この時代に合致した経営戦略と人事戦略との融合
今回から2回に分けて、経営戦略と人事戦略の融合について、触れていきたいと思います。
人事の分野はもともと、専門的かつ、経理とは異なり定性的な要素が強いため、他の分野との融合が難しいと思われがちです。
そのため、日本において成果主義が登場してから20年近くになりますが、経営と人事のかい離は埋まる傾向にありません。
さらに、昨今、「ブラック企業」ブームに伴い、企業は、長時間労働に対する意識の変化、従業員の引き留め等に苦慮するようになりました。
そのため、リテンションや管理者育成、労働環境の整備に注力している傾向があります。
勿論、それは企業の人材マネジメントに有効な手段だと思われます。しかしながら、企業の方向性と合致していないと、
単なる制度構築、"絵に描いた餅”になってしまう可能性があります。
さかえ経営では、今だからこそ、経営と人事の融合を提唱したいと考えております。
この論点は元々、2000年初頭の成果主義台頭に伴って登場しましたが、多くの企業が実現できていないのが現状です。
それぞれの背景を説明します。
経営計画、経営戦略はすっかり定着した感があります。
1990年代初頭のバブル崩壊に伴う急激な経営環境の変化により、常に、ビジネスモデルの転換が求められるようになり、
中期経営計画、新たなビジネスモデルの転換の考えが浸透し、それを実現した企業が発展するようになりました。
一方で、人に関しては、まだまだ、能力評価・情意評価等、曖昧な評価が行われている、もしくは、そもそも「人なんて客観的な評価ができない」
という考えが支配しています。人事戦略という言葉は、あまり浸透していないのが現状です。
そもそも、なぜ、経営と人事の融合難しいのでしょうか?
(1) 人事評価の基準はこれまでのビジネスモデルを踏襲している
(2) 人それぞれに独自の考え方があり、考え方が統一されていない
(3) 公正・平等な処遇を目指そうとしている
これらのことは、すべて間違いではございません。しかし、経営がどのように考えているかを的確に捉えていないと、
人材マネジメントは機能しなくなる可能性があります。
以上のような現象から、創業期の企業というよりは、ある程度、規模が大きくなった企業等の課題であるように思います。
経営と人事の融合は、その気になれば、それほど難しいことではございません。
ポイントは、経営の要点・ポイントを整理し、人事の諸施策に落とし込むかどうかです。
そのプロセスを下記のように考えております。
(1) 当社の1年先、3年先の姿(単年・中期経営計画)、経営理念等、コンセプトを明確にする
(2) (1)の要素を細分化することにより、ポイントを整理する
(3) (1)・(2)を元に、あるべき人材像を明確にする
(4) (1)・(2)を実現するための具体的な行動・結果等を定義する
(5) (3)・(4)の内容を人材マネジメントの諸施策に展開する
一番のポイントは、(2)となります。
経営と人事の論点の整理には、いくつかのポイントがあります。
次回に、その辺りの説明と各諸施策への展開をご説明したいと思います。
- 経営戦略・経営管理
- モチベーション・組織活性化
- 労務・賃金
- 安全衛生・メンタルヘルス
- 人事考課・目標管理
私達、さかえ経営は、経営の視点から人材マネジメントと労務マネジメント双方を支援している数少ない企業です。
知識・理論・メゾットの伝達、作業の請負ではなく、お客様に目的の達成と変革を感じて頂く、真のコンサルティングサービスをご提供しています。
森田征(モリタススム) 株式会社 さかえ経営 代表取締役
対応エリア | 関東(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県) 東海(静岡県、愛知県) |
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