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ワーケーション体験記 ~福利厚生から人材育成へ~

はじめに

 

働き方の多様化やウェルビーイング経営が注目されるいま、ワーケーションは「新しい働き方の実験場」として大きな可能性を秘めています。


私自身、シンガポールやタイでの経験はありましたが日本国内での実践は今回が初めてでした。富山県のワーケーション・テレワーク助成事業を契機に現地に一週間滞在した体験から人材育成・組織開発への示唆を整理してみたいと思います。

 

 

ワーケーションの意味と「真空」

 

一般に、企業がワーケーションを導入する目的は「リフレッシュ」「従業員満足度の向上」「企業イメージ向上」など、どちらかというと福利厚生的な側面が強調されます。

 

しかし本来、ワーケーションにはもっと深い意義があるのではないでしょうか。

 

work(働く)には「機能する」という意味があり、vacation(休暇)の語源 vac には「真空・空っぽ」があります。

私にとってワーケーションとは、日常から離れ、意図的に「真空=余白」をつくることで、視座を変え、視野を広げ、新しい視点を得る場でした。

 

これは私が普段、次世代リーダー育成の場で伝えている「視座・視野・視点」の構造そのものであり、未来を描くための実践でもあったのです。

 

 

富山での体験――自然・文化・人との響き合い

 

今回の滞在では予定を詰め込みすぎず、できるだけ「余白をつくること」を意識しました。

 

毎朝、環水公園や富岩運河沿いを散策し、時には岩瀬浜まで足を延ばしました。静かな水面や朝の光に包まれる時間は心身をリセットし集中力を回復させる格好の機会でした。

 

また、雨晴海岸、伏木の北前船資料館、高岡の土蔵造りの町並み(山町筋)などを訪れ、自然や歴史、文化と触れ合いました。地域の人々との交流も重なり「異なる文脈に身を置くこと」が、自分の視野を広げていくことを実感しました。

 

 

 

多様な働き方の実践

 

普段は情報管理の観点からコワーキングスペースなどでの仕事は避けていますが、今回はあえて利用してみました。執筆や資料レビューに集中しつつ、打ち合わせや研修はホテルの自室で行なうという仕事の性質に応じて働く場所を主体的に選ぶ実践でした。

 

どの時間帯に、どの種類の仕事を、どの場所で行うか、これはまさに、多様な働き方に求められる「メタ認知力」の鍛錬です。環境や仕事を客観視し、自律的に選択し生産性と創造性を向上させる力は上位の職位で求められるコンセプチャルスキルのひとつでもあります。

 

 

人事・組織への示唆

 

今回の体験を通じて、私はワーケーションを単なる福利厚生ではなく人材育成・組織開発の場として再定義できると感じました。

 

リーダーシップ開発:自然や地域など非日常環境に身を置き、新しい視点を獲得する。

ダイバーシティ教育:異質性を前向きに受け入れる体験。

キャリア自律:仕事と生活を統合し、自分らしい働き方を設計する。

 

上記以外にも非日常の環境は社員のビジョン共有や経営者の戦略合宿にもいかされており、これは組織開発に連なります。歴史や文化、自然や人との関わりが、組織の理念や長期的な方向性を見つめ直す契機となるのです。

 

 

Gap Smart ― 理論と実践の「間」を生きる

 

別コラム「次世代リーダー育成の死角~机上の理論と路上の実践~」で私は「Book smart(机上の理論)」と「Street smart(路上の実践)」のバランスの重要性を述べました。今回の体験で得たのは、そのどちらでもない「第三の賢さ」――私はこれを Gap Smart と呼びたいと思います。

 

Gap Smart とは、理論と実践の間(ま)を楽しみ、間から学ぶ賢さです。どちらか一方を正解とせず、曖昧さや不確実性を受け容れ、それを楽しみながら進む。この「間」に身を置く力は、まさにネガティブ・ケイパビリティと通じています。

 

 

おわりに――人事部門への問いかけ

 

ワーケーションは「休暇と仕事の折衷」ではありません。ウェルビーイング、多様な働き方、リーダーシップ開発、キャリア自律を一体的に実現できる舞台です。

 

今回の滞在は、日常から一歩外に出るだけでこれほど学べるのだという視点をを私に与えてくれました。

 

人事の皆さまに問いかけます。

 

あなたの組織では、ワーケーションをまだ「福利厚生」としてだけ扱ってはいませんか。

 

 

ワーケーションを 人材開発と組織変革の実験場 として再定義計し、社員と組織の未来を創造する機会として位置づけてはいかがでしょうか。

 

 

このコラムを書いたプロフェッショナル

小平達也

小平達也
株式会社グローバル人材戦略研究所

「外国人社員の証言 日本の会社40の弱点」(文藝春秋)ほか執筆多数。政府有識者・大学講師、経団連グローバル人材育成スカラーシップ設立から一貫して携わるなど政策・教育からも成長を支援。趣味は寄席通い、富士スピードウェイ走行ライセンス所持。

「外国人社員の証言 日本の会社40の弱点」(文藝春秋)ほか執筆多数。政府有識者・大学講師、経団連グローバル人材育成スカラーシップ設立から一貫して携わるなど政策・教育からも成長を支援。趣味は寄席通い、富士スピードウェイ走行ライセンス所持。

得意分野 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、グローバル、リーダーシップ、マネジメント
対応エリア 全国
所在地 港区
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caster_suaさんが共感できるでオススメしました

東京都 HRビジネス 29分前

理論と実践のどちらか一方ではない絶妙な「間(ま)」――並列しながら成立する「ポリフォニー」こそが激動の時代を生き抜く永続性と多様性を包摂した智慧なのではないか?と大変共感を覚えました。

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