「等級制度」のデメリット
いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。
前々回は、従来の人事制度の根本原理である「アメとムチ」を捨てた
逆発想の人事制度の3つのポイントをお伝えしました。
1.等級制度をなくす
2.評価と給与を分離する
3.キャリア開発制度を中心に据える
今回は、前回から引き続き、「等級制度をなくす」という考えの
理由について考えていきましょう。
前回は、等級制度というのは、柔軟な組織運営を妨げる上に、
設計にも時間と労力がかかるというお話をさせていただきました。
加えて、運用にも労力がかかります。
私の知る限り、等級制度の運用を厳密に行なっている中小企業は
ほとんどありません。
制度の内容をまったく理解できていない企業もありました。
人事専任部署を置いて運用に努力している企業も、
人事担当者しか制度内容を理解していないので、
人事担当者が「自分たちは現場より上だ」という間違った認識を
醸成する原因ともなっています。
また、経営環境の変化によって組織体制を変更すると、
必然的に等級制度を見直す必要が出てきますが、
複雑すぎる等級制度は見直す作業にも労力がかかります。
あるいは等級制度が障害となって、組織変更に支障が生じます。
このように、等級制度のねらいである、
1.人事処遇の意思決定の合理性・納得性を高める
2.昇格をインセンティブとしてモチベーション向上を図る
に関しては、皮肉なことに等級制度の存在が逆に障害となります。
乱暴な言い方をすれば、等級制度というのは
「作るのにも時間と労力がかかるし、運用にも時間と労力がかかる。
加えて、しっかり運用したとしても、柔軟な組織運営を妨げる」
というデメリットばかりの制度なのです。
百歩譲って、等級制度に組織運営上のメリットがあるとしても、
等級制度の構築と運用にかける時間と労力があるならば、
他の施策に時間と労力を回した方が生産性は高くなるでしょう。
したがって私の提案は、本当に社員のモチベーションを上げ、
会社のパフォーマンスを高めたければ、
「等級制度はいらない」ということです。
実際に等級制度をなくしたとしたら、
人事制度がどのような姿になるのかは次回以降で提案していきます。
生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔
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生きがいラボは、新たなカタチの人事制度である「ノーレイティング型人事制度」の設計・運用コンサルティングを行っています。
アメリカのグローバル企業が導入を進めている人事制度である「ノーレイティング」。日本で広く認知される前の2010年から、点数づけや格づけ、正規分布調整などを廃止した「ノーレイティング型人事制度」の設計・運用コンサルティングを展開しています。
福留 幸輔(フクトメ コウスケ) 代表取締役
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