研修成果を上げるには「タイミング」が重要ー研修企画のポイント
7月からの猛暑で徐々に疲れも溜まってくる頃です。疲れが溜まると、集中力が低下し普段ならしないようなミスが出たり、気持ちに余裕がなくなり、些細なことでイラだったり、反対に落ち込んだりします。
ただ人は、ミスや失敗、感情の浮き沈みに意識を向けますが、その原因である「猛暑で疲れていること」に意識を向けることはほとんどありません。そのため、本来であれば「猛暑時期の疲労対策」をすべきところを、意識や作業工程、コミュニケーションの問題として捉え解決を図ろうとします。
そして、その解決方法は多くの場合「責められた感」や「やらされ感」あるいは「的外れな対策」になり、あまりいい結果が出ないことを、長く人材育成に携わる中で経験してきました。
新入社員~若手がメンタル疾患に至りやすい背景
以上は、夏の限られた時期のお話ですが、少し長い期間でみると、2020年~2023年までの新型コロナウィルス感染症(COVID-19)による「行動制限」を受けたことによる様々な問題がここ数年現れてきているように思います。
例えば、ここ数年で入社している若手社員のメンタル疾患あるいはメンタル疾患に至りやすい予備軍の割合が増えている、という話を、複数の企業の人材育成担当者から伺っています。実際に、新人~若手社員に接してみると、人間関係形成力とメンタルタフネスに個人差が大きくなっており、従来通りの育成では、人間関係形成力とメンタルタフネスの度合いが低い層への時間のかけ方、内容としては不十分であると感じます。
しかし、企業が研修として場を設けるには限度があるので、OJTの中でサポートしてもらいたいところですが、人間関係形成力とメンタル面へのアプローチは、OJT担当者がサポートするには意識・知識・スキル面の訓練ができておらず、OJT担当者から見れば「荷が重い」と感じることでしょう。
新入社員~若手社員が落ち込みやすいタイミングと要因を捉え対応する
では、どうするべきか。
新人・若手が「落ち込みやすいタイミング」をしっかり捉え、よくある落ち込み原因に合わせたテーマで短い時間でも構わないので場を設け、視点を変えて考える機会を設けていくことが有効と考えます。
ここでは、新入社員の秋の状態を例に考えてみます。
上記イラストは、入社から約1年間の新入社員のモチベーションを捉えた図です。
夏から初秋にかけては、徐々に仕事を任されるようになり、暑い中でも比較的モチベーション高く取り組む方が多いです。しかし秋口にはいると、夏の疲れが出てミスが出たり、上司や先輩と自分の仕事の出来の違いが目に付くので、「上司や先輩のようにできない」や「期待に応えられていない」と感じて落ち込みやすくなります。
このようなタイミングに有効なのは、
・夏の疲れが出やすい時期であるため、ミスや失敗を自分で責めたり落ち込まなくてもよいこと。
・ミスや失敗が出はじめたら意識的に食事や睡眠をしっかりとるように生活習慣の見直しを促すこと。
・夏前と比較してできるようになったこと、成長できたことを確認し、自信をもってもらうこと。
などです。
もし、上記のような働きかけをしないでおくと、表情が暗く元気がなくなる、何事にも消極的になる、言われたことしかしなくなる、一人でいることが多くなる、休みがちになるなど、メンタル疾患や離職に至りやすい兆候が出始めます。
上記兆候が「あてはまる」と感じられた方へ
入社時教育~入社3年目程度の研修、職場で直接新入社員の指導にあたるOJT担当者とその上司への働きかけを見直すタイミングです。
見直すことができると、メンタルや人間関係の問題に至りやすい要因を低減する効果があるため、新入社員はもちろん、育成にあたる先輩・上司にとっても、余分な心配をする必要がなくなります。
このように、タイミングに合った施策を講じることで、メンタルや人間関係に至りやすい問題を低減する効果があります。今後の施策を講じる際の参考になれば幸いです。
なお、Six Stars Consultingでは、新人や若手を対象とした研修を担当することの多い、新任人材育成担当者を対象に、「新任人材育成担当者セミナー(オンライン)」を開催いたします。この機会をご活用ください。
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原田 由美子(ハラダ ユミコ) 代表取締役(人材育成コンサルタント、キャリアコンサルタント/国家資格)
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