海外出張者・駐在員のリスク対策「7つの問い」
コロナ禍以降、地政学的なリスクが高まっている中、海外出張者や赴任者向けの研修において、リスク対策を紹介してほしいという依頼が増えている。
日本人向けはもちろん、海外で雇用している(母国から別の国に派遣されている)スタッフ向けにも実施しているディスカッションテーマに海外リスク対策「7つの問い」がある。今回は7つの問いを紹介するとともに、1~3の問いの概要を紹介する。
問1.安全対策に関する意識について留意すべき点は何か。
安全対策に関する意識と基本知識についての確認。有事と平時の境目が曖昧なグレーゾーンが常態化する中、リスクの種類・シーンも多様化している。特定の場所だけ気をつけていたら十分、ではない。テロの標的は要人や軍事施設(ハードターゲット)だけでなく、ソフトターゲット(オリンピックやワールドカップなどのイベント、その国や文化を象徴するランドマーク、ホテルやレストランなどの施設)化していることも理解しておく。
問2 文化、宗教、商習慣とタブー等について注意すべき点は何か。
目立たず、なによりも謙虚な態度。現地の文化、宗教、商習慣、タブーなどを理解・尊重する態度の確認。ざっくばらんな雑談などを通じ、相手が大切にしている価値観を理解してくこと。特にイスラム教の場合は信仰を実践することが重視されるので、日常的なお祈りやラマダン期間中の対応などをあらかじめ知っておき、必要な配慮をする。
問3 デマへの対応や情報収集について留意すべき点は何か。
不安や恐怖はヒトの認知能力を下げ、わかりやすい敵や安易な解決策に飛びつくようになってしまう。デマに含まれやすい表現の例をあらかじめ知っておく、ネット上の情報は関係者に直接連絡を取る、出所を確認する、複数の情報源を確認する、などにより自ら情報源を確認。
ここではテーマと概要を紹介しているが、国籍問わず、多くの受講者が指摘していることである。以下、7つの問い全体を示すので、自社内で、議論してみてはいかがだろうか。
海外リスク対策「7つの問い」
問1.安全対策に関する意識について留意すべき点は何か。
問2 文化、宗教、商習慣とタブー等について注意すべき点は何か。
問3 デマへの対応や情報収集について留意すべき点は何か。
問4 スリ強盗はじめ誘拐・テロ・自然災害について留意すべき点は何か。
問5 住居や外出・通勤時、職場において留意すべき点は何か。
問6 職場のコミュニケーションについて留意すべき点は何か。
問7 雇用・労務管理について留意すべき点は何か。
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次世代リーダー育成をはじめ世界で通用する人づくり、組織づくりをテーマに活動。グローバル経営、外国籍社員の活用/ダイバーシティマネジメント等。
「企業と人材」「賃金事情」「人事実務」「労政時報」「人事マネジメント」「グローバル経営」寄稿、「外国人社員の証言 日本の会社40の弱点」(文藝春秋)。政府会議有識者、大学講師、防災士、富士スピードウェイ走行ライセンス所持、グリーフケア勉強中
小平達也(コダイラタツヤ) 株式会社グローバル人材戦略研究所
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