復職支援が一次予防?
【ヒューマン・タッチ レター vol.17】
みなさん、こんにちは。ヒューマン・タッチ森川です。
毎月、ソフトウェア関連の企業様におうかがいしており、
先日も4時間のコマで5人ほど面談を実施しました。
新規や休職中の方もいますが、事業所内での面談なので、
復帰後のフォローでお会いする方が半分以上です。
最低でも、復帰後3か月は面談実施となっていますが、
いろいろな事情で継続する方もおり、人数が多くなる傾向は否めません。
休職者や復職者への対応は、一般的には「三次予防」に分類されます。
「一次予防」がすべての従業員に対する「予防的」対応であるとすれば、
「二次予防」は不調予備軍や管理監督者への対応となり、
「三次予防」では不調に至ってしまった人への対応、と理解されています。
「健康経営」や「ゼロ次予防」という言葉が使われるようになって、
久しい感じがあります。
従業員の心身の健康リスクに対する「予防」の大切さの浸透、
すなわち企業側のイキイキと働ける職場づくりが経営課題であるとの認識や、
コンプライアンスや投資対象としての取り組みという背景もあると思います。
このような中、残念ながら、休職復職支援は「三次予防」として、
「流行りでない取り組み」として認識されているようです。
企業側としても、「健康経営」についての予算であれば検討できるが、
休職する人や、場合によってはやめていく人への対応については…というのが本音のようです。
ただ、休職復職支援を15年以上継続している身としては、
この取り組みこそが「健康経営」「ゼロ次予防」「一次予防」につながると感じています。
メンタル不調で休職や退職に至る人は、もちろん個別(個人)の問題(課題)も
ありますが、同じように、職場でも課題を抱えているケースが多いのは、
みなさんも想像される通りです。
例えば、会社をやめていく人に、辞める理由を聞いて、
本音で話してくれる人がどれぐらいいるでしょうか。
「親の介護のため」「健康面での問題で」とは言えても
「○○部のマネジメントがひどくてつらいので」
「たばこのにおいがどうしてもだめで」
「時短勤務を希望しているのですが、取得が難しくて」
とはなかなか言えませんよね。
私たちが面談する中では、当然のように出てくる話題です。
本人からは会社側への開示同意書をもらい、しっかりと療養して
スムーズに復職するために面談を継続しているのですが、
企業にフィードバックすべき内容には、組織風土の課題や問題が含まれていると感じるのです。
このような「声」はストレスチェックの結果や、様々な満足度調査の結果と共に、
会社を知る貴重な情報となり、そこから必要な職場環境改善に向かうことも可能と考えています。
実際に、私たちの休職復職支援の取り組みを、健康管理部門だけでなく、
(必要で開示できる情報のみですが)所属の部門長などとも共有して、
個別対応のみならず風土改善に役立てている企業様もあります。
「休職復職支援」は、「健康経営」「ゼロ次予防」「一次予防」につながる取り組みです。
私は胸を張って言いたいと感じています。
- モチベーション・組織活性化
- 安全衛生・メンタルヘルス
- コーチング・ファシリテーション
- チームビルディング
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通算500社以上のコンサルティング、900件以上の復職面談、年間100件以上のセミナーをこなすメンタルヘルス対策専門コンサルタントです。
メンタルヘルス対策の仕組みづくり、個別休職復職支援、ラインケアセミナー、セルフケアセミナー、全員面談、ストレスチェック、職場環境改善、災害・自死等の危機対応など、「こころ」の視点から、「いきいき職場づくり」をトータルに支援いたします
森川 隆司(モリカワ タカシ) 株式会社ヒューマン・タッチ 代表取締役 臨床心理士 公認心理師
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