臨床心理士が教える不調者対応06~復職支援の成功・失敗事例~
臨床心理士が教える不調者対応06~復職支援の成功・失敗事例~
みなさんこんにちは。
株式会社ヒューマン・タッチの代表で、臨床心理士の森川隆司です。
前回に引き続き、復職の失敗例として、「職場要因」である【連携不足:社内の産業保健スタッフとの連携ができていない】について、具体的なケースをご紹介いたします。
■復職後の産業保健スタッフとの面談内容がきちんと共有されていないケース
・「復職後のフォローが大切」とは前回のコラムで書きましたが、上司との面談で語られる内容と、産業保健スタッフとの面談で語られる内容が必ずしも同じとは限りません。
前者の場合、きちんとこなせていることを、どうしても前面に出して伝えてしまいがちな方もあるでしょう。
他方、後者の場合、産業医や保健師、またカウンセラーとの面談であれば、会社には直接伝えづらいことに対しても、話題が及ぶこともあります。特定の人間関係や、直接今回の不調とは関わらないけれども、プライベートでの出来事など。
職場では様々な要因が重なってパフォーマンスに影響を及ぼします。広く情報を聞き取れる後者の情報がきちんと伝わっていないと、職場での配慮を間違えてしまうケースも考えられます。
■人事労務部門と上司との間できちんと情報共有されていないケース
・上司としては、こまめにフォロー面談し、対応していても、その情報が人事労務部門とうまく共有されていないケースもリスクが高いと考えます。
復職プランは、新鮮な情報をもとに、柔軟に修正されるべきと考えますが、この連携が取れていないと、せっかくの情報も宝の持ち腐れになってしまいます。
情報共有に関しては、面談時に開示同意書を本人からもらうことが前提となっています。
また、開示同意書があるからと、どのような情報でもすべて共有してよいかは、共有すべき相手によって、慎重に検討すべき事項です。産業医と共有するのか、人事考課を担う担当者と共有するかでは、目的は同じでも、開示の深度は変わってくるはずです。
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森川 隆司(モリカワ タカシ) 株式会社ヒューマン・タッチ 代表取締役 臨床心理士 公認心理師
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