パワハラ対策にも〜女性管理職に必須スキル「かけ算の調整力」

7月より、厚生労働省の外郭団体である公益財団法人 21世紀財団法人の客員講師に就任いたしました。
主にダイバーシティ推進関連研修を担当いたします。私のこれまでの経験が沢山の方のお役に立てることをとても嬉しく思っています。
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■女性管理職に必須のスキル〜かけ算の調整力
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会社の中で、うまく仕事を回して行くための
基本的なスキルは調整力なのではないかと思います。
リーダー的な立場にいる管理職や人事担当の方にとっては、
昨今必須のスキルではないでしょうか。
今は第四次産業革命とも言われていて、
市場のニーズも多様化、変化も激しい世の中です。
このため、リーダーである管理職が全て正しい方針を
指し示すというのは、到底無理があります。
実際に業務を行っている担当者1人ひとりが
最も業務の内容やお客様の意向やニーズを
把握していることから、担当者の力を引き出し、
チームで成果を出して行くことがとても重要になってきます。
この1人ひとりの力を引き出す関わり、それを融合させて
人数分以上のチーム成果を出す、ということを
実現するのが管理職の役割です。
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■掛け算の発想でチームの力を最大化する
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これを達成するためには、周りの関係者の考えていることを
察知してそれを活用しながら、全員が同じ方向を向いて
成果を出して行くというモチベーションを上げることを
行なわねばなりません。
これは、まさに【調整】です。
そして、私がここで言っている調整とは
単に複数の意見を足し算のように合わせる
ということではなく、複数の意見や価値観を組み合わせ、
新たな考え方やアイデアを生み出していく、
かけ算の発想であるということです。

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■あえて手は出さず、メンバーの力を信じて託す
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私は今も様々な場面で調整力を活かしています。
つい先日、私がファシリテーターとして関わっている
約30名のコミュニティにおいて、ちょっとした課題が
勃発して、メンバー全員が手を尽くしたものの解決せず、
私の元へSOSが届きました。
課題の詳細を聞いたところ、確かにファシリテーターの
立場の自分が介入することで課題はあっさり解決すると思い、
一瞬手を出してしまいそうになりましたが、
私が介入して解決するより全員が改めて一致団結して
課題に取り組むことのほうが、チームの結束力も高まり、
よりよいコミュニティに成長するきっかけになる、
とすぐに思い直しました。
そこで私は、
「なるほど、状況は理解しました。
私もサポートしたいと思っているのですが、
今はおかげさまで仕事で忙しく、課題解決のための
まとまった時間が取ることが厳しい状況です。
私が対応するより、みなさんが対応した方が
より早く解決する気がしていますが、いかがでしょうか。
例えば、こんなツールを使って再チャレンジしてみると、
これまでと違った結果にたどり着きそうな気がしています」
と問題解決の一つのヒントを提供したのです。
すると、
「なるほど!じゃあみんなで◯◯してみたら、
解決するかもしれませんよね?さっそくメンバーに共有します!」
と一人が私のヒントから1つのアイディアを思いつき、
そのまままとめ役となって、一気に解決へ向けて動き出したのです。
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■女性に身につけてほしい調整力
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このように、管理職が仕事を進める上で必須のスキルは、
調整力です。
特に女性は、責任感が強く、仕事を抱え込みがちな
傾向があるため、うまく仕事を分担して1人ひとりの力を融合する、
ということになかなか思考が行かない場合があります。
管理職になりたての女性社員、また管理職候補の
女性社員には、特に、チーム成果を出すための
ベースとなるスキルであるこの調整力を意識的・優先的に
身につけてもらうことで、その女性社員自身も
自らの強みを発揮しつつ、無理なく最高のチーム成果を
出せるマネジメントができるようになると考えます。
私の元へ相談に来る女性社員も、
また企業研修・コンサルティングで訪問する企業に所属する
女性管理職の女性たちも、ほぼ「調整力」を身につければ
解決する悩みを持っているという共通点が見られる傾向にあります。
代表的な悩みで言えば、
「上司と部下に挟まれて辛い」
「部下が言うことを聞かない」
「同僚との人間関係がうまくいかない」
「なぜ私は上司からパワハラを受けやすいの?」
等々。これらは調整力を身につけると解決していくことが多いです。
人事担当の皆さんは是非この「掛け算の調整力」の
必要性について考える機会を設けて、人材育成施策の
一つとしてご検討いただきたいと思います。
- 経営戦略・経営管理
- モチベーション・組織活性化
- キャリア開発
- リーダーシップ
- マネジメント
◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。
細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士

対応エリア | 全国 |
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所在地 | 千代田区 |
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