「すごいな！」ってむやみに、ほめていませんか？？

社員の定着率を上げるコミュニケーション 

⑩「すごいな！」ってむやみに、ほめていませんか？？

おだてるのではなくほめる

当社では年間約1200時間以上の管理職研修を行っています。

研修の中で、部下の良いところをしっかりと観察し、ほめてあげてください、と教えています。

すると多くの方が

「ほんと○○くんはすごいよね。」「頑張ってくれてるよね！」

と声を大にして褒めちぎります。

そしてだんだんと言葉に詰まってくると「すごい、すごい！」と連呼し始めます。

これ、実はほめていませんね。おだてています。

これでは、部下も「何を認めてほめてもらっているのか？」が分かりません。

人はこの具体的にほめられないと、それは「おだて」られていると感じ、

しかもこの「おだて」が続くと不快感を持つ方も多くいます。

「毎日一緒に働いているのに、すごい、しか言えないんだな。」

「結局この前○○くんに言ってたのと同じ言葉を言ってるよ。全然見てくれていないな。」

と感じてしまうのです。

ですから、しっかりと何について「すごい」と思っているのか、

出来る限り具体的に伝えてあげましょう。

年配の方、特に男性は、人をほめることが苦手な方が多いですね。

無理にほめようと思わなくていいのです。

具体的にどんな成果とプロセスが素晴らしいのか、を伝えてあげてください。

「成果とプロセス」

この2つが大事になります。

若手社員は、成果はもちろんですが、

このプロセスについてもしっかりと見てほしいと思っています。

そこに彼らなりの取り組み方や、考え方、仕事の仕方について、

多くの工夫や努力をしています。是非そこを見てあげてください。

具体的に伝える

そして、彼らに伝えるときには、「汎用的」な言葉を出来る限り使わずに、

具体的に伝えてあげる、ことを意識してみてください。

要はその言葉は、○○くんにしか通用しない、という言葉を使ってあげることが、

部下にとって「しっかり上司にみてもらっている」感を持ってもらうことができます。

もしまだ成果が大きくは出ていなくても、

「○○くんの、ここ最近のお客様に対する対応は素晴らしいね。

この前の電話で△△って言ってたでしょう。

あの一言がお客様にとってはすごく嬉しかったと思うよ。

このままその調子ですべてのお客様に接してみてくださいね。

お客様は○○くんにもっと相談したいと思うようになりますよ。」

と言ったように、部下の仕事の仕方、取り組み方は間違っていない、

素晴らしいよと伝えた上で、このまま続けることにより、

必ず成果へ結びつくことを伝えてあげてください。

その際に「必ず～～になるよ」「絶対～～になっているよ」と必然の言い方で言ってあげてください。

「～～すべきだ、～～しなければいけない」の義務役割系、

「～～してほしいなぁ」「～～してください」の上司からの願望系で言うよりも、

必然系で言われることで、部下は「必ず出来るようになる」と出来るイメージを持つことが出来ます。

スポーツでの「イメージトレーニング」と同じですね。

人はイメージの出来ないことは出来ません。

結局は自分自身がイメージした通りになっていくのです。

「出来るかな」と不安を抱えていれば、その不安通りになります。

「失敗したらどうしよう」と失敗した時のほうをより強くイメージしてしまうと、

失敗してしまうものです。力強く「○○くんなら必ず出来るよ。」と言ってあげてください。

そうすることで出来るイメージが増幅し、そのイメージへ向かって進んでくれるようになります。