人もいます。
それぞれ内面のチャレンジ度合いは互いに伝え合わないとわからず、相互理解のためにはコミュニケーション能力が必要となります。
帆船を動かす事が目に見える目標(ねらい)であるなら、大きな帆を扱える人数がマストに登って作業する必要があり、一人だけがマストに登っても目標達成には至りません。
個人でチャレンジし、チームで励まし、役割分担を行う事でチームパフォーマンスが向上し目標へ近づく事が出来ます。
船員STAFFは「登れ!」と命令するのではなく、自主的な行動を促します。
■ 「自分一人では登れなかった」(乗船体験者談)の意味
個人のチャレンジ精神のみでマストに登るには限界があります。中途半端な見栄や虚勢が通用する世界ではないからです。
仲間のチャレンジを応援し仲間から声掛けを受ける内に、自分の殻を破って一歩を踏み出す勇気と責任感が生まれます。
自分のチャレンジを自分達のチャレンジとして受け止めてくれる仲間が居る事が行動の後押しになります(結果が登れなくても問題ではありません)。
その一歩を踏み出す経験、それこそが次につながる効果をもたらします。
サンタクロースに応援してくれる仲間(世界中の子ども達やトナカイ?)が居なかったら、空を飛ぶことはもちろん、帆船のマストにも登れないかもしれませんね。
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「ホウ・レン・ソウ」が無いと帆船は動きません。
次回のコラム「伝える技術を育むために」をお楽しみに。
- モチベーション・組織活性化
- リーダーシップ
- コーチング・ファシリテーション
- チームビルディング
- コミュニケーション
乗船中のボースン(甲板長)から生の声をお届けします。
季節を肌で感じながら、船のメンテナンスを担当するボースン(甲板長)です。
乗船中の研修生の皆さんとの船内共同生活は日々新たな発見の連続です。
迫田 央(サコダ ヒロシ) 帆船みらいへ事業部営業統括
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