気づきを与える効果的な方法

今回は、私が伺った、ある大手企業の管理職向けダイバーシティ講演での
出来事からお話を進めてまいります。
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■上司と社員ですれ違う思い
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受講者は、すべての管理職者が対象でした。
人事担当者から伺っていた悩みは、
●女性社員を充分に活用できていない
ということだったのですが、その理由は
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育児や介護で時間短縮勤務者が多い
↓
勤務時間に制約があると仕事を任せづらいし、本人も辛いだろう
↓
時短の女性には仕事の内容や量を制限
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という、上司なりの“配慮”が起点となっていたことで、これを解消したいというリクエストでした。
実際に、キャリアアップしたいと考える女性社員にとっては、出産・育児のタイミングで
会社の第一線から外されてしまう状況が辛くて
「妊娠しなければよかった」
と涙ながらに打ち明けてくる方もあとを絶たないそうです。
これは、完全に上司と女性社員との間で思いのすれ違いが起こっている状態だと考えます。
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■適切な対応につなげるために
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「今は仕事のペースを落とす時期だって割り切って考えればいいのでは?」
と話をする管理職の方もいらっしゃるのですが、
これは人によっても考え方が違うことがあり、
仕事がしたいと思っている女性にとっては酷な話なのです。
やりたいことが思い切り出来ないって辛いことだと思いませんか?
こうならないようにするためには、大きく2つの対策があるように思います。
1つ目は、誤解している可能性を常に考えるということです。
自分が相手のことを理解していると思い込んでいると思わぬ気持ちのすれ違いが起こって、
そのまま進むと取り返しのつかないことに発展することもあります。
「自分は誤解をしているかもしれない」
「自分の思い込みかもしれない」
ということを、私は常に念頭に置いて行動することを心がけています。
そうすることで、本人に本音の気持ちを聞いてみよう、コミュニケーションを
とってみようという気持ちになり、それが適切な対応につながっていくと考えています。
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■「保護」ではなく、「活かす」
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2つ目は、女性社員は保護するという考え方ではなく、
活かすという考え方を持つということです。
実際に、育児や介護をしている人は、時間の使い方がとても上手です。
限られた時間の中で、常に複数のことを並行で、
行わざるを得ない環境に置かれているため、
自然といろいろな工夫をしているのです。
これを仕事の場面で発揮したとしたら・・さらに、その工夫を周囲の社員たちにも
水平展開したとしたら・・・
劇的に生産性が上がると思いませんか?
私も過去に時間短縮勤務の社員に業務効率化施策の検討、実施をして
もらったことがありましたが、その効果は目覚ましいものでした。
重要なのは、戦力外と思うのではなく、今の状況で活かせることはないか、
という発想の転換で考えることです。
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私には子供はおりませんが、30代の頃には同じようなことでものすごく悩んだ記憶があるので、女性社員の抱えている気持ちは痛いほど分かります。
講演では、自分の経験談を交えながら2つのポイントをお伝えするのですが、
みなさんとてもよく理解くださり、即実行しようと思ってくださいます。
実際に同じような立場で、同じような悩みを抱え、試行錯誤した経験から出た対応方法として自らの事例として語ると、自然と受け止めていただきやすいようです。
リアルな体験談を細かく丁寧にお伝えできるのは管理職10年、人材育成3年、その後ベンチャー企業で2年の人事役員経験があるからこそだと思います。
この経験を、当時悩んでいた私のような管理職のみなさんに細かくお伝えしていくことができればと思っています。
- 経営戦略・経営管理
- モチベーション・組織活性化
- キャリア開発
- リーダーシップ
- マネジメント
◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。
細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士

対応エリア | 全国 |
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所在地 | 千代田区 |
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