2年半以内に施行される「改正・女性活躍推進法」対策に向けて

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■反発したくなる気持ちをぐっと抑えて
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企業研修を通して働く女性社員の皆様と接していると、
反発してしまっているように見受けられる一部の女性たちに
出会います。
「周囲が完璧にお膳立てしてくれるならマネージャーになってもいい」
「あえて女性だけ集めて研修することに納得がいかない」
「女性活躍って言いながら、本音は女性たちに女性らしくあれってことなんでしょう?」
ごく一部とはいえ、せっかくの学びの機会を
前向きに捉えきれず、一旦受け止めようという
余裕もアソビも持てずにいる女性たちを見ていると、
こんなに辛そうで働きづらそうにしているからこそ
うまく立ち回る賢さを持って行動して欲しいと
願ってしまう自分がいます。
反発すること自体、いけないことではありません。
私も何度となく落ち込み、悲観的になって、
もう仕事を辞めてしまおうと当時悩んでいたことを
思い返すと、その気持ちは痛いほど分かります。
反発する女性社員が悪い、と思う人も女性社員の
周囲にいるかもしれませんが、蓋を開けてみれば、
残業が常態化していたり、女性が働いていないように
見えてしまう職場環境であることも往々にしてあるものです。
女性たちが働きづらさを感じて、いざ声を上げてみれば
「感情的に言われて敵わない」と男性上司たちに
悪い印象として捉えられてしまっていることもあるかもしれません。
とはいえ、そんな状況を打破していくための
はじめの一歩は、やはり女性たちから歩み寄る行動を
選択することで、より効率的に組織変革をもたらすことは、
私自身のこれまでの経験と、現在関わっている
女性活躍推進プロジェクトで成果を出している企業様を
見ていて、確信を深めています。
女性社員が変われば、それを見た男性社員が変わって、
組織も呼応するように変革するー。
このアプローチが、組織風土を根底から変えたり、
これまで以上の成果を出す会社への成長を導く
【女性活躍推進2.0】となると私はお伝えし、
女性たちにどうか諦めないで欲しいと、メッセージを
送り続けています。
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■改正された女性活躍推進法の施行日まであと2年半
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女性活躍推進法が改正され、労働者が101人以上の事業主は
一般事業主行動計画の策定とその届出義務、また
自社の女性活躍に関する情報公表の義務の対象となることが
今年の6月5日に決定しています。
この対応は、向こう2年半以内に施行され、
対象企業の事業主は必ず達成しなければなりません。
すでに準備している企業様も、そうでない企業様も、
「女性活躍推進」が思うような成果につなげられずに
終わることがないよう、現場の実態を正しく把握するために
実施したのが、
【女性活躍推進2.0実態調査(リノパートナーズ調べ)】
です。これを見ていただければ、男女の乖離がなぜ起きているのか、
一目瞭然かと思います。
「働く上で、男性・女性と区別するのはやめて欲しい」
という声があることはもちろん理解していますが、
こと仕事・組織といった男性視点で仕組み化されている
環境下では、男女の意識差がどうしても出てしまい、
互いの理解が不十分であるがゆえの”ねじれ”が
引き起こされていることが、調査結果からも
お分かりいただけると思います。
真の女性活躍推進は
「男性と女性の視点を融合して、今まで以上の成果を出す」
ということだと私は考え、そのために変えるべきところ、
変えてはいけないところをしっかりと見極めなければ、
実態調査の結果のように、ますますギスギスした組織風土を
もたらしかねないと危機感を抱いています。
これから女性活躍推進に取り組もうとしている企業の
人事担当者・ダイバーシティ推進室長の方には、
ぜひ正しいやり方で、施策を進めていただきたいと
考えています。

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■何度も、繰り返しフォローするということ
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すでに、改正された女性活躍推進法に向けた
取り組みを順調に進めている企業において、
人材育成の担当者の方はもちろんのこと、
部下を持っているマネージャー層の皆さんにも
ぜひ意識していただきたいと思う点があります。
それは、
「定期的なフォローを続ける」
ということです。
人は、一度伝えて理解してくれたから
もうそれ以降は放ったらかしでも大丈夫、
ということはないと私は経験則で体感しています。
繰り返しになったとしても、大切なことは
適切なタイミングで何度も伝える必要があると
考えています。
また、人は常にモチベーション高く保ち続けることは難しいです。
落ち込んでどうしようもなくなることがあります。
女性活躍推進の施策においても、研修やセミナー、
ワーキングの立ち上げにプロジェクトなど
やる気を持って女性たちが立ち上がったとしても、
日々の業務や、職場環境、しがらみといった壁に
阻まれてしまい、やる気が萎えて諦めそうになることは
必ずあると言って良いでしょう。
そんな時に、弱音を吐き出せたり、なんでも相談できる
環境を整えておくことは必須で、その役割を
マネージャー層が担い、常にフォローできると
女性たちも再び意識高く行動し続けることができるのです。
これは男女に限った話ではないと思います。
常に自分を見てくれ、フォローしてくれる人の存在があると
ないでは、その人が持つパフォーマンスや成果に
大きな差がでてくることは容易に想像がつくのではないでしょうか。
人は感情の生き物であり、その人という存在が
会社組織を支えている以上、フォローし続けるという関わりが
ダイバーシティ&イノベーションを推し進めるのだと考えれば、
定期的なフォローの仕組みを導入することで、
より成果につながる人事施策となるのではないかと
私は考えています。
- 経営戦略・経営管理
- モチベーション・組織活性化
- キャリア開発
- リーダーシップ
- マネジメント
◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。
細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士

対応エリア | 全国 |
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所在地 | 千代田区 |
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