定年についての考え方〜それまでに身につけておきたいこと〜
私は今62歳。ちょうど同期や同じような年代が定年を迎え、千差万別な人生を送っています(送ろうとしています)。それぞれの人生にどうこう言うつもりはまったくありませんし、それこそダイバーシティ&インクルージョンです。第2の仕事をしている人、しばらくは休みたいとしている人(多くがデイトレードをやりたがるが、素人が勝てるものではない)。これにて働き終わりとする人は少ないようです。何年先かは別にして、いずれ皆さんも定年を迎えるのでしょうから、多少なりともお役に立てそうなことをお伝えしたいと思います。
1、パソコンの技術を身につけておく。
会社にいるときは、部下やシステム担当が(内心は嫌々でも)いろいろ教えてくれる。トラブルになったら、解決してくれる。自宅ではそうはいかない。子供に教えてもらう?アマ~~イ。ずっとやってくれるはずがない。よって、自分でパソコン会社などに電話することになる。なかなか電話がつながらない。つながったら「それはハードの問題ですか、それともソフトの問題ですか?」みたいなことを言われる。「それがわからないから電話してんだ」と答えたくなる。会社に入った時からパソコンを使っている若い人なら問題ないだろうが、入社した時はワープロもなかったという昭和人間(私も)は自分でパソコンのトラブルを解決する練習をするといい。部下やシステム担当に頼らないで。独立自尊。ちなみに、最近の新人にはエクセルやワードの研修をするらしい。ちょっと前ならパソコンはお手の物だが、つい最近の年代は、スマホでなんでもこなしてしまうので、パソコンができない人がいるとか。
2、「年功序列制度の終わり」を覚悟しておく。
ただのおじさん、おばさんになる。日本人は帰属意識が高いが、帰属するところがなくなり、もはや部下は部下でなくなる。特に職位が高い人であれば、辞めた途端に、周りにいた人々がサーと引いていく。年齢や職位ではなく、人としていいつきあいを同僚や部下にもしておくこと。自分の人生を振り返って、どのグループに信頼の置ける友達が多いか考えてみると、(1)顧客はいくらたくさんいても、友達にはなりにくい、(2)学校時代の友達は、「懐かしい友達」であり「悩みや議論ができる友達」は少ないかも、(3)毎日同じ職場でいいも悪いも解り合っている同僚や先輩は、一生の友達となる可能性が高いと思う。一生の友達候補として、先輩や部下を大切にしておくことが肝要かと。
3、大企業病から脱する。
特に大会社に勤め上げた(ようとしている)人の多くが、大企業病にかかっている。自覚症状はないが、およそ次のような症状である。
(1)自分の身の安全を常に考える。「安全」と「挑戦」なら、「安全」を採る。
(2)イノベーションしない。変化を嫌う。
(3)「部下や若手に任せる」という言葉が好きで、自ら細かい仕事をしない、汗をかかない。
(4)「言うことは立派」だが、必ずしも「行動」が伴うとは限らない。
(5)「過去」を語りたがる。「明日から何をするか」の話が少ない。
(6)旅はもっぱら出張で行き、自分の金で旅をしない。
第2の人生で新しい職場を探している人は、大企業病を克服しなければならない。大企業病であった多くの先輩たちが、それが原因で第2の職場でたくさん失敗している。仕事もしないで、口だけが達者で、高給だけを望むから。
学歴や職歴を(実力より上に)詐称するのはいけないが、仕事の実力があるなら(あえて学歴や職歴を言わないで)近所の中小企業にアルバイトで雇ってもらったらいい。実力があるなら、「アルバイトのおじさん、結構できるねー」と評価をもらえて、すぐに正社員にしてくれる。そこから経営に役立つ提言をしたり、顧客開拓すると、それこそ抜擢してもらえる。「仕事がない」と言っている人は、過去の自分の地位と給料レベルを求めているだけだと思う。自分は高い給料を取れると誤解するのは残念。単に年功序列制度の下で、部下が支えてくれていただけなのかもしれない。
- モチベーション・組織活性化
- キャリア開発
- リーダーシップ
- マネジメント
雑誌掲載・著書多数!女性活躍の男性推進サポーター兼「立志塾」塾長。経営的観点から、ジェンダー×ダイバーシティの意義と実践をお伝えします。
ホリプロ経営企画室長時代、多くの名もなき女性たちがプロのタレントとして輝きを放つ瞬間を見てきました。何故無名の新人が大女優になるのか?―才能を見つけ、引き出し、磨き、演出する。企業における人材育成、殊、女性育成でも根幹は同じかもしれません。
椎川 乃雅(シイカワ ノア) 一般社団法人彩志義塾 代表理事
対応エリア | 全国 |
---|---|
所在地 | 千代田区内神田 |