複数の案から本命を選ばせるテクニック
クライアントや社内の会議などで複数の提案をするとき、「これを選んでほしい!」という本命の案がありますよね。
そんなとき、こちらの思惑通りに本命を選んでもらえるコツがあります。
しかも、部下や後輩のやる気を出させるときにも同じテクニックが使えるとしたら!?
今回は、そんな伝え方の順番に関するテクニックをお伝えします。
・複数の提案をするときに気をつけたい「順番」
ところで、あなたは複数の案をプレゼンするとき、どんな順番で提案していますか?
自信がある順で説明をしますか? それとも大本命は最後にとっておくでしょうか?
プレゼンの順番に関するこんな実験があります。
4足のストッキング(A~D)が並べられています。
実験協力者に、A、B、C、Dの順に見てもらい、手にとったときの感触や耐久性などをチェックした後、「一番すぐれていると思う商品」に投票してもらいました。
でも実は、これらのストッキングはすべて同じ商品なのです。
素材や耐久性、感触、メーカーなど、すべて同じであるにも関わらず、評価がもっとも高かったのは一番右に置かれていたDのストッキングで、評価の順はC、B、Aと続きました。
この実験から、人は右にあるものをより重要だと感じる傾向があることがわかります。
横書きの文章を読むときも左から右へと視線を移していくため、右にいくほど新しい記憶になります。
人間は新しい記憶を重大なことだと感じたり、良い印象を持ったりする性質があるので、選んでほしい商品や提案書は一番右に置く、または、最後にプレゼンをするのが選んでもらいやすくなるコツだということです。
・注意をするときも順番を変えるだけでモチベーションがアップする!
一番新しい記憶が印象に残る法則は、部下や後輩を注意したいときにも応用できます。
たとえば、部下に頼んでいた提案書にミスがあったのでやり直してもらいたい場合、どちらの伝え方がモチベーションアップにつながるでしょうか?
A.仕上げるのは早かったけれど、ミスが多かった。この部分をやり直してもらえる?
B.ミスは多かったけど、仕上げるのは早かった。この部分をやり直してもらえる?
前半と後半を入れ替えただけなのに、「仕上げるのは早かった」という褒め言葉を後に言われたBの方がやる気が出そうですよね。
褒め言葉をより新しい記憶としてインプットさせれば、「ミスをしてしまった・・・・・・」で終わらず、「仕上げるのが早いと褒められたから、あとはミスを直すだけだ!」と前向きにとらえることができるのです。
いかがでしたか?
プレゼンや注意をするときなどに、「伝える順番」を意識してみてくださいね。
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自身の経験として、マッサージ店補経営、IT事業を経て、働き方改革のコンサルティング事業を始めている。
経営者と従業員の両方の心に寄り添った提案を行います。
服部 裕樹(ハットリ ヒロキ) ブラックスミス 代表
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