会社が抱える課題の行き着く先は・・「人の問題」

企業の成長には、そこで働く人の成長が欠かせない、
と常々思っているのですが、ここ数ヶ月の人材育成
コンサルティングサポートを通して、ますます
その意味の重要性を感じている今日この頃です。
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■会社が抱える課題の行き着く先は・・
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中小企業診断士となってから10数年が経って
関わらせていただいた企業様の規模は様々ではありますが
各社が抱えている課題を分析すると、最終的に
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人の問題
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にたどり着くことが99.9%、と言っても
過言ではありません。
現に、当初は業務改善システム導入のサポートとして
入らせていただいたコンサル先も、
「これまでも様々なシステムを入れてみたが
社員から使いづらいと文句を言われて思うように
業務効率化できない」
といった状況が2年以上続いていたのですが、
蓋を開けてみたら
・現場の意見を聞かずにシステムを導入するから困る
・気づいたら新しい機器が導入されていて戸惑っている
・組織体制の変更、人事評価の導入・・これまで通りでいい(よくわからない)
このような現場の不満・不安が吹き荒れていました。
なるほど、この状況は経営者から見たとすると
「社員(人)が問題だ」
と思ってしまうことも仕方ないかもしれません。
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■人の育成にコミットしているか?
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私も「人」にフォーカスして考えるという面については
大いに賛成です。
もう一歩突っ込んで言うのであれば、
「人の育成」という最重要課題がそこにある、
と考えています。
前述の事例で考えると、
現場は経営者がなぜ業務改善システムを導入したり
人事制度改革を進めようとしているか、その理由が
腹落ちしていない状態だと考えられます。
経営者として細かくその理由や背景を
伝えているつもりかもしれませんが、
実際に仕事をしている社員たちの立場に立った上で
その必要性、意義をわかりやすく伝えなければ
反発されてしまうのは正直避けづらいと思います。
だからこそ私は、経営層や人事の立場にいる方々が、
人の育成についていかにコミットしているかによって、
人事施策に対する現場の受け止め方、反応の仕方、
さらにその先にある効果や成果は違ってくるものだと
考えているのです。
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■研修スタイルで業務改善を行うメリット
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現在、社員教育と同時に業務改善プロジェクトを
走らせている中小企業があり、社員の皆様の成長に
経営者の方も大変満足いただけているのですが、
【研修スタイル×業務改善】
というこのスタイルは非常に効率的で成果が
現れやすい取り組みだなと実感しています。
実際に社員教育を受けている現場の方からは
「業務改善した方がいいとは思っていたが、
じゃあ自分の枠を超えて周囲の人たちと
変えていこう、とは思わなかった」
「通常業務では業務改善の話し合いはしない。
研修を通して、普段みんなが考えていることを知って
刺激を受けて、自分も何かできないかという気持ちになった」
「研修で具体的な業務改善方法を教えてもらうことで
できそうだな、やってみようかな、と思えて
実際にやって効果があると嬉しい」
このようなコメントが寄せられています。
トップダウンの業務改善命令や新システム導入は
形の上では進行するかもしれませんが、果たして
現場運用まで浸透し、即座に成果となるかといったら
私の経験則上は厳しい、と言わざるを得ません。
うまくいかない理由を突き詰めると、
やはりそこで働く人の問題に行き着くからです。
一見、時間がかかるように思えるかもしれませんが、
社員にスキルや知識を与え、実践を通して
成功体験を積み、自ら業務改善等に取り組む意義を見出す、
という「人の育成」なしには、真の会社成長には
繋がりづらいのではないかと思うのです。

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■育成には【意識改革】が含まれている
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女性活躍推進を行う場合も、制度改革はもちろん必要ですが、
女性社員の育成も並行して進める必要があると考えます。
特に、男性が多い職場環境下で働く女性や、
中小企業で働く女性たちは、一般職、事務職といった仕事に
配属されていたり、そもそも女性が管理職になるような道が
開かれていない環境下であることが多くあります。
その状況で突然、
「今日からあなたたちが働きやすいように制度導入しました」
「女性管理職を目指してみませんか」
と言われても戸惑ったり、ついていけないと感じるのも
仕方のないことかもしれません。
だから、なぜ会社が女性活躍推進を行うのかという丁寧な説明と、
知識やスキルを得る機会が少なかった(その必要がなかった)
女性社員への育成が必要不可欠だと私は考えています。
さらに女性社員たちを取り囲む
同僚や管理職者層の育成も欠かせません。
育成には、“意識改革” が含まれているからです。
育成を通して、全社員的な意識改革がもたらされることで
社員の自主性が養われていきます。
育成と実践をセットで進めれば、具体的な行動の取り方、
成功体験が積み重なって、自ら行動を起こし変化する意義も
醸成されるので、
「テレワークを導入したのに、誰も利用しない」
といった、ハード面の形骸化を避けることができ、
結果として成果につながっていくのです。
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■育成を基軸にして全課題を解決
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私が提案している育成の流れは以下の通りです。
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社員の意識改革
↓
必要なスキルの付与
↓
実践による成功体験
↓
成果と定着化の両面を達成
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この流れに沿ったプログラムを6ヶ月〜1年ほど
実行することで、職場の様々な課題を社員全員が
結束して片っ端から解決に向かっていく、すなわち、
「社員が勝手に育つ」
というベースを築くことにつながると、これまで
研修プロジェクトで関わらせていただいた各企業様を
通して確信しています。
「人事施策が現場へ思うように浸透しない」
という際には、“育成” という視点について
今一度振り返って考えていただければと思います。
- 経営戦略・経営管理
- モチベーション・組織活性化
- キャリア開発
- リーダーシップ
- マネジメント
◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。
細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士

対応エリア | 全国 |
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所在地 | 千代田区 |
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