「結果は後からついてくる」は本当か?(人材育成の視点から)
「結果は後から付いてくる」とよく言いますが、本当にそうでしょうか。
やるべきことをきちんとやれば本当に結果は後から付いてくるのでしょうか。
結論から言うと、多分付いてくるものだと思います。
「多分」と言ったのは、やるべきことをきちんとやることがミソだからです。
しかも本人だけでなく、上司もきちんとやるべきこと(本人へのサポートや
アドバイス)をやらないといけません。
要するに、本人と上司が一体となってやるべきことをやることが大切なの
です。
「やるべきこと」とは、「現状とあるべき状態を正しく認識し、そのギャップ
を整理し、その解決策を考え実行する」といった仕事ぶりです。
これらを本人と上司がそれぞれの立場で行うことが大切なのです。
それでは、何故、「やるべきことをやる」のでしょうか。
もちろん、目標(成果)実現のためなのですが、正確に言うと実はそうでは
なくて、「目的実現」のためなのです。
目標(成果)が実現できなくても、目的に適うような仕事ぶりならば、結果
は後から付いてくるのです。
ちなみに、「目標」と「目的」にはどのような違いがあるのでしょうか。
目標は目的を達成するためにあるものです。目的がない目標はあり得ません。
すなわち、目的とは、「何故それをやるのか」ということであり理念や
ビジョンに近い性質のものです。
それに対して、目標とは、「その目的を達成するための手段として実現したい
実績や状態」なのです。
例えば、「新たな商品開発に向けた○○の取り組みを行う(目的)」ために、
「来期は営業利益三億円を目指す(目標)」ということなのです。
これを、人材育成といった視点から「リーダーシップ」を例に取って説明
しましょう。
●目標~指定納期までに当該業務を完遂すること
●目的~進むべき方向を部下と共有し、モチベーションを上げ、部下を主体
的な仕事ぶりに変革すること
※上記の目標・目的の定義はあくまでも一例です。企業によって異なります。
たとえ業務の完遂が納期に間に合わなくても、目的に沿った仕事ぶり(リーダ
ーシップの発揮ぶり)であれば、それは必ず先々で成果につながる、すなわち、
目的に適う仕事の仕方なのです。
部下の意見や主体性を無視して自分本位の強引なリーダシップで目標達成でき
たとしても、部下のモチベーションは下がり、その後の仕事にも影響が出るで
しょう。
適切なリーダーシップを発揮することこそが、将来の継続した成果獲得につな
がるのです。すなわち「結果は後から付いてくる」のです。
もちろん、目標達成はとても大切です。大いにこだわりを持って取り組んで頂
きたいものですが、それ以上に目的に適う仕事ぶりかどうかをいつも意識する
ことが大切です。
そして更に言いますと、常にその仕事ぶりを「認めてあげる」ことが大切です。
評価と承認は違います。成果は出なかったけど、また、ミスもしたけど、
目的に適う仕事ぶりならばきちんと認めてあげることがとても大切なのです
(もちろん、目的に適わなければ認めないということではありません)。
目標(特に数値目標)の達成はそれ以上でもそれ以下でもありません。
今期の目標を達成したからといって、それは来期の目標達成を保証するもので
はありません。
しかし、目的は違います。目的に適う仕事ぶりは、来期の目標達成どころか
人材育成や当社の成長発展にも大いにつながります。
「結果は後から付いてくる」、これは目的に適う「やるべきこと」をやれば
必ず実現します。
そして、この目的に適う仕事ぶりを評価制度の中でキチンと示すことで、
会社の経営戦略と現場レベルでの仕事ぶりが、理屈ではなく実際にリンクして
いくのです。
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人事制度に「人材育成の仕組みと儲かる仕組み」を組み込むノウハウで人材育成と付加価値アップを同時に実現。
経営戦略・人事処遇制度・組織活性化・業務改善改革・営業生産性向上などの仕組み作りと実践支援をさせて頂いております。近年では、「人材育成と売上アップ」を同時に実現する当社独自の人事ノウハウでコンサルティング活動を展開しております。
山藤 茂(サントウ シゲル) 経営支援部 取締役
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