モチベーションが上がらない6月、ビジネスパーソンの心の整え方
みなさん、こんにちは。ヒューマン・タッチの森川隆司です。
6月に入り、いつもより遅い梅雨の時期に入りました。ジメジメだけでなく暑さも加わるこの時期、汗かきの私にとっては、つらい時期の始まりです。
人事の皆さんにすれば、新入社員に関連する行事がひと段落した方、これから新人研修が本格的に始まるという方、早速退職者がでて困り顔の方、いろいろかと思いますが、動きの大きい時期ですね。
「5月病」は新入社員のみならず、子ども達からも聞こえてくる話題ですが「6月病」という言葉、お聴きになったことはあるでしょうか。
「6月病」とは、まさに6月に入ってから感じる心身の不調をさす言葉であり、正式な医学用語ではありません。新年度が始まり少し時間がたったころですね。バタバタとすぎる日常から、落ち着いてものを見れるようになる時期かもしれません。一生懸命頑張ってきた人にとっては、気が緩み心と体の疲れを感じやすくなることもあるはずです。また「このままで自分は良いのだろうか」と、不安を感じる方もあるかもしれません。
私たちは、様々なストレス要因から、心身のストレス反応を呈することがあると考えられています。環境の変化、ストレス要因として一般的なものになります。
まずは、環境の変化に適応(克服)しなければならず、心身は「戦う」準備を始めます。
その中で「正常なストレス反応」が出てくるわけですね。入社直後、異動直後に現れる反応はこれらの要因からくるものと理解できます。戦う準備は大切ですが、血圧をあげ、体を緊張させることで、以下のような反応が出ることもあるとされています。

一時的な戦いであればよいのですが、これらが継続してしまうと、心身共に疲弊してしまいます。5月や6月の、ゴールデンウィークや各種研修などがひと段落した時期に、その疲れが一度に出てしまうのが「5月病」「6月病」と理解できるのではないでしょうか。
生じる反応は「戦う準備」からくるものではなく、「疲弊」や「焦り」といったものからくる反応が多いのではないでしょうか。具体的には、以下のような反応があるかもしれません。
感情面
・漠然とした不安を感じる
・やる気が出てこない
・思考力や集中力が切れることがある
・怒りっぽくなる
身体・行動面
・仕事上でのミスが増える
・眠りに問題が出る
・食欲がおちる
・職場で仕事に身が入らない(上の空)
特に、生真面目で几帳面な人、「○○でなければならない」との思いを強く持ちがちな人は注意したいところです。この時期に、なんだかいつもと違うな。。と感じた方は、思いつめずに、以下のような対応を実験してみてください。
1.信頼できる知人や友人、家族に今の状況を聴いてもらう
自分の中のモヤモヤを外に出すだけで、少し気持ちが楽になったと感じることがあります。また、自分では気づきづらい、いつもとの違い、またそれがどれほど続いているか、など客観的に指摘してもらえることもあると思います。複数の心身の反応が数週間継続するような場合は、専門医につながっていただきたく思います。
2.「出来ていないこと」ばかりに目を向けずに「出来たこと」「出来ていること」に目を向ける
この時期、真面目で几帳面な方は、自分の成長のハードルを高く掲げる方もおられると思います。あるべき姿や同期や後輩との比較、などから必要以上に自分を責めてしまっているかもしれません。そんな時は、この数か月できたこと、こなせたこと、にも目を向けてあげていただきたいです。
「そんなこと言っても、入社後私は何も出来ていません」と、意地を張ることもあるのではないでしょうか。そんな風に思ってしまう方は「この数か月、会社に休まずに行けた」「毎日通勤電車に乗れた」「初めての給料で、両親を食事に誘えた」なんでも大丈夫です、柔らかく考えてみてください。できていないことが全く無い方は、一人もいないはずです。
3.俯瞰してものをとらえてみる
健康寿命が延びています。これからの皆さんの職業人生、どれぐらいでしょうか?30年40年、場合によっては50年あるかもしれません。そのなかの数か月です。回り道になっているとしても、そこまで急を要する問題でしょうか?すぐに動かないと自分のこれからの人生、めちゃくちゃになってしまうでしょうか。物差しの基準を長くとってみると、違う景色が見えてくるかもしれません。
4.とにかく動いてみる
いろいろと頭の中で考えて、ぐるぐる回ってしまう場合には、いったんそれは横に置いておいて、目の前のことについてとにかく動き出してみる、ということも出来ます。動き出す中で、「考えすぎだったかな」「なんでこんなことに悩んでいたんだろう」そんな思いが出てくるかもあるかもしれません。
5.心と体を休めてみる
少し有休などをとって、まとまった時間を作ってみてください。会社から離れて、美味しい空気を吸ったり、趣味の時間に使ったり、離れた友人に会いに行ったり、ひたすら眠ったり、心地よいと思うことに時間を使ってみてください。囚われから離れることも出来るかもしれません。
6.自分だけがこんなに苦しんでいるわけではない、と考えてみる
この時期、多くの方が同じような状況で、同じような心身の反応に苦しんでいます。だからといって、自分が楽になれるわけではありませんが、「自分だけがどうして」という考えには、やはり偏りがあるのではないでしょうか。あなたの目の前に、たまたま同じように苦しんでいる同年配の人がいれば、あなたはどのような声掛けをしてあげるでしょうか。自分自身にも同じように声掛けしてあげてください。
先にも書きましたが、心身の反応が複数、2週間以上継続するような場合は、専門医やカウンセラーのもとを訪ねていただきたいです。我慢しすぎる必要はありません。会社には、休職や病気欠勤といった制度がある場合もあります。病気までなってしまった場合には、これらをうまく活用し、また元気になれる時間を作ればよいのです。
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森川 隆司(モリカワ タカシ) 株式会社ヒューマン・タッチ 代表取締役 臨床心理士 公認心理師

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