これから必要な人材
これからの時代に必要な人材とは
今後日本が再成長していくためは、今までの既存の人材タイプやレベルでは達成が困難ではないだろうか。
例えば経営者人材は今までのようなマインドスキルセットでは、今でも通用していない。早急に改善しなければならない人材群の筆頭であろう。それから今後のビジネス展開には新たなイノベーションが必要になる。高度な技術を持った専門職人材が今とは想像つかないぐらい、その重要性を増すであろう。
特に理工系、システム系の人材は圧倒的に不足している。また社内における位置づけも不明確であり、労働市場に見合わない処遇を行っている。高度専門人材は今後の日本に欠かすことの出来ない人材群である。
このように各企業に共通する必要な人材も入れば、今後の日本の重要な業界で不足をしている人材に対しても何らかの手を打たなければならない。
例えば介護職がその代表になる。そして第一次産業も壊滅の危機であり、それこそ直ちに人材確保しなければならない。
経営者人材
現在の日本の経営者はほとんどが自社出身者であり、転職経験があまり多くない。そしてグローバルの経験をしている経営者は20%と非常に低い状況である。今後日本は内需が大きく成長するとは考えられず、そのためグローバル展開をしなければならない。
今後の経営者は新たな成長のシステムを構築しなければ実現しないだろう。一定の業務経験を経たのちに経営者人材の候補を選抜し、様々な組織へローテーションをする。また海外子会社勤務などグローバルな経験は必須である。そして経営者になるべくMBAレベルの教育をしなければならない。
こうして初めて取締役が誕生し、複数の取締役で切磋琢磨することによってCEOが育つ。今から着手すると早くて10年かかるだろう。その間社長は内部昇格ではなく外部招聘をするぐらいの覚悟が必要だ。いずれにせよ今までの経営者タイプでは他国に負けることが証明されている。
高度専門人材
新しいサービス、商品等を新たに開発するためには、高度専門人材が不可欠だ。また対外的な商品サービス開発だけではなく、社内の業務革新にもこの人材は必要である。
残念ながら日本では理工系の大学生は2割程度しかいない。中国に至っては50%を超えている。現在の労働市場でもこの高度専門人材の需要は極めて高い。しかし充分な供給ができない状態である。大学教育の改革とともに理工系人材を多く育てなければならない。特に女性は理工系人材の中の5%しかない。小学校からの教育に何か問題があるのかと疑うべきだろう。しかし需要側は待っていることができなく、そのため外国人の採用を進めることになる。
こうなると労働市場価格で採用しなければならない。また日本で働くことの魅力をより鮮明にすべきだ。当然社内も女性だけでなく外国人も含めたダイバーシティを考え実行することになる。こうなると今まで一律的な給与は一気に崩れることになる。また社内の雰囲気、文化も純日本人的なものであってはならない。いずれにしても高度専門職人材はすぐにでも必要である。
業界職種別の人材
今後も産業構造は大きく変わっていくことになる。現在あるビジネスモデル、業界そして職種なども構造変化とともになくなったり、新たなものができたり、現状のものが変更されたりすることが予想される。
しかし将来予測の中で指摘をされている人材が不足する業種、職種の代表格は介護職と第一次産業ではないだろうか。介護職の重要性は誰しもが理解している。しかしその理解もあと数年経つとより重要性が高かったと気づくだろう。現在の現役世代の親などの家族の介護が大きな社会的な問題になる。そもそも足りない介護職であるが今の介護のスタイルプラス現役世代の親の介護負担が大きくのしかかってくることになる。
次に第一次産業であるが、危機的状況を超えるレベルの状況といえるだろう。日本の食糧自給率は38%極めて低い水準で、人口が急速に増えている世界ではすでに食料が足りない状況にある。将来は奪い合いになるだろう。
これを防御するためには日本の食糧自給率を上げるというのが通常の考え方である。しかし100%の自給率になることを望むことはできない。そのため規模のメリットやテクノロジーを生かした食料生産で自給率を維持、向上させるとともに、日本のブランド食料を開拓開発すべきである。
100%がすぐに実現できないのであれば他国が欲しがる日本ブランド食料を持つことが一つの戦略である。この担い手である人材は、現在でも極めて高齢化している。5年~10年経過すると現在の担い手は退職し、従事者は半減するだろう。上記のような戦略的第一次産業構築のためには、圧倒的に人材不足の業界である。
強制力と神の手
企業と個人が雇用の契約を結ぶのは双方の意思によるものだ。もっと大きく見ると需要と供給が神の手によって決められているともいえる。
今後当然この企業と個人の合意による雇用は前提に起きつつ、介護や第一次産業などは何かしらの強制的要素や強い推奨がなければ日本の適正人員配置ができない。特に40歳以上の中高年に関してはそのまま自社で働くか他社に転職するか極めて優遇された条件で介護や一次産業に従事するかといった選択肢も検討に値する。
需給バランスが崩れた企業や業界は今までと同じ手法で人材を確保できない。新たな考え、アイディアで乗り越えなければ存続も危ぶまれる。
*YouTube番組DigDeep人事「これから必要な人材とは」を参照に執筆
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