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不妊治療を受ける従業員へのサポートとは

日本で少子化傾向が続いている一方で、子どもを望んでいるにも関わらず、なかなか妊娠にいたらず不妊治療を受けるカップルが少なくありません。

日本では夫婦やカップルの5.5組に1組が不妊治療や検査を受け、生まれてくる子どもの17人に1人が生殖補助医療(不妊治療)によって誕生しています。

この背景には、晩婚化とそれに伴う出産年齢の高齢化があります。
高齢になればなるほど、不妊治療をする必要性が高まりますよね。

そこで、2022年4月から不妊治療に対して保険適用が開始されました。

今後不妊治療を受ける方も増えると考えられます。
企業では、どんな視点を持って従業員をサポートしていけばいいのでしょうか。

今回は、不妊治療の保険適用に関してと、企業でのサポートに関してお話しします。

 

不妊治療にかかる費用はとても高額!!

不妊治療は、一般不妊治療と特定不妊治療に分かれています。

一般不妊治療には、排卵日を特定してその時に性交渉を行う「タイミング療法」と人為的に精液を生殖器に注入する「人工授精」があります。

これらの一部は保険が効くので比較的安価であり、まずはこちらを選択されます。

一方、特定不妊治療は一般不妊治療でも妊娠できなかった場合に行うもので、通常は体内で行われる受精を体の外で行う「体外受精」と「顕微授精」があります。

こちらは保険が一切効かず、数十万規模の高額な医療費を払う必要があり、大きな経済的負担になってしまいます。
そこで、厚生労働省は、特定不妊治療を行う夫婦に対して、高額な医療費の一部を助成することにしました。

保険適用を受けるための条件

対象年齢

治療開始時の妻の年齢が43歳未満

保険適用回数

40歳未満:1子ごとに胚移植6回まで
40歳以上43歳未満:1子ごとに胚移植3回まで

婚姻関係の確認

以下のいずれかに該当すること
・婚姻関係にある
・事実婚である。事実婚の場合は、以下の確認が必要
・重婚でない(両者がそれぞれ他人と法律婚でない)こと
・同一世帯であること(同一世帯でない場合には、その理由について確認する)
・治療の結果、出生した子について認知を行う意向があること

対象の治療

4月から新しく以下のものが保険適用され3割負担になりました。
・人工授精
・体外受精
・顕微授精
・胚移植
・胚培養
・胚凍結保存
・採卵
・精巣内精子採取

また勃起障害の治療薬「バイアグラ」や早発排卵防止薬「ガニレスト」、黄体ホルモン剤等の医薬品16品も保険適用されました。

まだ保険適用になっていない不妊治療

今回の決定で保険適用にならなかったのは以下のようなものがあります。
・着床前検査(PGT)
・第三者の卵子又は精子提供による不妊治療
・子宮内膜検査
・子宮内膜スクラッチ(子宮内膜にあらかじめ少し傷をつけ着床率の上昇を期待する方法)
・タイムラプス(専用のカメラで受精卵を撮影し培養状態を評価する)
・二段階胚移植法
・反復着床不全に対する免疫抑制剤

保険対象の技術と、対象外の技術を組み合わせた治療は、国が「混合診療」として、保険の適用を認めていないのが現状です。
(「先進医療」と認められたものについては、保険診療(3割負担)と併用できるようになるので、例外扱いとなります)

混合診療が禁止されているため、保険診療中に自費診療を併用する場合はすべての診療が保険診療も含めて自費診療となります。

保険診療化により経済的負担は全般的に軽くなると考えられていますが、保険診療や先進医療として認められていない治療法を必要とする人にとっては、負担額が大きく増加するケースもあるんですね。

 

企業でのサポート

不妊治療は、ステップが進むにつれて、どうしても女性側への負担が大きくなっていきます。
治療法や本人の状態によって変わりますが、体外受精の場合、妊娠判定までの通院回数は平均6回程度と言われています。

働きながら両立することが難しく、不妊治療開始後の女性の約6人に1人が離職しているのが現状です。
その理由として、「精神面で負担が大きいため」「通院回数が多いため」「体調、 体力面で負担が大きいため」が、上位3つとして挙げられています。

また、「不妊治療をしていることを知られたくないから」と半数以上の女性が企業に不妊治療をしていることを報告していないとのことです。

不妊や不妊治療に関することは、プライバシーに属することです。本人が相談しやすいように、企業全体でリテラシーを上げていくことも重要ですし、匿名でも相談できる専門家の窓口が必要なのではないでしょうか?

The CAREでも、不妊治療と仕事との両立に関するお悩みをいただきます。
必要に応じて、企業との面談に同席することもあり、従業員をワークとライフ両方の視点からサポートをしています。

 

ワークキャリアだけでなく、ライフキャリアも考えられるように

また、The CAREでは、新入社員や若手社員に向けて、生理や不妊、妊娠などのライフキャリアを考える上で必要な知識をセミナーにてお伝えしています。

仕事だけでなく、人生におけるキャリアを考える機会をつくり、継続して同じ専門家がサポートすることは、仕事と生活の両立をしていくうえで重要であるのではないでしょうか。

 

本日もお読みいただきありがとうございました。

従業員支援に関するお悩みなどございましたら、気軽にご連絡くださいませ。

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