男女別人材育成プランを勧める理由

日本の人事部プレスリリースにて「女性活躍推進2.0実態調査2019」全国データを発表したことに続き、11月7日(木)に「【男女別】女性活躍推進2.0実態調査2019」を発表いたしました。
全国データは人事ニュース、特に育児休暇制度についてクローズアップされた掲載が目立った印象でしたが、今回特に興味深く目に映ったのは、教育関係情報サイトに取り上げていただいたことです。
「リセマム(ReseMom)」(高校生までの子どもを持つ保護者向け教育情報配信サイト)の注目記事として取り上げていただいた内容から、我が子が社会人となる頃にはダイバーシティが進んで誰もが安心して働ける世の中であってほしい・・そんな願いを感じるような記事掲載のように思いました。
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■男女で「捉え方」が違う
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調査データで分かるのは、男女で捉え方が違うということです。
傾向の一例を挙げると・・
<女性>
男性に比べると、基本的に自信がない傾向にある。
そのため、「自分に足りないこと」「改善すべき点」
について指摘されると、「これ以上頑張れと言うのか?」
「もう無理かもしれない」という心理に陥りやすい。
<男性>
女性に比べると、比較的自信を持っており、
自分の弱みや強化部分を指摘されることにより
具体的な成長アプローチ法を探して対応していこうと
行動しやすい傾向にある。
このような差が潜在的にある状態で、
例えば男女一律でマネジメント研修を行っても
成果に差が出ることは仕方ないことだと言えます。
私がこれまで法人研修ご提案の際に男女別の
アプローチを推奨してきた理由は、経験則上、
そして成果が出ている取り組み事例からでしたが、
今回の調査結果から改めて男女を分けた教育の
必要性が裏付けされた形となりました。
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■人材育成施策がうまく進んでいる企業の特徴
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前述では女性の特性として
「男性と比べると自己肯定感が低い」
ということに触れましたが、
もう1つ特徴的なものとして
・共感欲求が高い
ということが挙げられます。
これらの特性を生かした女性社員育成を進めるために
私が意識して取り組んでいることが以下の2点です。
1)今すでにある自分の強みを最大限に引き出すアプローチ
2)同じ境遇・同じような立場で困難を乗り越えた人の経験談・事例の提供
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1)今すでにある自分の強みを最大限に引き出すアプローチ
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女性の強みを活かして個人の力を最大限発揮
してもらうには、「足りない部分の強化」よりも
「今ある強みをさらに伸ばす」
「今の自分からスタートする」
というアプローチ法が、結果として足りない部分の
強化も含めた能力発揮に繋がりやすいのが女性の特徴です。
心理的なブレーキを外すことで、
安心して自己能力開発していくことが
できれば、女性視点を活かした発想力によって、
職場へ新たな仕組みや考え方を提供する存在へと
成長していくことが可能になります。
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2)同じ境遇・同じような立場で困難を乗り越えた人の経験談・事例の提供
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女性は男性と比べると共感性が高いので、
自分と同じような立場で、同じような
経験をした人の話に自分を重ねて聞くという傾向があります。
今回の調査結果からも、
「男性は経営視点」「女性は自分自身の視点」
この観点の違いから来る自由回答の表現方法が明確で、
顕著な男女差を物語る1つの物差しとなりました。
そういった女性が「自分自身」にフォーカスする
傾向が「自分と似たような人」「自分と同じような悩み」
という事例や経験談にアンテナ高く反応し、
「私も同じようにできるかもしれない」
という可能性へのヒントを得られやすいという特徴があるのです。

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■男女別で人材育成に取り組むメリット
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私が【女性活躍推進2.0セミナー】へお越しいただく
女性の人事担当者やダイバーシティ推進室担当の方から
「現場の苦労を知っている人に話を聞いてもらえて
とてもスッキリしました」
とよくおっしゃっていただくことを通してみても、
責任感の強さから来る自信を持ちづらい面がありながら、
共感できる相手との情報交換でモチベーション高く
行動へ移す力を女性たちが秘めていることを
常に肌で感じているところです。
一方で、男性は
●成功事例を知りたい
という要望を会社に求めていることが、
今回の男女別女性活躍推進2.0実態調査から明らかになりました。
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女性活躍推進男性管理職252人中、117人が
「女性活躍推進の成功事例の共有」を求めている
(株式会社リノパートナーズ調べ
「男女別女性活躍推進2.0実態調査2019」より)
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男性は結果を、女性は共感を求めているという
ことが明確になっている以上、私は少なくとも
女性活躍を進めていくスタート地点にいる組織においては
・女性向けの取り組み
からまず始めることが成功への第1歩であると考えます。
私が人材育成コンサルティングでサポートさせて
いただいている企業様で、特に成長著しいのは
以下のステップで取り組む人事施策です。
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女性向けの取り組み(意識づけ+スキル付与)
↓
成果の出る取り組み実践(業務改革プロジェクト)
↑
成果をみた男性の意識醸成
↓
男性向けの取り組み(ダイバーシティ推進)
||
イノベーション&インクルージョン(男女視点の融合)
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男女別で人材育成の取り組みを行うアプローチについて
ぜひ一度考えていただくきっかけとなれば幸いです。
- 経営戦略・経営管理
- モチベーション・組織活性化
- キャリア開発
- リーダーシップ
- マネジメント
◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。
細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士

対応エリア | 全国 |
---|---|
所在地 | 千代田区 |
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