現代に求められるリーダーシップの在り方と研修方法
リーダーシップ研修を実施し、必要な知識・態度・マインドを培いたい
リーダーシップの変遷から、現代に求められるリーダーシップの在り方と研修方法を導くためには?
前書き:
「リーダーシップ」とは便利な言葉である。リーダーシップに必要な知識・態度・マインドとは、恐らく誰もが同じものを思い浮かべるのではないだろうか。かつてのリーダーシップとは体力的・武力的な強さを表していた。それは外部環境が単一的な時代、いかに弱音を吐かず成果を出すか、いかに長く働けるかに比例していた。その時代の研修では「What(何を)」や「How(どのように)」を問うコンテンツが求められた。しかし、外部環境が劇的なスピードで変化する現代では手遅れ、または当てはまらないことが増えてきたのである。では、現代ではどのようなコンテンツが求められるのだろうか。
令和に見合ったリーダーシップを醸成するためにすべき2つのこと
リーダーの自問自答~なぜあなたがリーダーなのか?~
現代の研修では「Why(なぜ)」を問う。「なぜあなたがリーダーなのか?」「なぜあなたがリーダーでなければならないのか?」。それは自分自身のリーダーとしての本質的価値を探ることに繋がる。かつては、「リーダーとして気張り、強くあらねばならない」と自身を装飾し、役割性格を作っていた。役割性格からの発言・行動は本心でないと見透かされ、周囲から不信感を抱かれてしまう。それを脱却すべく、役割性格を越えた等身大の本質的価値を探っていくことが求められるだろう。
研修は大きく3つのステップで構成される。
1. セルフアウェアネス(自己認識力)を高める
2. 経験によって築かれた自分の固定観念を正しく理解する
3. 固定観念を覆す価値観のアップデートを行う
研修は行動(習慣)が変わることが最大の成果
固定観念を覆すことは新たな成功体験を積み重ねるほか無いと言える。つまり、実践を繰り返し、これまでの自身の経験を上書きしていくのである。その際、研修内で必ず見ておく指標として「カークパトリックモデル」に提唱される4つの段階がある。
研修は以下のレベル1から4までの段階で測定することが可能である。
レベル1は反応であり、アンケートなどで理解度や満足度を測る。
レベル2は学習であり、理解度テストなどで習得度合いを測る。
レベル3は行動の変化で、
そしてレベル4は定量的な成果で測る。
効果的な研修を行うには、最低でもレベル3に到達するように設計していくべきである。それを達成するためにも「サイクルメソッド」を組み込む必要がある。
研修効果を最大化させる「サイクルメソッド」
研修は、月1回の研修を3か月以上の期間に渡るように設計する。そして、以下1~5のサイクルを確実に回転させることで、インプット・アウトプットの習慣化を定着させ、行動変革を促すことが出来る。
1. 研修で理解(インプット)する
2. 各回にて現場で実践する重点実施策を明確化する
3. 現場に持ち帰り実施(アウトプット)する
4. 次回の研修前に実施策の成果と反省を検討する
5. 1に戻り繰り返す
役割性格を越えた新たなリーダーシップへ
研修の前後はもちろん、定期的に「360°評価」や「部下との個別面談」を実施し、メンバーからの評価をしてもらう。役割性格は自己防衛の一つであり、生身でぶつかることは本人からすると非常に恐ろしいことである。正しく評価するためにも、日頃活動を共にする周囲のメンバーからの生の声を拾うことが最も重要である。
※本コラムは西村が、タナベ経営の経営者・人事部門のためのHR情報サイトにて連載している記事を転載したものです。
【コンサルタント紹介】
株式会社タナベ経営 HRコンサルティング事業部
HR大阪本部 部長代理 チーフコンサルタント
西村 直人
「人は変わる、変えられる」を信条に人事制度構築や人材育成の仕組みづくりなど、人事全般のコンサルティング活動を展開中。また、人材育成面では、経営者から新入社員までのプログラムの設計から運営で幅広く活躍、特に、幹部~若手クラスの人材育成のノウハウには定評がある。
主な実績
中堅建設業:人事制度再構築コンサルティング
中小製造業:人事制度再構築コンサルティング
中小専門商社:人事制度再構築コンサルティング
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中小サービス業:社内アカデミー設立支援コンサルティング
中小産廃業:教育システム構築・推進支援コンサルティング
各業種:考課者研修・幹部研修・リーダー研修・若手社員研修・新入社員研修
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