メンタル不調(うつ病)への対処法 1
みなさん、こんにちは。株式会社ヒューマン・タッチの森川です。
今回は、「メンタル不調(うつ病)への対処法 シリーズ1」として、「ストレスとは??」についてお話させていただきたく思います。
■ストレスとは
みなさんは、「ストレス」という言葉にどのようなイメージをお持ちでしょうか。「なくすべきもの」「ストレスフリー(「ゼロ」)を目指すもの」「不快なもの」etc.どちらかというと、マイナスなイメージが多いと思います。
「ストレス」を、「刺激」と置き換えてみてはどうでしょう。「刺激」がない世界、光や音や感触が全くない世界を想像してみてください。私たちは生きていけるでしょうか。少なくとも私は無理です。真っ暗闇の部屋の中で、手かせ足かせされて固いベッドで横になるような時間は、数時間と持たないと思います。
無くては困るけど、多すぎても困る、そんなストレスですが、ストレスという言葉を使う際、「ストレス要因」と「ストレス反応」に分けて捉えてみましょう。例えば、山歩きをしていて、突然クマに出会ったとします。大きなストレス要因ですね。ストレス反応として、皆さんどのような反応を示すでしょうか。熊と戦うことができる人もいるかもしれませんが、私を含めて多くの方はその瞬間、立ちすくんでしまったり、固まってしまったりするのではないでしょうか。ただこのようなストレス反応によるショックを受ける時期、「ショック期」と言いますが、このような時期はそれほど長く続くわけではありません。
実はその後、いつもよりも力が出せる時期、「抵抗期」がやってきます。例えば、熊から早く逃げたいとすれば、 筋肉を強く動かすために体は色々と準備をしてくれるわけです。火事場の何とか力に近いかもしれませんが、この力、皆さんの経験からもお分かりだと思いますが無限ではありません。
やがて右肩下がりで下がってきて「疲弊期」という時期がやってきます。いわゆる「ストレスフルな時期」ですね。
このように、ストレス反応を時系列に見た時、私たちはストレス要因を目の前にして 一時的に力が下がりますが、実はその後、いつもよりもググッと、力を出せる時期がやってくる、ただそれも無限には続かずやがて落ちて行ってしまうのです。
このことをまずは理解しておきたいところです。職場においても、例えば部下や後輩に課題や目標を与えることが皆さんもあるかと思います。一種のストレスですね。ストレスを与えることで成長を促す、いつもより力を発揮できる、これは職場においても、あるいは、子供の時期の発達においても、私たちは一般的に活用しているものです。
大切なのはストレスというものを一方的な悪者とせず、うまく付き合っていくこと。それが長引かないようにしっかりと対処していく、この点になるかと思います。私たちの心をゴムまりのようなボールと捉えた時に、外からの圧力がストレス要因です。ゴムまりは縮みますけれども、硬くてやがてパリッと割れてしまう心よりも、実は、じんわりとでも戻っていく、そんなしなやかな心の方が、最終的には強い心ということが言えるかもしれません。
■ストレスの要因
職場には熊はいませんが、職場のストレス要因としては、「仕事の量の問題」「仕事の失敗・責任の問題」「仕事の質の問題」「対人関係の問題」などが上位に挙がっています。
また、職場のストレス要因からだけで、ストレス反応やうつ病になるわけでもありません。「仕事以外の要因」「助けてくれる人がどれぐらいいるか」「個人の要素」もかかわってくると考えられています。
今日はストレスについてお話をいたしました。この後シリーズとして、ストレスへの対処法、メンタルヘルス不調(うつ)にならないための対処法をお話ししていきたいと思います。
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森川 隆司(モリカワ タカシ) 株式会社ヒューマン・タッチ 代表取締役 臨床心理士 公認心理師
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