「女性限定施策」を“不公平”から“組織投資”に変える

株式会社リノパートナーズ代表
細木聡子です。
先日、ある技術系大企業で「しなやかリーダー塾」の研修を行いました。
その中で行った先輩女性管理職によるパネルディスカッションには、
数年前にこの塾を受講された方も登壇されました。
当時お伝えした「しなやか姿勢」や
「違いを価値に変える」という考え方をその方がまさに体現され、
組織の中で力強くも柔らかくリーダーシップを発揮されていました。
一人の受講生がリーダーとして成長し、
組織に良い変化をもたらしている姿に触れ、
あらためて続けてきたことの意味を感じました。
それでは、今回は、
「女性限定施策の納得感を引き出すために」
というテーマで、一緒に考えていきたいと思います。
■【事例】特別扱いではなく「組織投資」
まず現状を見てみると、日本の女性管理職比率は未だ15%前後です。
特に技術系産業では10%未満のケースも少なくなく、
人的資本開示の観点からも改善が強く求められています。
私が関わらせていただいているある大手企業様では、
3年前から女性限定のリーダー育成施策を導入しています。
当初は「特別扱いでは?」という声もありましたが、
人事部が状況や課題を丁寧に説明し続けた結果、
受講者の自信やチャレンジ意欲が醸成され、
男性上司の育成姿勢も変化をもたらしました。
今年、3年目を迎えたのですが、
受講希望者や上長推薦は年々増加しており、
女性管理職の人数も2倍に増えています。
結果として、女性限定施策によって
組織全体の風土改善につながっている実例を見ると、
「女性限定施策=不公平」ではなく、
【組織全体を成長させるための“投資”である】
と、改めて手ごたえを感じている次第です。

■ 納得感を得るための説明ポイント
女性限定施策は、ときに「女性だけ得をする制度では?」
と受け止められることがあります。
その際に有効なのは、
「全ての人が安心して成長できる組織文化づくりの一環」
という位置づけで説明することです。
具体的には、
- 女性限定研修は、 マイノリティ層のマインドを醸成し違いを価値に変える組織変革の第一歩であると伝える
- 成果事例やデータを示す(昇進率や エンゲージメントの向上など)
この2つを組み合わせることで、
経営層や組織全体からも納得感を得やすくなります。
女性限定施策は、ゴールではなく、
「全員が成長できる組織文化への通過点」です。
ぜひ、持続可能な組織変革への一歩を踏み出す1つの施策として、
前向きに検討いただければ幸いです。
このコラムを書いたプロフェッショナル
細木聡子
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。

細木聡子
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
得意分野 | 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、キャリア開発、リーダーシップ、マネジメント |
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対応エリア | 全国 |
所在地 | 千代田区 |
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