弱みを伝えることが好印象になる?
今回のテーマは、「弱みを伝えることが好印象になる?」についてです。
学生にあまり知られていない企業様は、学生にとってはわからないことだらけで、働くイメージがつきにくいのが実際のことろです。だからこそ、できる限り情報を開示すること、その範囲や内容が大切になってきます。
■ネガティブ情報を伝えることが好印象になる
学生と話をしていると、「いいことばかり言う企業は信用できない」と考える学生がとても多いです。
その裏側に、明かされていない話があるのでは・・・と勘ぐってしまうようなのです。
こういう心理から、学生はネガティブな話こそ知りたがる傾向にあり、ネガティブな情報を出してくれる企業はむしろ誠実な会社という印象を受けています。
25卒を対象とした弊社実施アンケート、「ネガティブ情報を伝えることに好印象を持った学生の声」の自由記述をいくつかご紹介します。
- 業界内の立ち位置や取り組んでいる案件の種類などから、まだまだ挑戦できていないこと、将来的に変化していく中で必要とされる企業となるために足りないことなどを聞いたことがあります。しっかり、弱みや課題を把握してそれを話すことができるということは、意識があることや会社の透明性を知ることができたので、プラスの印象を持ちました。(宮崎大学・女)
- 知名度が低く新規案件が取りにくいと聞いた企業があります。自分もそうだろうなとは思っていたので、特にマイナスな印象を抱くことはなかったです。むしろ正直に話してくれたことに好感を持ちました。(関西大学・女)
- 新事業を始めているが、社員が足りないが、内容的にベテランでないと関われないこと。事業内容的に土日出勤や夜勤が多いこと。
- どちらの企業も弱みや課題のように話していたが、理由がしっかりとしており、はっきりと言ってくれたため逆に好印象だった。(中京大学・女)
上記の通り、企業の状況に理解を示す回答が目立ちました。わからない・知らないことに対しての不安感は誰しも持つものです。その心情に対して、自社の弱い部分をあえて誠実に伝えることで、不安感や不信感が払拭されていくことがあるようです。企業が今抱えている問題に目を背けず、「問題として捉えていること」を学生に示すことが重要です。
学生の中でもやもやが残っている限り、そのまま内定を承諾するということは少ないです。ビジネスにおける課題感がある場合は、これからの展望や取り組んでいることをセットにして伝えることで、学生として納得感を得やすくなります。
■志望度を下げるネガティブ情報とは?
ご注意いただきたいのが、内容や伝え方によっては志望度を下げてしまうことがあるということです。
ざっくりいうと「働き方」に関することです。ただでさえ今の学生は多様な働き方が当たり前の世代です。離職率の高さや、残業の多さなど、学生がいわゆるブラック企業に抱くイメージに合致する情報は学生の志望度を下げる可能性が高いです。
このあたりに弱みを持つ企業様に関しては、その背景や改善策まで丁寧に伝える必要があるでしょう。
■新卒採用は誠実さが鍵に
学生は、「企業はいいことしか言わない」と思っているようです。だからこそ、ネガティブ情報を知りたがっています。わからないこと、見えていないことに対する生理的嫌悪感が起因しており、結果としてネガティブ情報を伝えると誠実さを感じて好感度は上がるという現象が起きています。
学生にとっては社会人生活をどこでスタートさせるかという大切な決断です。言いにくいことはあると思いますが、誠実に対応することが新卒採用を結果的に成功させる鍵になるでしょう。
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企業と学生両方にアプローチし、よりよい就活環境を作る
学生コミュニティを主催し、学生の生のインサイトを吸い上げながら企業様のコンテンツ開発を行なっています。立命館大学客員教授も務めながら合計10の大学で就活キャリア支援講座の運営も行なっています。
羽田 啓一郎(ハタ ケイイチロウ) 株式会社Strobolights 代表取締役
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