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公務員人事に学ぶ

私は十数年前にあるきっかけで公務員人事を専門にしている大学教授と面識を持ち、それ以降大変近しくお付き合いをさせていただいています。その当時私の中では公務員人事制度への理解が低く、非常に低いレベルなのではないかと感じていました。しかしながらこの教授と話をしているうちに、旧態依然としている部分もあれば、民間企業から見ると驚くほど先進的なことを普通にやっていることに非常に驚きました。公務員人事から学ぶことが多いということです。

 

第一に人件費の管理についてです。日本の民間企業は人件費を理論的に正しくコントロールできていません。一度採用してしまった社員については年功序列的な制度の下、それなりの処遇をしています。採用についても理論的な考えに基づいて行っておらず、そのため人員数や人員構成は理論的な形とは大きく異なっています。多くの社員を総合職で採用し、年功序列の制度で運用してきた結果、社歴の長い企業ほど理論的なあるべき人件費の額と現在の額は大きく異なり、ほぼ人件費が過剰な状態になっている会社が圧倒的に多いといえます。

理論上また教科書的に言えば、企業に必要な人員は経営計画を達成するために必要な人員を主要組織ごとに算出し、最終的にすべてを合計した人数ではないでしょうか。要は職務遂行に必要な人数およびレベルを設定するということです。これを合計すると理論的な社員数、理論的なレベル構成(等級構成)が決まり、人件費単価を経営の方針で決めれば理論的な人件費が計算できるというものです。このように職務に対して必要なマンパワーを算出する方法を採用している企業は一部の外資系企業や小さな企業を除いてほぼないでしょう。

 

実は公務員の世界では毎年これを普通に行っています。次年度の新たな方針に従って様々な部署の強化や逆に縮小撤退などを勘案し、職務レベルでの必要人員数算定を行ない、累積し必要人員を出すということが当たり前ということでした。これには私も非常に驚きましたが、実際は極めて簡便な方法でやっているのではないかと疑いました。しかし詳細に話を聞くとかなりロジカルに方針を勘案して算定していることが分かりました。

この話を企業にすると理想的なやり方であるのはわかるが現実的でないという答えが圧倒的に多いです。総額人件費管理を経営計画達成という観点で管理する事を放棄しているともいえます。公務員の総額人件費管理は極めて理論的だということが分かるのと同時に、企業の人件費管理がいかに甘いかということがよく分かりました。

 

人件費管理のほかにもう一つ驚いたことがあります。企業では総合職の社員は将来の経営を担うコアの社員である認識がされています。
代表的なキャリア目標としては管理職や経営者ということになるでしょう。管理職や経営者の候補者としては、さまざまな研修を受け、さまざまな業務経験をしなければなりません。特にさまざまな業務経験とはローテーションということになりますが、これが計画的に実施されている企業は金融機関など一部に限られます。総合職といっても実際には総合職として扱っていないことになります。特定の職務を長く担当させることが多く、管理職や経営者が持つべき幅広い視点を持つことができません。

それに対し公務員人事ではひとつの部署を3年で必ずローテーションします。職員の特性や専門性によってローテーション範囲が決まっている場合もありますが、原則さまざまな部門に配置されます。このことにより視野が広がりどのような業務でも担当できるようになります。何か特定の部署で突然人が必要な場合にすぐに応援に駆けつけられる。これを彼らの用語では“最大動員”というそうですが、業務経験を積むと同時に業務の必要量が変わっても柔軟に対応できる体制を常に作っています。そして50歳になるとその中から選抜されて課長が生まれます。当然その間はさまざまな試験や面接などもあります。
こうして育成された管理職は単一組織で育った管理職よりも経営的に圧倒的に優秀でしょう。

 

日本企業は総合職社員の計算をして理論的な人数を採用していません。総合職といっても結果としてずっと製造に携わる人や、定年まで営業をする社員も発生します。総合職とは何かという問いと、優秀な管理職経営者を育成するためにどのような状況であってもローテーションを行うという強い意志がなければできません。

まだまだ民間企業で学ぶポイントはあります。また逆に公務員人事が民間から学ぶことも多くあると思います。同じ人事管理を考える上でも、異なる立場、異なる視点から議論することで学ぶべきことが多いと感じました。ぜひ公務員の人事制度を一度見てみてはいかがでしょうか。

 

*YouTube番組DigDeep人事「公務員人事管理に学ぶ」を参考に執筆

 

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経営、人事の分析を通じて、書籍や雑誌またYouTubeなどから、有益な情報をタイムリーに発信していく

様々なメディアで経営、人事に関する最新の情報や重要データなどを提供します。また有識者と意見交換をするなど、経営者や人事部門の最新の人事管理の理解促進に努めます。

林明文(ハヤシアキブミ) 合同会社HRMテクノロジー

林明文
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所在地 練馬区

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