無自覚なハラスメントはなぜ起きる?予防と対応を解説【中編】
職場でのハラスメントの相談数が年々増えていることをご存じですか。(※1)
ハラスメントの中には、行為者が気づいていない、無自覚なハラスメントも存在します。
無自覚なハラスメントが起きてしまう背景には個人だけではなく、組織も大きな要因となっているかもしれません。複雑な要因が混じりあって発生する無自覚なハラスメントに対し、本人にどう気づいてもらい、変化を促せば良いでしょうか。また予防や対応などはどのように進められるでしょうか。
- 一般的なハラスメントが起きる様々な要因とは?
- ハラスメントが無自覚におこなわれる理由とは?
- 無自覚なハラスメントにどう予防&対応すると良いか?
本シリーズでは上記の点について、3回に分けて解説いたします。
ハラスメントが無自覚におこなわれる理由とは?
以下ではハラスメントが無自覚におこなわれる理由の一つとして、個人の価値観に関連する、アンコンシャスバイアスをご紹介します。
アンコンシャスバイアス(無意識バイアス)
アンコンシャス・バイアスとは「無意識の思い込みや偏見」のことで、自分の経験や価値観、見聞きした情報から偏った見方で考えることを指します。
アンコンシャスバイアスは、人間が情報処理を効率化させて生きていく上で必要なものであり、誰にでもあるものです。しかしながら以下のように、ハラスメントにつながる可能性を持つアンコンシャスバイアスもあります。
職場で起こりがちなアンコンシャスバイアスの例
職場で起こりがちなアンコンシャスバイアスの例として、以下のようなものがあります。
これらの例のように職場で起こるアンコンシャスバイアスでは、従業員の能力や仕事への取り組みの姿勢が判断されることがあります。また、任される業務や人事評価に影響が出る可能性が考えられます。
職場でアンコンシャスバイアスが日常的に起きると、社員それぞれが自分の意見を主張するなどの積極的なコミュニケーション機会が減少します。そうなると社員同士が相互理解を深めたり、信頼関係を構築することが難しくなります。
お互いの意見が尊重されず、優位な立場の社員が一方的に主張を重ねてしまう関係性は無意識なハラスメントが生まれやすい状況だと考えられます。
無自覚なハラスメントに気がつく機会が少ない
これらの無意識な押し付けや決めつけにそもそも気がつく機会がないことも無自覚なハラスメントを許してしまう要因になります。
教育係や管理職などの場合、キャリアが上がるにつれて、本人のやり方に意見をいう人や気軽に相談できる相手がいなくなることも背景にあると考えられます。
このように、人それぞれ異なる考え方やバックグラウンドから自分なりの解釈をしていることに気づくことは難しいことです。だからこそハラスメントに対して会社全体で気づき、当事者に気づいてもらうための対策を打つ必要があります。その方法について、次回解説していきます。
(【後編】に続きます https://jinjibu.jp/spcl/SP0010085/cl/detl/5243/ )
参考資料
※1 厚生労働省「令和2年度個別労働紛争解決制度の施行状況」
本コラムは、ピースマインドの人事・労務向けコラム『はたらくをよくするお役立ち情報』に掲載している記事を転載したものです。
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EAPコンサルタントとしての臨床業務の傍ら、研究、研修、サービス開発にも従事してきました。現在は、主にコンサルタントのマネジメントや育成支援を行っています。
後藤 麻友(ゴトウ マユ) ピースマインド株式会社 社員支援コンサルティング部 部長、EAPスーパーバイザー
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