人事評価の納得性は人間関係?!
僕は人事コンサルタントとして、
法人様向けに日頃から人事評価制度の構築のお手伝いをさせて頂いています。
人事評価といえば、よく出てくる言葉・・・
納得性、客観性、公平性、妥当性、透明性などといった言葉がよく出てくるのですが
これらは決して同列のものではありません。
その目的とは納得性を高めることであって、
それ以外のものは納得性を高めるための手段(根拠づけ)にすぎないからです。
手段(根拠づけ)としての
・客観性とは、評価する者の主観などを除き、
具体的な事実に基づいてのみ評価を行うことなどを指します。
・公平性とは、評価する者の甘辛や特定の者に対しての有利または不利な評価を行わないことなどを指します。
・妥当性とは、評価基準そのものが会社(部門)の方針に沿っていることなどを指します。
・透明性とは、評価のための仕組みやプロセスが
すべてのスタッフにオープンにされている状態などを指します。
すなわち、全ては評価の納得性を高めるために、
これらの手段が必要になってくるという考え方ですね。
とはいえ、評価の納得性を高めるためには、
これらの根拠づけが絶対に必要なのか?とあらためて聞かれると、
必ずしもそうではありません。
例えば、小規模な組織などでトップの目が全てのスタッフに行き届いている場合などは、
トップの頭の中にあるものこそが評価基準であって、
それらに客観性や公平性、妥当性、透明性などが一切なくても、
トップが考えることはすべて正しいとスタッフが思うならば、
そこに納得性はあるのであり、評価に不満が生じることはありません。
このような組織ではトップ(社長)のカリスマ性が評価の納得性を高めているのです。
しかし、スタッフ数が増え、トップ(社長)の目が行き届かなくなってくると、
スタッフたちは自身の評価に対して納得性を求めるようになってきます。
そこで出番となるのが、
根拠づけとしての客観性であり、
公平性であり、
妥当性であり、
透明性であったりするわけなのです。
しかしただ、会社として評価の仕組みを整えて
、このような根拠づけがある程度できるようになったとしても、
実際にはなぜかうまく仕組みが機能しない(納得性が高まらない)ことがあるのも事実です。
それには様々な理由が考えられるのですが、
次の点などが一つの理由として挙げられるのではないでしょうか?
「評価する者とされる者との信頼関係(コミュニケーション頻度)」です。
これらが常に良好な状態でないと、
いくら仕組みによって根拠づけを行ったとしても、
評価される者の納得性を高めることはできません。
納得性とは、所詮は、
人と人との関係で成り立つもの!!!
最終的に、納得するかどうかは評価される者の主観によるものであって、
評価される者が「この上司からは評価を受けたくない」と思っている場合などは、
いくら立派な根拠づけをしたところで、
ベースとなる信頼関係がなければ到底、納得させることは困難というものです。
会社は評価の仕組みづくりだけでなく、
評価する者の適性などをよく見極めるとともに、
ヒューマンスキルの向上や職場風土の改善などについても
あわせて意識をしなければなりません!
評価制度に併せてスタッフの教育は
まさに「二人三脚」で進めていかれる必要がありますね!
人事コンサルタント 金森秀晃
- 人事考課・目標管理
- リーダーシップ
- マネジメント
- コミュニケーション
- プレゼンテーション
人事コンサルタント。1級キャリア・コンサルティング技能士。「飛躍シナジー理論」に基づく、わかりやすく、修正しやすい人事システムを提供します。
医療・介護・薬局業界を中心に研修・人事評価制度の構築を行い、導入実績は500法人を超える。年間300件以上の研修を実施、リピート率は脅威の91.7%。被評価者納得度90%以上を誇るZACの人事システムは、延べにして370件以上が導入。
金森 秀晃(カナモリ ヒデアキ) 株式会社ZAC 代表取締役社長
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