オンライン研修のあり方を見直してみる
新型コロナウィルスが5類となり、社会は大きく変わろうとしています。
そして、研修のあり方も変わってきています。
コロナに入り、研修は大きな変化を迎えました。オンライン研修の増加です。
しかし、ここ最近では対面式の研修も増え始めています。
「人事白書2022」では、アフターコロナにおける新入研修の開催方式について
「すべてオンラインで行う」が3.6%、「すべて対面で行う」23.9%であり、
他は両方を含めたハイブリッド型という結果となりました。
(その他という回答もあり)
他の階層においても、6割から8割の企業が対面研修を行うという結果でした。
この調査結果を見ると、今後、対面研修の割会は増えることが予想されます。
私としても講師としての立場からすると、対面研修の方を推奨します。
しかしながら、オンライン研修にはオンライン研修のメリットがあります。
例えば、地方の社員を東京に集める負担(費用・時間など)が無くて済む、
会場の確保が必要ない、他の感染も含めてリスクが軽減できる、などです。
そのため、オンライン研修の否定をするつもりはありません。
ただし、一方でオンライン研修は3つの問題があると感じています。
(私がオンライン研修の講師として登壇した際の感想です)
1、資料の共有ができない場合がある
受講者がパソコンの使用であればほぼ問題ないのですが、
スマートホンなどの場合、資料が送れない場合があります。
(送れたとしても、資料が見えづらい)
また、会社のセキュリティによってはファイル自体を送ることが
できないため、演習などで制約がかかることがあります。
2、できる演習に制限がある
オンライン研修に関するネット環境はここ数年で飛躍的に良くなりましたが、
それでもできることには制限があります。そのため、ディスカッション形式の
演習が中心になり、とくに体感的な演習でできるもの限られてしまいます。
また、グループ別の演習を行う場合、講師は各グループごとの状況は確認
できるものの、全体の状況を一度に確認できないため、どのグループに
フォローが必要なのかが把握しにくいというデメリットが生じます。
3、Off-JTにならない
これが一番の問題です。
研修はOff-JTです。つまり、「仕事(職場)と切り離して集中して学ぶ」
ことが前提です。しかし、オンライン研修だと、仕事をしたり、他の作業
をしながら受講しているケースも多く見られます。
(講師は何となくその状況はわかるのですが、確証がないので個別に注意は
できません)
そのため、研修に対する集中が弱くなることがあります。
当然、講師としては集中してもらうように尽力するのですが、
職場で受講されている方は周囲が声がけをすることもあるので
防ぎきれないことも多く、完全には防げません。
先に述べたようにオンライン研修のメリットもあるので、完全にオンライン
研修を否定するつもりはありません。要は使い分けです。
それでも、前述したように講師としての視点では明らかに対面研修の方が
効果は高いと言えます。(学習効果だけでなく、コミュニケーションの
効果なども含めて)
対象者や研修内容によって、オンラインにするか、対面にするかを検討する
ことになるとは思いますが、今だからこそオンライン・対面という切り口を
含めて、研修のあり方そのものを見直してよい時期なのかもしれません。
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「研修設計のノウハウを広めています」
効果的な研修や人材育成を行なうためのワークショップ開催や資料提供、ファシリテーター派遣を行っています
今までに設計した研修は2000件以上。その満足度は90%以上いただいております。
真剣に人材育成に取り組んでいる企業・自治体や担当者様のパートナーとして
全力で支援し、人材育成で組織を元気にしたいと考えています。
飯島 宗裕(イイジマ ムネヒロ) 一般社団法人日本研修コーディネーター協会 代表理事/人材育成コンサルタント・日本酒コンサルタント
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