本当に「ヒト」を大切にしていますか?

「ヒト・モノ・カネ」という経営資源で最も大切なのは「ヒト」だ。

という方もいるように、多くの経営者は「ヒト」が大切だと口では言っています。

 

しかし、本当に「ヒト」という経営資源を重視している企業や組織はどれだけ

存在するのでしょうか。

 

先日、転職サイトでどのような人材が求められているのかを調べていました。

「人材育成の担当者(管理者)」を募集している企業がいくつかあったのですが、

その年収の多くが400600万円。

 

正直、この数字にがっかりしています。

経営資源として最も重要な「ヒト」を育てる担当者、しかも管理者として採用する

のに、重要視している数字とは思えません。

年収が高ければ良い、低ければ悪いで、はないことはわかりますが、

組織にとって「ヒト」という経営資源を活かす役割として認識されている

のでしょうか。

 

人材育成は組織の成長戦略にとって需要な役割です。

もちろん、他社からのヘッドハンティングで優秀な人材を確保するというやり方も

ありますが、大抵は自社内の人材を育てて経営の成長を図るのだと思います。

 

将棋で例えると、

「王将」以外の駒が全て「歩」であれば、それで勝つのは難しいでしょう。

市場が小さい(相手も歩ばかり、もしくは駒が少ない)のであれば、

それで勝てるかもしれません。しかし、競争が激しい、相手が大企業で

優秀な駒がそろっている状況では、勝つのは難しいでしょう。

 

しかし、「飛車」「角」「金将」「銀将」「桂馬」「香車」などの駒が

自社に増えれば、優位に戦えます。

(それでも、経営者である棋士の能力が低ければ勝てませんが)

 

つまり、人材育成は「歩」をいかに他の駒に成長させ、競争を優位にするのか

といった重要な役割なのです。

その役割を担う人には、それなりの期待と対価を用意すべきではないでしょうか。

 

ちなみに、欧米では人事の最高責任者をCHOChief Human Officer)とし、

経営トップ(CEO)に近い立場に位置しています。これは人事戦略が経営戦略と

密接に関係することを知っているからです。一方、日本では、人事や人材育成

の担当者は経営者と立場が離れているケースが目立ちます。それは、人事や

人材育成と経営が乖離されていることを意味し、経営資源である「ヒト」が軽視

されていることを示しているようにも感じます。

 

今一度人「ヒト」という経営資源の重要性を再確認すること。

人材育成の価値を見なおすこと。

今の日本企業にとって急務だと思うのです。

  • 経営戦略・経営管理
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真剣に人材育成に取り組んでいる企業・自治体や担当者様のパートナーとして
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飯島 宗裕(イイジマ ムネヒロ) 一般社団法人日本研修コーディネーター協会 代表理事/人材育成コンサルタント・日本酒コンサルタント

飯島 宗裕
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細木聡子(株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士)

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2025/03/12 ID:CA-0005914 ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン