ジェンダーギャップ指数2025の結果から日本の現状に向き合う

今回は、
「思考の偏りに気づき、イノベーティブな組織となる」
というテーマで、一緒に考えていきたいと思います。

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■「ジェンダーギャップ指数2025」発表
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先日、世界経済フォーラムによる
ジェンダーギャップ指数の最新順位が発表されました。

日本は昨年と同じ118位。

注目すべき「経済分野」は112位とやや上昇したものの、
その中でも「女性管理職比率」に関しては127位と、
世界水準から大きく遅れている状況です。

この背景には、日本に根強く残っている
“性別役割分担意識”
があると感じています。

私はこれまで延べ7,000人超の人材育成に
携わっていますが、性別役割分担意識は
育成や登用の現場で知らず知らずのうちに、
女性のチャレンジ意欲を阻んでいるのが実態です。

特に、技術系企業など、男性比率が高い組織では
役員や幹部クラスに女性が不在であることが多く、
女性にとっては「自分がキャリアアップする姿」を
思い描きにくい構造が続いています。

その結果、現状に疑問も不満も抱くことなく、
「このままでいい」となってしまい、
ますます女性の役員・幹部登用は進まない・・という
負のスパイラルが生まれているのです。

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■【事例】周囲の決めつけを越えて、自分らしく進む
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私がサポートさせていただいている
ある技術系企業の女性管理職として
新たなポジションに就いたAさんは、
戸惑いながらも自分なりのスタイルで
前向きにリーダー業務に取り組んでいました。

そんな矢先、別部署の女性社員が
「私はAさんのようなリーダーの仕事は
したくないから、候補者にしないでほしい」
と直属の上司に訴えたそうです。

さらに、その発言を受けた上司が

「Aさんは家庭の特別な事情があるから
頑張っているだけだろうから、気にするな」

と返したという話が、
まわりまわってAさんの耳に入りました。

「頑張っていることが、まるで例外扱いされた・・」

Aさんは、誤った励ましの中にある
根強い性別役割意識と偏見に、
深く傷ついたと打ち明けてくれました。

私はそんなAさんに伝えました。

「自分らしくリーダーを担おうとするその姿勢は、
これからの組織にとって大きな価値です。
“目的をぶらさず、やり方は自由に”を大切にしましょう」

それからのAさんは、
強みを活かしたスタイルでリーダーシップを発揮し、
会社も認める成果を出したことで、初の女性幹部候補者
としての道を切り拓きはじめています。

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■“気づき”が、組織の未来を変えていく
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Aさんのように、周囲の決めつけや
無意識の思い込みを超えて
自分らしいリーダーシップを発揮する女性たちは、
確実に組織を変える力を持っています。

だからこそ、女性管理職の育成は
“今の役割を果たせる人を増やす”ことにとどまらず、
“次の幹部を育てる”視点で進めていくことが
ますます重要だと感じています。

その過程で浮かび上がる
性別役割分担という思考の偏りに、
一人ひとりが気づき、向き合っていくこと。

それが、組織に多様な視点をもたらし、
イノベーティブで持続的に成長できる
土壌をつくっていくのだと私は思います。