降格・降職の意義
人事制度の構築・見直しにたずさわっていると、
降職、あるいは降格せざるを得ないケースにも出会います。
私がお付き合いする中小企業経営者の皆さんは、
社員さんを大切にされますので、非常に心を痛めておられます。
そのようなご相談には、冷たいかもしれませんが、
属人的な要素(年齢や社歴、配偶者の有無など)は考慮せずに、
貢献度合いによって人事を行ってください。
とお伝えさせていただきます。
ただし、給料が劇的に減ってしまうと生活できなくなりますから、
その辺の配慮は親身になって行うことが大切です。
私が、会社への貢献度によって、冷徹に人事を判断することを
お勧めするのは、2つの理由からです。
まず、1つ目は、
貢献度の低い社員さんを厚遇し続けていると、
周りの社員さんに悪い影響を与えるからです。
貢献度の低い社員さんが重要なポストに就いていると、
その人がボトルネックになって、
他の社員さんが存分に力を発揮できなくなってしまいます。
ひいては、ボトルネックになっている社員さんを登用している
経営陣への不信感につながります。
2つ目の理由は、
貢献度の低いままでズルズルと働くことは、
その社員さんのためにもならないからです。
降職や降格されるというのは、
会社でいうと事業に失敗したということです。
失敗しているのに、失敗したことに直面させないということは、
その人から成長の機会を奪ってしまいます。
厳しい現実に向き合ってもらうのも、愛情なのです。
人間は完璧ではありませんから、失敗することもあります。
失敗することは悪いことではないのです。
自分が失敗したことを真正面から受け止めて、
それを学びにして、次の仕事に活かしていけば良いのです。
だから、降職・降格されたことを素直に反省し、
それもエネルギーに変えて、前向きに乗り越えていくことで、
人間としての「深み」が出てきます。
一時的にはつらいかもしれませんが、
長期的に見れば、厳しい現実を直視した方が成長できます。
ただし、降職・降格された社員さんを温かく見守り、励まし、
成長することを期待することが大前提です。
そして、成長したら、活躍の場を再び与えることが大切です。
挫折を乗り越えた人は、人間的にも大きくなっていますから、
以前とは比べものにならない活躍をしてくれるはずです。
私は、上記の2つの理由で、
降職・降格という意思決定も意義のあることだと考えています。
- モチベーション・組織活性化
- 労務・賃金
- 人事考課・目標管理
- キャリア開発
- その他
生きがいラボは、新たなカタチの人事制度である「ノーレイティング型人事制度」の設計・運用コンサルティングを行っています。
アメリカのグローバル企業が導入を進めている人事制度である「ノーレイティング」。日本で広く認知される前の2010年から、点数づけや格づけ、正規分布調整などを廃止した「ノーレイティング型人事制度」の設計・運用コンサルティングを展開しています。
福留 幸輔(フクトメ コウスケ) 代表取締役
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