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研修を業務で100%活かすためには

私は、NTTで人材育成担当として

仕事をさせていただいている時代から、
常々このように考えていました。

「研修で得た知識やノウハウを100%業務に活かして欲しい」

このコラムを読んでくださっている
人事部の方や人材育成担当の方のうち、

「社員は研修内容を業務に活かせている」

と自信を持って答えられる企業は
少ないのではないかと思います。

インプットした知識を定着化して、
業務に活かしていくために必要なことは、
実践をしてフィードバックを得る、
いわゆる【PDCA】を回していかねばなりません。

実務で実践して成果まで結びつけるためには、
私は2つの外せない重要なポイントが
あると考えています。


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
■ポイント1:上司の巻き込み力を強化
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

部下育成を任されている上司の方のうち、
これから部下が受講する研修の内容を
しっかりと把握されている方は
どのくらいいらっしゃるでしょうか?

さらに、部下が研修で学んだスキルを、
どんな場面のどういう実務の中で実践して
もらえそうか、計画的に考えている方は、
どのくらいいらっしゃるでしょうか?

このように、甘やかせ過ぎだ!と思われる方も
いらっしゃるかもしれませんが、
部下の成長は上司のフォロー程度によって
雲泥の差が出てくるものです。

上司が部下本人のキャリアプランを考え、
どんな研修を受けさせるべきか、研修で
得たものを業務の中で活かせるような
役割分担も含めて、計画的に考えておく
必要があります。

つまり、上司と部下との間に、十分な理解と
協力をしてもらう状態を作っておくことが重要です。

┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
■ポイント2:個別サポートの徹底
┗━━━━━━━━━━━━━━━┛

いざ、研修の学びを実務で実践しようとすると、
細々とした悩みや迷いが必ず出てきます。

具体的にどんな行動をとるべきかも分からないので、
結局学びを活かしづらくて、側から見ると

「研修に行かせても変わらないな」

という結果になっているのであれば、
これほど残念なことはありません。

私が社内外問わず、育成の際に気をつけているたった1つのポイントがあるとしたら、

--------------------------------------------------------------------------------------

育成対象者が職場で困ったり悩んだりするタイミングで、
いつでも相談できて、即座にアドバイスをもらえる
環境を整えている

--------------------------------------------------------------------------------------

という1点のみを実現しています。
これによって対象者は、

1)「実践」の妨げとなる「悩み・不安」を取り除き、
2)実践後の「成功」を、個人の成功体験として積み上げ、
3)うまくいかなかった「経験」を、次の実践の糧として活かす

この繰り返しが、自ずと成果につながる
「PDCA」を確立することができるのです。

研修の場合は、講師による一定期間の個別フォローがあると
より効果的ですが、これが難しい場合もあると思います。

その場合は、上司や人事担当者による個別のサポートを
実行することでも十分に効果があると考えます。


┏━━━━━━━━━━━━┓
■周囲にも連鎖反応を起こす
┗━━━━━━━━━━━━┛

社内のキーパーソン1人が変われば、組織が変わります。
いわゆる、ドミノ現象が起こるのです。

特に、女性は他人の変化に敏感に気づきやすい傾向にあります。
「最近、彼女変わったよね」

男性は、無意識に他人と自分を比べたり競争しがちな傾向にあります。
「パッとしなかった同僚が、成果をあげているらしい」

1人が変わると、周囲へじわりじわりと影響力を発揮していきます。

人事施策が会社にイノベーションをもたらすという理由は
ここにあると私は確信しています。

ぜひ、企業の人事・育成担当の方には
「100%成果につなげる」という発想の元で、
研修等の施策展開をしていただきたいと思います。

  • 経営戦略・経営管理
  • モチベーション・組織活性化
  • キャリア開発
  • リーダーシップ
  • マネジメント

◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成

元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。

細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士

細木聡子
対応エリア 全国
所在地 千代田区

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