認知と人気は相関しない時代[COYOTE通信]
お笑い芸人であり、絵本作家でもあるキングコングの西野さん。
以前読んで、感銘を受けましたブログがありました。
「信用タレントの時代」という名のタイトルで2017年8月15日のブログに綴られています。
お笑い芸人は、有料のライブにどれだけ集客できるかは大事なキャッシュポイント。
しかし、テレビの露出が増えて、多くの人たちに知られるようになっても有料ライブの集客は増えなかったというのです。
(以下、ブログから引用)
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よく驚かれるのですが、今でも月に40本は寄席の舞台に立っています。
これはデビュー当時から変わりません。
つまり、かれこれ17年ほど「集客」というものと向き合っているのですが、これだけ向き合っていると、さすがに、「認知度」と「有料客の集客」が比例しないことが分かってきます。
それを痛感したのは25歳の頃。
『はねるのトびら』の視聴率が毎週20%を超え、それこそショッピングモールでの無料イベントなどは、どこに行っても簡単に数千人が集まり、チヤホヤしていただいていたのですが、有料ライブの集客は、かなり落ち込んでいました。
「認知」と「人気」はイコールだと思っていましたが、実はそうではなく、当時、「認知」は上がっていたけれど、「人気」が落ちていたのです。
有料ライブ(ダイレクト課金)に必要なのは、「認知」ではなく「人気」で、「人気」の正体は「信用」と言えるでしょう。
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認知と人気は相関しない。
30年前であれば、テレビに出る人=普段出会えない人=遠い存在でしたから、認知と人気は相関したのかもしれません。
しかし、ネット世代からすると、ネタはいつでもYouTubeで観れるしブログやTwitterを通じて、アイドルも芸人も身近に感じることができます。
つまり、テレビに出る人=出会えるかも知れない存在、になったのだと思います。
たくさんのメディアに露出しても、その人物そのものが信用されていないとわざわざお金を払ってまで応援したいと思わない。今はそんな心理が働いているのだと思います。
読みながら、採用では「認知=人気」と捉えて活動する企業も多くあるなぁと思いました。
様々なメディアが発表する「就職人気ランキング」が最たるものかもしれません。
あのランキングに漂う違和感は、就職人気ではなく、就職”認知”ランキングに過ぎないからだと思うのです。
就職人気ランキングが高かったとしても、イコール就職したい会社かと言われるとNoという会社も実は多いのです。
時折、就職人気ランキングで上位を獲得するため、就職メディアにたくさん露出する企業があります。
でも、「認知」は上がっても、入社したいという「人気」は上がったのでしょうか。
認知をあげることに注力するよりも、人気=信用をあげることに力を注いだ方がよっぽどいいと感じます。
じゃ、認知はあげなくても、人気は獲得できるのか?
紹介した西野さんのブログの後半を読んで見てください。
インターネットTVの中で「即興ピアニスト」として人気を博しているある女性の話が書かれています。
彼女は、多くの人に認知はされていませんが、その世界においては多くの視聴者を獲得できる人気者です。
我が家の次男がはまっている「アリ生活」を紹介するユーチューバーもそうです。
彼らは、ユーザーのニーズを汲み取った企画を作り、ユーザーと対話しながら番組を進行していきます。
露出にお金をかけて、認知をあげることに注力しすぎると大切なユーザーを見失います。
小さな市場でもいいので、ユーザーの声に耳を傾け彼らの信用を勝ち取る活動ができるか。
採用活動も、まったく同じだと思います。
知る人ぞ知る市場で信用を勝ち取る。
これを目指していくのはどうでしょうか。
- 人材採用
- キャリア開発
- リーダーシップ
- チームビルディング
- コミュニケーション
変化を起こすリーダーを創る
大学卒業後、日本データビジョンにて採用支援事業に従事。2011年株式会社コヨーテ設立。独自の採用手法を開発、2000社を超える企業に伝える。新規事業創造プロジェクト「Hatch!」プロデューサー。 2020年michinaru株式会社を設立
菊池龍之(キクチタツユキ) michinaru株式会社 代表取締役
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