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調査速報!日本の従業員エンゲージメントの状態は?Vol.4

昨年大きな反響を呼んだ、全国1万人を対象とした従業員エンゲージメント全国調査。

2023年に引き続き、2024年も株式会社アジャイルHRと株式会社インテージが共同開発し、東京大学医学系研究科の川上憲人特任教授と共同研究を行った「A&Iエンゲージメント標準調査」を利用して、全国調査を実施しました。

コロナの制約が外れたこの1年間の従業員エンゲージメントの変化は、どうなったのか?数回に分けて、速報レポートをお届けします。(前回のコラムはhttps://jinjibu.jp/spcl/keiji-matsuoka/cl/detl/5444/よりご覧いただけます。)

 

前回のコラムでは、日本の従業員エンゲージメントを低下させているセグメントの、「業種」と「従業員規模」について数値から見えることを解説しました。

今回のコラムでは、日本人の働き方に大きな影響を及ぼしたコロナの後、従業員エンゲージメントにどのような変化が見えたか、全体傾向とセグメント別の要因のうち年代について解説します。

 

3.コロナ後の従業員エンゲージメントの変化

3-1.全体的傾向

日本はもちろん、世界的にもビジネスパーソンの働き方に大きな影響を及ぼしたコロナウィルス。

リモートワークが主流となっていた2023年の調査結果と比較して、コロナの影響がほぼなくなった2024年の調査では、従業員エンゲージメントには若干の上昇が見られました。

 

前回 → 今回(増減)

従業員エンゲージメント 2.52 → 2.59(+0.07)

ワークエンゲージメント 2.64 → 2.68(+0.05)

組織コミットメント 2.41 → 2.49(+0.09)

(注:増減には四捨五入の影響あり)

 

本調査では、合計25の小分類項目を測定していますが、前回よりもスコアを下げている項目は見られませんでした。以下ではスコアの上昇に対して、特に影響したと考えられる要因を記述します。

 

3-2.セグメント別の要因

■年代:30歳代の改善の影響が大きい

50歳代のワークエンゲージメントと20歳代以下の組織コミットメントを除いて、全体的に従業員エンゲージメントが改善していますが、特に30歳代の上昇幅が突出しています(図6)。

前回調査では、ワークエンゲージメントと組織コミットメントの双方ともに30歳代が最下位でしたが、30歳代の「仕事の資源」の内訳を前回と今回で比較すると以下のとおりです。

 

前回 → 今回(増減)

仕事の資源 2.56 → 2.69(+0.13)

仕事レベル 2.76 → 2.93(+0.17)

職場レベル 2.61 → 2.66(+0.05)

会社レベル 2.31 → 2.47(+0.17)

(注:増減には四捨五入の影響あり)

 

コロナ禍が終息して、30歳代の中堅社員への仕事そのものからの動機付け(仕事レベル)と会社の施策などによる動機付け(会社レベル)が、よりポジティブに働くようになったと推測されます。

 

 

■年代:20歳代以下の継続勤務意欲は低下

次に年代別の継続勤務意欲について見て見ましょう。年代別の変化で特に気になるのは、図7にあるように、20歳代以下の継続勤務意欲の低下です。

他の年代のスコアはすべて上昇していますが、20歳代以下のみ顕著な低下が見られます。コロナ禍を経て、今の会社で将来続けることに対する20歳代以下の意識が大きく変化していると考えられます。

20歳代の従業員の離職は、多くの企業が課題として捉えています。アンケートやヒアリングを行って原因を分析したり、キャリア研修やメンター制度を導入するなど、様々な施策を導入している企業も少なくありません。

従業員がどのような事に対して、モチベーションの低下を感じているのか、またそれらの改善のためにはどのような施策が有効なのかについては、正しくエンゲージメントを測ることで、見えてくることが多くあります。

そのためには、単に声を拾うアンケートや、満足度調査といったものでは不十分で、学術的に検証され、モデルとしても有効なサーベイを実施することが不可欠になります。効果の高い施策を検討するためにも、正しく状況と要因を把握できるツールを検討してみてはどうでしょうか。

 

本日のコラムでは、コロナ後の従業員エンゲージメントについて、全体傾向とセグメント別の要因のうち年代について解説をしました。次回は、引き続きコロナ後の従業員エンゲージメントの変化について解説します。

 

  • 経営戦略・経営管理
  • モチベーション・組織活性化
  • キャリア開発
  • リーダーシップ
  • マネジメント

日本において、1on1とOKRを含む、パフォーマンスマネジメントの重要性をいち早く唱え、多くの企業の経営者と共にマネジメント改革に携わる。

東京大学法学部卒業後、アクセンチュアにて、人と組織の変革を担当するチェンジマネジメントグループの立ち上げに参画。同社のヒューマンパフォーマンスサービスライン統括パートナー、エグゼクティブコミッティメンバーを歴任後、アジャイルHRを設立。

松丘啓司(マツオカケイジ) 株式会社アジャイルHR 代表取締役社長

松丘啓司
対応エリア 全国
所在地 港区

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