変化に強い組織を育む“しなやかマネジメント”の実践と成果

今回は、
「しなやかリーダーが変化に強いチームを創る」
について一緒に考えていきたいと思います。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
■「しなやか姿勢」で、VUCA時代を切り拓く
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

VUCA時代の今、リーダー的立場の方のマネジメントが、
変化に柔軟に対応し、チームの成果を
最大化し続ける鍵を握っていると考えています。

この時代には、一つの正解があるわけではなく、
常に変化する環境にしなやかに対応できる姿勢が
必要であると言われています。

リーダーが柔軟な「しなやか姿勢」で
マネジメントを実践することで、
メンバー一人ひとりの力を引き出し、
チームの強みを活かしながらどんな状況にも
対応できる組織を育むことが可能です。

●しなやか姿勢の５原則

原則１：起こったことを前向きに捉える
原則２：他者との違いを価値、可能性と考える
原則３：まずは自分が今できることに全力で取り組む
原則４：やり方は変えても目的はぶらさない
原則５：人・仕事・未来の可能性を信じる

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
■【事例】研修の成果が示す“しなやかマネジメント”の力
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

先日、ある企業グループ全体で実施した
6か月間に及ぶ【しなやかリーダー塾】の
最終成果報告会がありました。
https://jinjibu.jp/service/detl/13531/

複数企業から集まった50名以上の参加者たちが、
10の混合グループに分かれ、
それぞれのリーダーシップ力を磨き上げた成果を
発表する場です。

成果報告会は、グループ発表→代表者による全体発表、
という流れで実施したのですが、
最終代表発表者として選ばれた10人のうち、
大部分がある企業からの参加者だったのです。

その発表は、どれも経営視点を踏まえた
会社全体の成果につながる内容で、
他の参加者たちにも大きな刺激を与えるものでした。

さらに、直属上司からのフィードバックには、
部下育成への深い理解と支援がにじみ出ていました。

「この研修を通じて、部下たちと深い対話を重ね、
個々の強みを引き出しつつ、自身の強みも
活かしながらチーム成果を出してくれました」

と語り、この企業が全社を挙げて
1つの目標に向かって力強く進んでいる様子を
垣間見ることができたように思った次第です。

プログラム期間中、この企業のメンバーは、
自分たちの成果だけでなく、他のグループとも
積極的に意見交換を行い、学び合いながら
“しなやか姿勢の５原則”
を体現していました。

その結果、成果報告会でもひときわ高い評価を集め、
多くの参加者に新たな視点を与える機会となったと
私は確信しています。

┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
■成果を出す組織の3つのカギ
～多様性としなやかマネジメント～
┗━━━━━━━━━━━━━━━┛

今回の事例から、多様性を活かしながら
成果を出し続ける組織の「3つの成功のカギ」が
見えてきました。

【１】経営層に女性がいる
経営層に多様な視点があることで、組織全体に
多様性を尊重する風土が浸透している。

【２】上司が “しなやかマネジメント” を理解している
部下を信頼し、対話を通じて力を引き出す姿勢が、
リーダー育成の基盤となっている。

【３】実際に部下がいる
チームを率いる立場として、
日々マネジメントを実践しながら
成長できる環境が整っている。

これらが組み合わさることで、
「女性管理職比率の向上」といった
単なる目標達成に留まらず、組織全体の
スキルとマインドを進化させる
本質的な変革が生まれていると考えます。

＊

ジェンダーギャップ解消やDE&Iの取り組みを
進める際には、組織風土や制度の運用といった
「ソフト面」にも一貫性を持たせることが重要です。

自社の組織改革に取り組まれている経営者の方や、
DE&I推進担当者の方には、ソフト的な部分について
改めて強く意識をもって、粘り強く推進施策を
進めていただければと願っています。