人材育成体系の基本と思考力の強化方法
人材育成や社員教育の体系を作るとき、どう考えたらよいのか?
大きく「思考力」と「行動力」で区分すると、分かりやすいです。
あとは、思考力と行動力で階層ごとに必要となる要素を定義していきます。
そうすれば、人材育成や教育訓練の体系ができあがります。
以下、思考力のケースでご説明いたします。
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新人や若手であれば以下のとおりです。
①論理的な思考を理解したうえで情報の収集、整理、伝達に活用できる。
②論理的で分かりやすい文書、スライドを作成できる。
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中堅から主任であれば以下のとおりです。
①論理的な思考を活用した、問題の定義と解決策の整理ができる。
②業務の目的に対して、仮説の構築と検証ができる。
③会議の設計、プロジェクトの設計などにおいて、論理的な思考を応用できる。
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管理職であれば以下のとおりです。
①経営理念、経営方針、事業方針といった経営に関する方針策定の構造を理解できる。
②経営戦略、マーケティング、財務分析といった経営に必要な考え方を理解できている。
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(行動力の事例については別のコラムに書きます)
この思考力について、すべての基本となるのが論理的な思考力です。
ロジカルシンキングと言われている内容です。
ここで一つ問題があります。
多くの会社でロジカルシンキングの研修が新人、若手向けと認識されていて、主任や管理職クラスでは「忘れられている」、「学んでいない」ということが発生しています。
このため、主任や管理職が担当している会議や方針が「非ロジカルで非効率になっている」というケースが散見されます。
会議でいうと例えば、目的があいまい、成果物が定まっていない、準備物が足りない。
方針でいうと例えば、どのような分析から作成されたか不明瞭、表現があいまいで具体性に欠ける。
このような状態があると、組織の仕事における効果、効率が下がってしまいます。
また、ロジカルシンキングの研修が実務の場面と離れた内容となっており、「分かるけど、できない」ということになっているケースもあります。
結果として職場ではロジカルシンキングが活用されず、業務の非効率が起きているケースです。
例えば、内容が目的にあってない、全体像が分かりづらい、話がつながっていない、情報に漏れがある。
このような状態が仕事の中で発生している場面は、貴社において無いでしょうか?
この非ロジカルで非効率、という状況を人材育成、教育訓練で改善していく必要がある場合、単発の研修では対応ができないと考えています。
理由は、スキルを定着させるためには練習が必要だからです。
どうしたらよいか、というと短時間、複数回、実務を取り扱う内容、で研修を行うことが効果的な方法です。
論理思考の力を強化するためには、慣れが大切、実務で活用することが大切、フィードバックを受けることが大切、だからです。
研修が1日でケースを用いて学習する、という従来の形式では「その日は分かるけど、実務では使えない」という状態が発生してしまいます。
弊社の認識では、ケースを用いた学習内容を自身の業務に置き換えて活用できる人は、受講者全体の1割程度と感じています。
つまり受講者の9割は、「その日は分かった気になった」という状態で職場に戻り、学習内容は実務では活用できないということです。
社内の貴重な時間と予算を使った研修が、「アンケート結果の分かりました」が目的となっている場合、もったいないことだと思います。
以上が人材育成の体系と思考力の強化について、ご参考情報となれば幸甚です。
マキシマイザー株式会社
代表取締役 富沢裕司
- 経営戦略・経営管理
- 人事考課・目標管理
- リーダーシップ
- マネジメント
- ロジカルシンキング・課題解決
ロジカル研修の専門家です。診断、アセスメントなどの経験も豊富です。
プレセナ・ストラテジック・パートナーズで10年間の勤務経験があります。
考え方、ロジカル、課題解決、戦略といった分野で企業研修の講師として10年以上の経験があります。日本を代表する製造業、商社、金融機関、ITやサービス、小売などの企業における研修のご提供実績がございます。
富沢裕司(トミザワユウジ) マキシマイザー株式会社 代表取締役
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