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「プレイヤーからマネジャーへの転換」vol.4

企業における最も古典的な断絶であり、ダイバーシティ対応への鍵ともなる、
「”優秀な個人プレイヤー”から”チームを率いるマネジャー”への転換」をテーマに連載しています。
 

 

vol.4 ◆◆周囲を動かす支援スキルを備える◆◆

 

これまでよりも大きなテーマに取り組むということは、関わる人は多くなり、成果が出るまでの時間も多くかかります。当然、自分一人で出来ることが、より限られます。周囲に気持ちよく、そして効果的に動いてもらえるように働きかけるスキルはマネジャーとしてのパフォーマンスに直接の影響を及ぼします。

 

マネジャーの行動は指示と支援にわかれる

 

マネジャーとして、他者を通じて成果を出すためには、メンバーや関係者に適切に動いてもらう必要があります。動いてもらうためには、“これこれをこうしてください”と事細かに説明し強要する方法と、“これこれをどうするといいか、自分で考えて行動してください”と具体的なところは委ねる方法があります。前者を指示、後者を支援と呼びます。

まず、この2つはどちらも必要で、どちらも大切です。マネジャーは、この2つを上手く使いこなせなければなりません。使いこなすとは、“使い分ける”ということです。多くのマネジャーは上手く使い分けられていません。自分の中にこの2つを使い分ける基準を持っていないため、指示と支援を混在させたり、行ったり来たりを繰り返したり、と、非効率な運営をしています。このままでは非効率なだけでなく、メンバーからの信頼を損ねかねません。

 

指示すべきか、支援すべきか?

 

時を経ても変わらず「うちのマネジャーは、任せてくれる!」という声と「うちのマネジャーは、丸投げする!」という声は共によく聞きます(もちろん熱を込めて訴えてこられるのは後者ですが)。

この2つの声を丁寧に聴いていくと、実はマネジャーは“同じような行動をしている”のです。マネジャーのコミュニケーションは変わらないのに、反応が真逆になる。なぜそうなるのか?

興味深いお題なので、何度も尋ね、考えたおかげでわかってきました。どうやらその原因は、指示と支援の使い分け方にあるようです。何を指示し、何を支援するか、はそれぞれ違う環境の下での判断なので正解はありません。ただ、“どんな基準で、指示と支援を使い分けるか”を明らかにしておくことが鍵なのです。その基準に則って、メンバーに働きかけ続けていないと、メンバーが困惑します。

“指示されたと思って従っていたら、なぜか途中で考えていない!と言われた”とか、逆に“考えろと言っていたのに、途中から箸の上げ下げレベルまで指示してきた”という話はよく聞きます。これがメンバーに負の感情を溜めさせてしまうのですね。

 

使い分けの基準を明示する

 

ではどんな基準で使い分けると良いか。私がこれまで1万人を超えるマネジャーの方々から直接に聞いてきた意見は、以下の3つに集約されます。

 

・時間に猶予があるか否か(ない→指示、ある→支援)
・マネジャー自身が把握している情報の量と質が十分か否か
(十分→指示、十分でない→支援)
・メンバー側が考えるに足る知識・能力や経験を持ち合わせているか否か
(持ち合わせていない→指示、持ち合わせている→支援)

 

およそ、どの職場でもこの3つは共通するようです。もちろん環境によって、違う基準がフィットすることもあるでしょうし、この3つも単独ではなく組み合わせで使うので個々の判断は時と場合によります。お勧めしたいのは、これらの基準をメンバーに明示しておくことです。

“なぜ、今回は指示なのか?支援なのか?”がわかれば、メンバーのストレスは激減します。そして、あらかじめ基準が職場で明示されているならば、メンバーが自然と”今回は急いでいるんだな“と解釈してくれます。あなた自身も楽になります。当然、自身の働きかけを、常に明示した基準と照合し続けましょう。

 

メンバーが成長する3つの支援

 

さて、ここまでは“考えてもらうことが支援”とシンプルな紹介に留めましたが、メンバーに自律的に考えて行動してもらうための支援の関りは3つに分かれると、中原淳氏が「職場学習論 仕事の学びを科学する」で紹介しています。支援の効果は、あなた自身が動かないでも進んでいくということだけでなく、メンバーがその取り組みを通じて成長するということにあります。

 

・業務支援:業務に必要な知識やスキルを提供したり、業務をスムーズに進められるように取り計る

・内省支援:メンバー自身に振り返るきっかけを与えたり、態度を変容させるきっかけを与える

・精神的支援:仕事の息抜きや安らぎを与える

 

実際に広くビジネスパーソンに対して“あなたは周囲からのどんな関わりで成長しましたか?”を聞き取り、それを集約すると3つの支援になったそうです。

さらに、私が面白いと思うのは、職場の誰が、どの支援をすると有効なのかというまとめです。結論として、上司からは業務支援より精神的支援を重んじた方がよく、また職場の誰からも内省支援の関りが成長に寄与するそうです。コーチングがマネジャーに必要なスキルの一つとして位置づけられ、1on1という関りが注目されていることともつながります。

誰からも有効な内省支援ですが、その上手いやり方(落とし穴)も次回以降で紹介したいと思います。

今回は周囲に動いてもらうための指示と支援の使い分け、そして支援の種別について紹介しました。次回は、これらのスキルを“そもそも何のために使うのか”を紹介します。マネジャー視点で設定する取り組みテーマとは何なのか?を考えましょう。

  • リーダーシップ
  • マネジメント
  • コーチング・ファシリテーション
  • チームビルディング
  • コミュニケーション

互いを尊重し合う。仕事を面白がる。自分たちこそが学び続ける。

「職場を、チームにする」自分たちの問題は自分たちで考え自分たちで解決するという、知恵を生み出す職場と人材を、クライアントの皆さまとブリコラージュしてつくり出すことを使命とする株式会社BRICOLEURを設立。

野元 義久(ノモトヨシヒサ) 株式会社BRICOLEUR 代表取締役

野元 義久
対応エリア 関東(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県) 東海(岐阜県、静岡県、愛知県、三重県) 近畿(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)
所在地 渋谷区

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