社員の定着率が上がる社員育成法5つの秘策 (3/5)
社員の定着率が上がる社員育成法5つの秘策 (3/5)
③「ほめる」ことで、自己容認を高めよう。
ほめると伸びる
しっかりと聴く会話を続けていくと、部下との信頼関係がしっかりと築けるようになります。すると、今まで上司も見えていなかったことが見るようになり始めます。「彼は実はこんな風に考えていたんだな。」「彼女は実はここにものすごく力を入れて頑張ってくれているんだな。」といったように、今まで見えていなかった彼等の努力が目に入るようになってきます。そこを是非具体的に伝えてあげてください。
よく、ほめると伸びると言いますが、これは部下育成にもそのまま当てはまります。ここで「ほめる」ことについて少し詳しく見ていきましょう。ほめられると人はどうなるのか?単純に人はほめられる、評価されると嬉しくなります。人は、感情が揺すぶられたとき、それらの事象は「記憶に残りやすく」なるのです。
「忘れる能力に優れた人間」
人間という生物は、多くの生物の中で飛びぬけて「忘れる能力」に優れた生物です。ある実験では、「人は見たものすべてを覚えている」という結果が出ました。朝起きて、出勤する際にすれ違った人たちの顔、同じ電車に座った人たちの顔、レストランで隣の席に座った人たちの会話など、見えるもの、聞こえるものなど匂いも含めて覚えているそうです。
ただ、人間の脳がそのままそれらを覚えていると処理スピードが追いつかないので、瞬時に必要のないものと判断し、忘れるように出来ているそうです。ですから催眠術などをかけると、顔や匂い、会話などを断片的ではありますが、思い出すことが出来るそうです。
つまり、日常的に過ぎ去っていくものは、脳は覚えておく必要のないもの、と処理しわすれていきます。しかし、感情が動くことで、「これは覚えていたいこと」と認識しいつまでも覚えているものです。皆さんもこれまでの人生で一番嬉しかったこと、楽しかったことを思い返して下さい。それが例え、数年前でも数十年前のことでも「つい昨日のこと」のように覚えているものです。その場に居合わせた人が何を言ったのか、その日の天気など、大変細かいことまで覚えています。
教わるだけでは何もできるようにならない
研修でも参加者の方々に良く言いますが、人は「忘れる能力」に優れた生き物です。これは個人の能力如何に関わらず、必ず人は忘れます。脳は就寝する5分前からこれらの情報整理を始めるようです。ですから一晩寝れば、今日覚えたこと、学んだことの約半分は忘れてしまいます。(アルコールが入ればそのスピードは更に進みます)そして1週間後には「何かの研修行ったな」という事実は覚えていますがその内容はほとんど忘れてしまっています。そして1か月後には「研修行ったよな?」といったように研修に行ったことすら覚えていないことも多々あります。
部下も同じです。毎日多くの仕事をするなかで、感情が動かない事象についてはどんどん忘れていくものなのです。そして忘れないために、メモを取り、何度も何度も反復することで、それらを覚えたり身に付けたりします。つまり教わるだけでは何もできるようにはなりません。自分で反復するからこそ、出来るようになるのです。しかし、感情が動いた事象については、反復しなくてもそれだけで翌日も1週間後も覚えています。覚えていることからスタートするので、成長速度が速くなります。
感情が揺さぶれられるほめ方とは
では、感情が揺さぶられる「ほめ方」とはどういうことなのかを具体的に見ていきましょう。このほめる、ですがほめられた本人が「自分はほめられた」と認識することが大切なのです。本人が「おだてられてるな」「口で言ってるだけだな」と感じてしまっては「ほめ」られたと感じません。ほめられなければ感情は動きませんので、どんどん忘れていきます。ですから、部下がしっかり覚えていたいと思えるように、具体的に、彼・彼女にしか当てはまらないようなことをほめてあげてください。そのためには、彼・彼女の言動をしっかり観察しておかなくてはいけません。また、部下は成果はもちろんですが、その成果を上げるためのプロセスをしっかり見てもらうことで、自分をしっかり見てくれている、と感じます。また、その言動に至る考え方、気持ちまでを見てほしいと思っているのです。
「今日の接客でお客様に喜んでもらっていたよね」これは誰にでも当てはまる汎用的なほめ方ですね。そしてプロセスが入っていない、成果だけのほめ方になります。これでは心は動きません。
「今日の接客、良かったね。この前○○先輩から、お客様にどうしたら喜んでもらえるのかアドバイスをもらっていたのを、しっかり実践出来ていたね。●●さんのお客様に楽しんでもらいたいって気持ちがものすごく出ていた接客だと思うよ。」
というように、具体的にプロセスとそのプロセスに至った彼・彼女の考え方をもしっかり伝え、ほめてあげてください。部下が「そんなところまで見ていてくれたんですね」と思ってもらえるようなほめ方、これがベストなほめ方です。
仕事終わりに「ほめる」一言をかける
前述したように、記憶は就寝する5分前から脳の中で整理を始めます。つまり、最も覚えておいてもらいやすいのは、寝る5分前に具体的にほめることです。部下の寝る時間を聴いて、5分前に電話をかけてほめるのが、最も効果的ではありますが、そんなことは出来ませんよね。ですから、仕事終わりに「ほめる」一言をかけてあげる、これが効果的なタイミングです。
朝礼、終礼を活用してほめ合う
また、上司から直接ほめられる、これも嬉しいですが、他の人からも称賛を受ける、これも心に残ります。大きな拍手、これも効果的です。ですから、終礼などを活用して、今日の頑張った人に対して、具体的にほめる、そして皆でをそれを称えて拍手する、これが効果的な終礼ですね。
また、人は他の人がほめられているのを見ると、自分のことのように嬉しくなります。雰囲気も明るくなります。これは人間の脳は「人称」を「認証」できないからです。つまり、人のことでも自分のことのように勘違いをして感情が動きます。つまり、ほめた部下以外の周囲の人の心にも残りやすくなるというわけです。
また、周囲の人も「私もあんなふうにほめられたい」と思います。すると、ほめた上げた事象を真似をするようになっていきます。慣れてきたら、上司から部下へという一方通行だけではなく、同僚同志で、部下から上司へ、という方向でもやってみてください。
こうしてチーム力が上がっていきます。雰囲気が良くなりチーム力が上がることで、ミスが激減した企業や、これだけで売上が向上した企業もたくさんあります。朝礼や終礼では連絡事項の伝達を重視する企業も多くありますが、前述したような「お互いをほめあい、感謝しあう」朝礼や終礼を活用することをお勧めします。
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机上の空論ではなく、『現場で即使える!使って変化成長を実感できる!』をふんだんに盛り込んだ、『楽しく面白く笑いながら学ぶ』をメインコンセプトに、これまで100社以上で『成果の出る研修』を行ってきました。「共に汗を流す応援団」がモットー。
山口 しのぶ(ヤマグチ シノブ) 株式会社キャリアチアーズ 代表取締役

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